【24h無人ホルモン直売所】市販されない牛ホルモンを販売
公開日:2024.02.24
最終更新日:2024.02.24
※以下はビジネスチャンス2024年4月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
郊外で安定した売上を維持する
スーパー店頭にはない牛ホルモンやせんまい刺し、和牛赤身などを1000円均一で販売する「24h無人ホルモン直売所」。コロナ禍の2021年4月に無人販売をスタート。コロナが明けた2022年5月から直営店を出店し、2か月後の7月よりFC募集を開始。現在、全国で221店舗を展開する。
焼肉屋の本格的な商材を1000円均一で提供
コロナ禍で休業要請が続く中、焼肉店「いわて焼肉会館」を運営する藤は、店頭の雪除けスペースに冷凍庫を設置し、同店で取り扱う食材をテイクアウト用に販売した。これが好評で人口11万人の地域で月商120万円をコンスタントに売り上げてきた。
2022年5月に「新型コロナウイルス感染症岩手緊急事態宣言」が解除された後、焼肉店から独立し、「24h無人ホルモン直売所」をスタート。1か月に3〜4店のペースで出店し、現在、直営店舗を展開する。
同店のコンセプトは「焼肉屋の商品を出すこと」。地元の畜産場から直接牛1頭を購入し、自社工場や焼肉店内にある調理場で加工する。そのような焼肉屋でしか食べられない牛ハツやもつ鍋用ミックスホルモンを取り扱う。
同店も昨今の無人販売ブームの例に漏れず、FC開始1年で170店舗以上まで拡大した。伊藤社長は「長引くコロナで先行き不安を感じた人が、2つ目の事業の柱として無人販売に注目しました。開店期に見られるオープン景気は、多くの店舗で予想以上でした」。
ホルモンに特化することで差別化 加盟店は肉以外なら別商品の販売も可能
同店は店内に冷蔵ショーケース2台を設置し、43種類の商品からオーナーの好きなアイテムを置くだけなので、最小2坪から開業できる。空中階でなければ、立地の良し悪しは売上にはそれほど影響しないという。
加盟金は110万円(300店舗まで)で、ロイヤリティは最初の3カ月が3万3000円で、7カ月目以降は1万8000円。グループ会社で建築・工事を手掛けていることから内外装工事費は約80万円が目安で、最短2日で開店できる。必要な設備は冷凍ショーケースやテレビ、防犯カメラ5台など。在庫は43種類の中からカスタマイズでき、LINEから1枚単位で発注可能だ。
前述の通り、無人販売人気、好調なオープン景気と追い風が続くが、売上は30〜40万円に着地すると伊藤社長は想定する。売上は前年比こそ130%と順調に推移しているが、コロナ禍から比べると70%という。今後、無人販売は業種を問わず、ポストコロナの戦略が問われるだろう。
同店はホルモンに特化している。一般的な部位と違ってホルモンは単価が安く管理に手間がかかるため、大手焼肉チェーンやスーパーは扱わない。しかしながら、ホルモン好きは根強い人気がある。同社はその受け皿を目指していく。
コロナが明けたことで宅飲みが減って、再び飲食店が賑わうと予想される。同店の客層は子供がいる40〜50代が主力。同社は「焼肉屋1回の金額で無人ホルモンが3回食べられる」と、自宅で焼肉を楽しむファミリー層に訴えていく。
「お店を長く続けることが一番大切。そのためにやるべきことは、5年かけてリピーターを作っていくこと。また、肉以外なら店舗で何を販売しても構いません」(伊藤社長)
同社は人口10万人につき1店舗を割り振り、400店舗を目指す。
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