【連載 第6回】~市場を押さえたパッケージづくり~南部の兵法
公開日:2023.09.13
最終更新日:2023.09.19
※以下はビジネスチャンス2023年6月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
本部立ち上げ準備からチェーン展開まで(上)【第6回】
フランチャイズ業界で本部構築・開発のコンサルティング事業を展開するディーセント・スタイルの南部晃舗社長。手掛けた企業は飲食、リサイクル、フィットネス、小売、福祉、教育など70社を超える。「売れる」業態とは何か、強い本部作りについて解説する。
今回はチェーン本部立ち上げの流れについて、大きく3ステップに分けて解説します。
直営店・本部体制・市場の評価
ファーストステップは、チェーン本部を目指すという意思決定です。まずは現在運営する直営店およびそれを管理する本部体制と市場について、展開できるレベルかどうかの評価を行います。次に本部体制についてです。パッケージ化や業態モデル、本部としての様々な機能を構築する人員体制が整っているかを評価します。そして、市場性の評価を行います。業態の市場は伸びているのか、今後も伸び続けるのか、また競合他社の動向はどうかなど、市場についての評価を行い、チェーン展開できる素地があるかどうかを判断します。
チェーン展開できると判断した場合、セカンドステップに進みます。
事業計画の立案・実証
セカンドステップではまだ本部構築は行わず、改めて自社業態を整理し、モデルの検証およびノウハウ化を進めます。
出店立地、店舗デザイン、店舗レイアウト、オペレーションサービス等のチェーンコンセプト(業態コンセプト)を明確にし、業態基準を作っていきます。その後コンセプトに沿った店舗を出店し、業態検証を行います。すでにできていた場合は、このステップは飛ばしても問題ありません。また、直営店における様々な施策についても検証を行い、ノウハウをブラッシュアップし確立していきます。
チェーン展開に耐える業態モデルが構築できたら、いよいよ本部構築のためのサードステップに進みます。
本部の機能とパッケージ
サードステップでは実際にFC本部の機能を作り込んだり、展開する商品(業態パッケージ)を作ったり、また運用するシステム等の計画設計を進めます。ここでの本部組織体制構築とは、人員体制のみならずチェーン本部として必要な機能の構築、マニュアルなどの契約書等の整備、加盟店出店に対する業務フローの構築、加盟開発体制の整備、加盟店出店後のSV業務設計および人材育成を行うことです。
同時にFCパッケージも構築していきます。FCパッケージとは、業態パッケージの各種条件設定です。具体的には加盟金、ロイヤリティ、研修費、保証金、初期投資額、投資回収期間、その他本部徴収費用などの設定です。本部が提供するサポート内容、業務工数、初期投資回収期間、競合のパッケージ条件などを加味しながら検討、設定します。この設定次第で、FCの展開スピードやどれだけ店舗が増えるかが大きく変わってきます。
さらに情報システムの設計・導入を行います。まだ完成していない、投資する余力がない場合は、導入に向けての計画を進めておきます。
このサードステップにより、本部体制や各種ツール類が整理でき、販売するFCパッケージがようやく完成し、初めてチェーン展開に向けた動きを取れるようになります。
Profile なんぶ・あきお
愛知県名古屋市出身。1977年生まれ。明治大学商学部卒業後、日系コンサルティングファームにて、飲食・サービス・小売など様々な業界の診断・改善コンサルティングに従事した後、2004年独立。2社設立・売却を行った後、2008年に株式会社ディーセント・スタイルを設立し、家系ラーメン「町田商店」や800拠点を超えるデイサービス業態などの本部構築をはじめ、飲食・サービス・小売・福祉など上場企業を含めた様々な業界・業態に対するチェーン本部支援を行なっている。
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