【リノベ不動産】「中古住宅＋リノベーション」で自分らしい暮らしを提供

住宅ローン、物件探し、設計、施工まで一気通貫でサポート

　近年、コストを抑えて自由度の高い設計ができるリノベーションに注目が集まっている。しかし、中古住宅をリノベーションするまでには、複数の窓口を介する複雑な手続きがあり、実現するには大きなハードルがある。WAKUWAKUが展開する「リノベ不動産」は、そのハードルを無くすため、住宅ローンの相談から、物件探し、設計・デザイン、施工までをワンストップで提供している。

リノベ不動産 WAKUWAKU：東京都目黒区 鎌田 友和社長（45）

PROFILE
1978年、静岡県生まれ。グローバル展開する総合不動産企業にて、13年で通算5,000件以上の不動産取引に関わった不動産のプロフェッショナル。2013年にWAKUWAKUを創業。住宅のみならず、くらし・働き方・経営・文化に対する従来の考え方をリノベーション。「パーソナライズ化された自分らしい豊かな暮らし」の実現のため、産業構造の課題を解決し、業界の枠組みを超えた革命を起こす。

複数の窓口を一つに集約 物件の選択肢は従来の6倍

－－御社が手掛ける「リノベ不動産」は、リノベーションに必要な工程を一気通貫で提供するサービスです。なぜこのサービスの展開を思い付いたのですか。
鎌田　これまで自分らしくカスタムした家を作るには、注文住宅という選択肢しかありませんでした。しかし注文住宅の金銭的負担は大きく、建売住宅や新築マンションを選択する人が多かった。しかし、規格化されているため自分らしい豊かな生活は実現できていませんよね。
　そこで新築より低コストで、自分の理想を形にできる「中古物件＋リノベーション」という新たな戸建ての選択肢を選ぶ人が増えています。しかし、実際に中古物件のリノベーションをしようと思うと、工程があまりにも複雑で実現の難易度が非常に高いのです。
　住宅ローンについては銀行、物件探しは不動産、リノベーションについてはデザイン設計会社、施工に関しては工務店と、複数の窓口を自分たちでコーディネートしなければなりません。さらに、良い物件を見つけても、プランニングが決まるまで数週間も掛かっていたら、その間に物件がなくなってしまいます。
　つまり、色んな会社とコミュニケーションを取って、すべて同時進行でスピーディーに進めなければならないのです。私自身の実体験として難しさを感じたので、これを知識のないエンドユーザーがやるのは到底無理だと感じました。
－－そのためワンストップモデルの提供を始めたのですね。改めてリノベ不動産の概要を教えてください。
鎌田　リノベ不動産では、資金計画の相談、物件探し・不動産購入、設計・デザイン施工まで一気通貫でサポートします。不動産会社、銀行、設計事務所、施工会社と、複数社にまたがる複雑なプロセスや手続きを省くことができ、窓口を一つに集約することができるのです。物件選択肢を従来の約６倍に増やし、自由なデザインプランができ、新築物件の3分の2ほどの費用で豊かな暮らしの実現をサポートしています。現在、230社ほど加盟しており、その9割がリフォーム会社や工務店です。

注文住宅なみに自分らしい暮らしを実現できる

DXツールで生産性を高める既存店の売上を平均1.6倍に

－－それほど複雑なものをどうやってFC化することができたのでしょうか。
鎌田　苦労した点は非常に多かったですね。普通の不動産だったら一つの知識のみでいいところが、住宅ローン、不動産、デザイン・設計についても網羅的に理解する必要がありました。また、中古物件の間取りは一つ一つ違って個別性が高い。そこにその人らしい個別性の強いニーズを組み合わせるので、複雑性が増します。さらに物件がいつまでも残っているわけではないので、全てを同時進行するうえでスピードが求められ、たくさんのエラーを起こしてきました。
　FC化するために、複雑な事業プロセスを仕組み化して、テクノロジーの力をふんだんに使っています。集客については、「リノベ不動産.clom」というオウンドメディアを持っており、そこから加盟店へ送客。また「リノベ不動産cloud」というDXツールが、顧客の管理や契約入金管理など管理業務を網羅し、生産性の改善をしています。加盟店には我々が10年間、日々顧客と向き合い最適化してきたオペレーションやシステムを提供しているのです。
　加盟店それぞれのレベルに合わせた研修も用意しており、理念教育から事業計画、マーケティング、マネジメントなど必要なことは一通り学べるようになっています。
－－初期投資や収益モデルなど、FCパッケージについて教えてください。
鎌田　入会金450万円、月額25万円、あとは成果報酬をいただく形になっています。
　既存店はリノベ不動産参画後、平均的に売上が1.6倍になっています。通常の不動産会社であれば、物件価格の仲介手数料のみの収益になりますが、我々のワンストップサービスの場合、仲介手数料に加えてリノベーションの請負粗利が入ってきます。そのため、従来の4倍の収益が見込めるのです。
　今後、取扱流通総額を1兆円にすることを最低レベルの目標に掲げています。そうなると日本全国の末端までこのサービスが広がり、質の高い暮らしを提供できている環境になっていると思います。