【プラザクリエイト】写真関連サービス「PALETTE PLAZA」197店舗展開(後編)
公開日:2024.02.22
最終更新日:2024.02.22
※以下はビジネスチャンス2024年4月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
一人一人の成長見届けるサービス業へ 子供からシニアまで家族にリーチ
――「パレットプラザ」の来店客はファミリー層がメインですか。
新谷 ファミリーはもちろん、最近はシニアの方が増えています。お孫さんや旅行の写真をプリントしたり、グッズに写真を印刷するサービスも「パレットプラザ」ではずっと人気です。
――最近ではペットの写真を印刷するオリジナルグッズ販売にも力を入れている。
新谷 ペットを飼う方が増えていて、Tシャツやマグカップなどに印刷して販売しています。売上単価も店舗でペット系のイベントをやると10倍ぐらい上がります。グッズを作るのにペットはすごく相性が良い。写真プリントで1枚数十円のものが、マグカップにすると3000円とか単価が一気に上がります。
――意識的にグッズ販売の方へ誘導されている。
新谷 この1年はペットグッズの拡充はかなり意識的にやりました。店頭でオリジナルグッズのペット撮影会みたいなことをやっています。ペット用の撮影ブースを作って撮影をして、グッズをいくら以上買ってもらったらデータを無料でお渡ししますというものです。かなり反響があります。
――現在の1店舗あたりの客単価はどれくらいですか。
新谷 まだ今期の数字は出していませんが、1.3〜1.5倍ぐらいになると思います。ただグッズはプリントより粗利が少ない。プリントの場合は溶剤と紙だけなのでほぼ原価はゼロに近い。商品がグッズに変わっても店舗売上としては若干上がるという感じです。
――利益を求めていくためには、次の一手が必要になる。
新谷 やはりお客様の思い出に寄り添うような「思い出コンサル」の領域に入っていく必要があると考えています。「パレットプラザ」では、現場のスタッフが地域の中で1人1人のお客様の成長に寄り添ってきました。あの時小学校を卒業した子が、今は成人式の写真をプリントしにくる。そういった思い出がコアな部分としてある。これを見届けられるサービス業は当社しかないと思います。
――地域に長い間寄り添えるのはFCの強みではあります。
新谷 例えば遺産相続の中で写真系は多くて捨てるに捨てれない。それを我々がデジタルで残しませんかと提案できます。ほかにも例えば来店されるのは家族の中で奥さんだけだとしても、息子さんの携帯が壊れたら当社が修理サポートをできます。
――家族の中でまだリーチできてない層にもアプローチできる。
新谷 店舗の中でお客様を待っているだけではなかなか今の時代、厳しい状態は変わりません。お客様のところに出向いてコミュニケーションをとる。そこにチャンスは出てきます。
――「思い出コンサル」の本格スタート時期は。
新谷 いくつかの店舗でオーナーさんと実証実験的にやろうと考えています。
――オーナーを新たに発掘して今後も店舗を増やしていく。
新谷 次の「パレットプラザ」の形を作って成果を出して、新しいフランチャイズモデルとして増やしていく可能性はあります。
――FCモデルを再構築する。そのための中期的な目標は。
新谷 この3〜4年ぐらいかけて今の店舗から新しいモデルに変えていく。いくつかパターンを考えていますが、写真プリントの軸ではなく、例えば地域の子供たち向けの「つくるんです」ショップ。月額制で「チョコザップ」の図工教室版みたいなコンセプトも可能性としてあります。それが新しいモデルになり得るか、色々な商品を検証しながら動かしています。今の「パレットプラザ」の良い部分は残しながら、でも変えるというのは結構勇気が要ります。
――「パレットプラザ」を知っている人ほど昔の写真屋のイメージが強いので、そこを払拭する必要はありそうです。
新谷 新規事業のグランピング事業も含めて人生のライフサポートができる拠点として「パレットプラザ」の存在意義を高めていきたいと考えています。
「PALETTE PLAZA」の価値を再定義する 新たな加盟店オーナー発掘も課題に
新規事業01 個室ワークブース「One-Bo」
2021年1月より販売を開始した同商品は、Zoom共同企画によるもの。オンライン会議が急激に普及し定着している背景に「オフィスもまた、人と人がつながる『広場』である」との考えのもと、BtoB事業の戦略商品として開発した。証明写真ボックス事業のノウハウや自社工場のプリント技術を用い、安全性・快適性に注力した。各オフィスに合わせてデザインすることが可能だ。
新規事業02 グランピング事業に参入
同社は2022年に初となるグランピング施設「アルプスBASE」を長野県にオープンした。現在は長野県飯島町と三重県伊勢志摩国立公園内に直営2拠点を展開、3拠点目も開業予定だ。地方創生事業として、思い出体験をプロデュースする場を開発することを目的としている。「コロナの時にお客様に対して何も提案できるものがなかったので、思い出体験を創出できる場として立ち上げました」(新谷社長)。今後各地に施設が増えれば、全国展開する「パレットプラザ」とのシナジーも期待される。
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