【連載 第36回】アメリカに学ぶフランチャイズ事情
公開日:2024.03.05
最終更新日:2024.03.05
※以下はビジネスチャンス2024年4月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
今年のフランチャイズベスト40
米国の大手FC業界誌であるフランチャイズタイムス誌が、24年に飛躍が期待されるFCビジネスを紹介しています。再生医療クリニックやドライブスルー専門カフェ、フィットネスやペットビジネスなど40社が掲載されました。そこで今回は、日本人経営者が興味を持ちそうなブランドをいくつか紹介したいと思います。
1位:QC Kinetix
ノンメデイカル再生医療のFCは、20年から22年にかけてシステム全体の売上高が1億100万ドルに達し、1051.5%という驚異的な成長を遂げた。QC Kinetixは20年時点で9施設だったが、22年末には全国で169施設まで拡大。同店は関節や軟組織の痛みを治療するほか、細胞療法や免疫調節療法、組織工学などを含む再生医療治療を手掛ける。クリニックの開設に必要な投資額は約23万〜49万ドルで、収益は300万ドル。24年末までに米国で300箇所の開業を目指している。
2位:スクーターズコーヒー
ドライブスルーのスクーターズコーヒーは、20年から22年にかけて店舗数が70.8%増加し、555店舗展開となった。売上高は3年間で173.5%増加し、22年で3億9800万ドルに達した。同店は、迅速かつフレンドリーなサービスと質の高い商品を届けることに重点を置く。同店の多くは、コーヒーチェーンが存在しない郊外や田舎の地域に出店している。
3位:トミーズエクスプレス
トミーズエクスプレスは次世代洗車サービスだ。店舗数は20年から22年にかけて130.4%増加し、129店舗となった。売上高は同期間で233.3%増加し、2億ドルに到達。サブスクリプションの導入がブランドの成長を後押ししている。
4位:ストレッチラボ
ストレッチラボは20年から22年にかけてユニット数が208.1%増加し、22年末には305店舗展開となった。売上高は20年から22年にかけて298%増加し、22年には1億ドルに達した。同店はサイクルバー、ピュアバーレ、クラブピラティスなどを所有する Xponential Fitnessの1ブランドだ。東京にも既に1店舗出店しており、30年までに200店舗を目指している。
9位:クラブピラティス
22年に売上高は5億2500万ドルを達成。メンバーシップ構造を強化するとともに、プレセールサポートを重視することで、多くのメンバーシップを獲得。スタジオ内でのコミュニティ作りに重点を置いていることも定着率向上に貢献している。日本では40店舗以上を出店している。
12位: Yoga Six
XPonential Fitness の1ブランドである Yoga Six は、20年から22年の3年間で売上高は363%増、店舗数は約105%増を達成した。同店は全国に200店舗以上を展開。また、マスターフランチャイズ契約に基づき、24年に日本でオープン予定だ。
13位:ドッグトピア
ドッグケアやボーディング、グルーミングなどのサービスを提供するドッグトピアは、20年から22年にかけて売上高が189.9%増加し、同期間で店舗数が44.8%増加した。本部は愛犬の運動や体重管理プログラムなど、顧客やオーナーが愛犬の健康状態を把握できる新しいアプリ開発を目指している。
34位:陣屋
陣屋は3年間で売上高が87.31%、店舗数が33.3%増加し、22年は48店舗、売上高は41億3600万ドルとなった。陣屋では継続的改善を理念とし、その中には、ヴィーガンラーメンメニューの拡充も含まれている。
まとめ
このように、米国FCの成長性を握るキーワードは、「ノンメディカルクリニック」「ブティックフィットネス」「ドライブスルーカフェ」「ペットサービス」ラーメンを含む「和食」にあると考えます。
Profile 藤田一郎
上智大学国際学部および南カリフォルニア大学国際学部出身。1980年にI. Fujita International, Inc.を設立。1986年から米国フランチャイズ案件の日本導入事業に着手。2000年以降から日本フランチャイズ案件の米国導入事業及び加盟店開発を行う。米国のアントプレナー誌からExcellent Entrepreneur Awardも受賞。最も米国フランチャイズ事情に精通している人物として認められ、近年は、フランチャイズのグローバル化に貢献し、多方面で講演を実施。日本フランチャイズ及び小売企業の北米進出サポートやコンサルテイングを行っている。
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