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【連載 第6回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛 

公開日:2024.04.13

最終更新日:2024.04.13

※以下はビジネスチャンス2024年4月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

賃貸借契約締結について お目当ての物件を無事に借りるには

店舗情報サービス (東京都中央区) 繁友 健志 社長(40)

 FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載だ。

 

 

 

 

契約書の内容はすべて確認

 貸主との経済条件の交渉が済みましたら、契約締結に向け両者で契約書案文の確認を行います。
 契約書の案文は基本的に貸主側が用意することが多いです。交渉した内容が反映されているか、交渉していない項目において不利な条件になっていないかを確認する必要があります。特に募集条件として書かれていないことが多い解約予告期間が12カ月などに設定されている場合は、3〜6カ月まで短縮するよう最終交渉をします。
 大手チェーンの場合は、チェーン店側が賃貸借契約書のひな形を用意していることが多いです。自社の書式で賃貸借契約書を作ることで、細かい条件面で不利な契約にならないようにリスクヘッジをしています。
 また、店舗数が増えてくると、賃貸借契約の管理は楽になります。
 何条何項に何の条文が書いてあるかと決めることで、数百〜数千件の賃貸借契約を数十年間管理することを考えると、管理コストは大幅に変わってきます。
 新興のフランチャイズでは、フランチャイジーが賃貸借契約を締結することが多いので、自社の契約書を用意することは現実的ではありません。契約書の確認は面倒であっても一言一句確認することをおススメします。

コンペの場合

 2番手での申込の場合に、1番手に持っていく方法をお伝えします。
まずは、申し込みの段階で2番手だった場合にどうしたらひっくり返せるか貸主に聞くことです。
 貸主は賃貸するテナントを基本的には申し込み順に検討しますが、必ずしも1番手で契約する必要はありません。
複数申し込みがあれば、コンペにすることはよくあります。10年前にコンビニが出店した立地では「10社以上のコンペになった」という地主様の自慢話を聞くことも多くあります。
 具体的な方法としては、自社に貸すメリットを貸主に作文で伝えることです。その土地に対する自社の思いや事業の素晴らしさ、開店する店舗を通じてどのように地域に貢献できるかなどを申込書と別紙で作成します。
 フランチャイジーであれば、本部に確認して加盟説明資料を提出しましょう。加盟説明資料はブランドの魅力と収益モデルも記載されているので、事業計画書の代わりになります。
 また、わかりやすい方法として賃料増額や礼金上乗せも提案しましょう。大手チェーンの店舗開発部では、物件を獲得するためにこのような提案をすることはよくありますが、出店経験が少ないフランチャイジーでは少ない印象です。
 貸主が他社よりも貴社に貸したいと思ってくれるような提案をすれば、お目当ての物件を借りられる可能性が上がります。せっかく見つけた物件を取りこぼすことなく、契約締結して出店まで進めましょう。

今月の一句

決め事や 信頼あれど 書く絆

Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。

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