• HOME
  • 連載記事
  • 【連載 第40回】経営者が知らないとマズイ 業績を上げるためのファイナンスの裏ワザ

【連載 第40回】経営者が知らないとマズイ 業績を上げるためのファイナンスの裏ワザ

公開日:2023.08.18

最終更新日:2024.08.27

※以下はビジネスチャンス2023 年4月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

中小零細企業の賃上げ対策

アカウンタックス代表取締役社長 山口真導氏

 公認会計士・税理士。経理代行のアカウンタックス代表。ビズ部・部長。債権の入金確認や振込業務を含む、経理の全機能を提供し、キャッシュ・フロー改善に貢献している。毎月開催する節税セミナーには多くの経営者が参加して好評を博している。

 岸田総理が賃上げを要請しています。今回はこの経営環境の中で、オーナー社長がやるべき事についてお伝えしたいと思います。

 

 

賃上げのメリット・デメリット

 賃上げをすれば、目の前のスタッフが喜びます。また、他社より高ければ優秀なスタッフを雇えます。
 一方で、賃上げはコストアップとなります。賃上げ分に加え、社会保険料の会社負担分も増加し、15%ほど負担が増えます。また、人材紹介会社に支払う紹介手数料も上がるため、派遣料金も増額せざるを得なくなります。

賃金の下方硬直性

 一度上げた賃金を下げることは簡単ではありません。資金繰りが悪化すると、会社の借入金に対する社長保証の発動危機が近づきます。オーナー社長は、自分の財産を取り崩して給料を支払うところまで視野に入れて、賃上げを考えざるを得ません。

賃上げせざるを得ない状況

 賃上げする企業が一定数を超えれば、中小零細企業も人材流出を避けるために賃上げせざるを得ない状況になります。そういう意味で、総理大臣の賃上げ要請は意味があります。 マスメディアが大企業の動向をニュースにするからです。社長保証をしない大企業のサラリーマン社長は、賃上げして業績が悪化しても任期が短くなって生涯収入が減るだけです。全財産を失う可能性のあるオーナー社長の負担レベルとは比べるまでもありません。

賃上げの条件整備

 我々オーナー社長は、賃上げに耐えられる経営をする必要があります。やるべきことは次の3つです。
①商品力・サービス力を上げる
②賃金以外のコストダウン
③価格転嫁を想定した得意先とのコミュニケーション

商品力・サービス力を上げる

 賃上げをしても利益を出すには、値上げするしかありません。値上げしても売上が減らない様に、商品力・サービス力を上げる努力が必要です。特に「コストをかけずにお客様が感じる価値」を上げる努力が重要です。

賃金以外のコストダウン

 仕事が増えても人数を増やさずに仕事が出来るような方法に変えましょう。賃金のベースアップをする場合、人数が少なければその影響を小さく出来ます。そのためにはDX化を進めることです。
 例えば、ERPソフトウェアを導入して仕訳入力を行い、システム上で振込データを作成出来るようにすれば、振込登録の作業が不要になります。こうした業務改善を積み上げるのです。

価格転嫁を想定した得意先とのコミュニケーション

 価格転嫁は得意先の経営にとって不利益となる話なので、事前の準備が重要です。
 例えば、今年からインボイス制度が始まります。既に値上げの連絡をしている会計事務所もあるようですが、弊社はまだ値上げをしていません。しかし、お客様と接点をもつ度に、「施行日以降、実際に作業を行ってから、値上げの相談をする可能性がある」とお伝えしています。現段階で不満の声は一つもありません。

賃上げは社員を繋ぎ止めるために不可避

 本来、賃上げは会社の利益に貢献するスタッフを正当に評価し、繋ぎ止めるためにすることです。しかし、総理大臣の口先介入とは無関係に、賃上げは原材料高や円安の影響で広範囲で行われることでしょう。大切なスタッフが他社に流出する前に、オーナー社長は1円でも賃上げ出来る条件整備をするべきです。時間はありません。いますぐ取りかかって下さい。

Profile 山口真導
 公認会計士・税理士。経理代行のアカウンタックス代表。ビズ部・部長。債権の入金確認や振込業務を含む、経理の全機能を提供し、キャッシュ・フロー改善に貢献している。毎月開催する節税セミナーには多くの経営者が参加して好評を博している。

お問い合せ TEL.03-3237-1311
ビズ部:http://kigyou-no1.com
毎月開催! 節税セミナー
https://accountax.co.jp/solution/tax-avoidance-seminar/

次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌

フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。

記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌

“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。

定期購読お申し込みはこちら