【連載 最終回】ハイジと学ぶ 脱毛業界のトリセツ
公開日:2023.12.06
最終更新日:2023.12.06
※以下はビジネスチャンス2023年12月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
第6回(最終回)セルフ脱毛は今後も伸長
脱毛業界の二大勢力だった、脱毛サロンと医療機関。大手脱毛サロンチェーンは、高額ローン契約やずさんな経営体制から消費者が離れ、現在は、医療機関による脱毛施術が人気を集める。そんな中、セルフ型サロンや家庭用脱毛器が登場。脱毛業界の勢力図が大きく変わろうとしている。シンプルな利用スタイルで店舗数を伸ばすセルフ脱毛サロン「ハイジ」代表の斎藤一誠氏が、脱毛業界を徹底解説する。
これまで1年に渡り脱毛が浸透した社会的背景、セルフ脱毛の広がり、有人業態と無人業態の違いなど、業界にまつわるさまざまなことをお伝えしてきました。今回はこれまでの振り返りをしながら、業界の今後について考えていきたいと思います。
無人業態運営の心構え
脱毛がこれだけ世の中に浸透したのは、男性脱毛、介護脱毛、キッズ脱毛が顕れ性別、年齢の隔たりが消えたことが大きいと以前お伝えしました。「脱毛は女性がするもの」ではなくなり、脱毛の対象者が圧倒的に拡大しています。そのため、脱毛のニーズは増々広がっており、脱毛業界が今後も伸びていくことは間違いないといえるでしょう。
これまで、脱毛をする際にメインの選択肢となったのが、「医療脱毛」と「エステ脱毛」。しかし、クリニックもエステサロンも費用が高すぎるため、利用するには大きなハードルがあります。そこに19年頃からセルフ 脱毛サロンが出現し始め、コロナも追い風となり一気に広がりました。気軽に利用できるセルフ脱毛という選択肢が増えたこともあり、勢力図のバランスは、今後徐々に変わっていくだろうと推測しています。
エステ脱毛は大手サロンの倒産が相次いでおり、多くの利用者が被害を受けたことで、下火になっていくのは止められません。そのため、人に施術してもらいたいという場合は、医療脱毛一択になっていくでしょう。
現在チョコザップさんの台頭で、セルフ脱毛器やセルフエステの機器を設置するスポーツジムが増加しています。そういった波もあり今まで知らなった潜在層に認知され、セルフ脱毛はこのまま定着し、確固たる市場になることを確信しています。
近年、セルフ脱毛サロンに限らず、無人業態が増加しています。上場企業や大手企業も無人業態に参入し、FC業界でも、初期費用もランニングコストも似たような無人業態のビジネスモデルが増加。しかし、最近無人業態の問題が取り沙汰されている場面をよく目にします。
無人業態を選ぶ人の中には、「楽だから」「簡単にできる」という考えの方が一定数いらっしゃいます。しかし、その甘い考えは捨てなければいけません。無人だから楽ということはまったくなく、むしろ有人よりも無人の方が難しい。そのくらいの感覚を持っていないと無人店舗の運営はできないのです。
ハイジでは、ホームページでも加盟説明会でも一貫して「甘くない」というメッセージを伝え続けています。しかし、どうしても良い情報しか耳に残っていない方が多くいます。加盟検討する場合は、とにかく厳しい目を持って、無人業態の良い情報だけを鵜呑みにせずよく考えてから加盟いただきたいです。
現在ハイジの店舗数は約店舗で、セルフ脱毛サロン単体の店舗としては業界一の店舗数です。ハイジの企業理念は、誰でも気軽に脱毛できる機会を提供し続けること。その理念に本気で向き合って店舗数を増やすことができれば、業界の悪徳な経営手法や解約のトラブルなどを是正して、業界の健全化に繋がると考えています。(完)
Profile 斎藤 一誠
埼玉県出身。獨協大学英語学科卒業後、株式会社レバレッジ入社。2018年セルフ脱毛サロンハイジを創業し、2020年に株式会社ハイジを設立。【脱毛業界改革】を掲げ、脱毛業界の健全化に尽力している。
次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌
フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。
次号発売のお知らせ
2024年12月23日発売
記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌
“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。