【半自動経営シェアサロン3w】フリーランス美容師の活用で半自動経営を実現

マネジメントと集客を仕組み化したシェアサロン

半自動経営シェアサロン3ｗ triweekly：東京都中野区 細矢 隆弘社長（47）

　triweeklyが展開する半自動経営シェアサロン「3w」は、フリーランス美容師のみで構成された店舗だ。同社の代表取締役細矢隆弘氏は、美容院を経営する中で、美容業界の古い体制で経営を続けることに限界を感じ、シェアサロン型へ転換を図ったという。2019年にシェアサロン型へ方向転換し、2020年に直営2号店、2021年に直営3号店をオープン、そして2023年からFC展開を始めた。

マネジメントの負担を減少

　近年、雇用されずフリーランスとして働く美容師が増加している。業務委託契約で働いた分だけ手取りを増やすことや、自分の裁量で働く自由度の高さを求めてフリーランスを選択する人が多いという。
　半自動経営シェアサロン「3w」は、そういったフリーランス美容師のみに働いてもらう、店長職不在の店舗だ。オーナーは美容師と売上を折半する形で、それぞれの美容師に売上の50％を業務委託料として支払う。
　フリーランス美容師に業務委託で働いてもらうメリットは大きく3つ。1つ目は、業務委託契約の場合は外注費となるため、経費計上ができること。2つ目は、フリーランスを選択する美容師はすでに固定客がついていることが多く、働いてもらうと自動的に客が入ること。3つ目は、すでにスタイリストとして働いているため、教育をする必要がないことだ。

安定して働ける環境を提供

　美容業界では、美容師がアシスタントからスタイリストになるまでに、3〜4年かかることが多く、マネジメントにかかる負担が大きい。しかし、すでにスタイリストとして活躍する美容師を引き入れることで、その負担を大幅に削減することができる。
　さらに、固定客の来店が見込めるため売上が立てやすくなる。しかし、集客を美容師に頼り過ぎると、美容師が店舗を離れた時のリスクになるため、店舗としても集客には注力する方針だ。新規顧客を呼び込み、美　容師の売上と収入を安定させることも店舗運営の大きなポイントだという。
　また3wでは、美容師が働きやすいよう店舗構造にも工夫を施している。美容師のバックルームを大きくすることで、美容師同士のプライバシーを守り、居心地の良い環境をつくっているという。
　フリーランス美容師が安定して稼ぐことができ、働きやすい環境を提供することで、マネジメントと集客をある程度仕組み化し、半自動経営を可能にしている。
　細矢氏は美容師の採用ノウハウも構築しており、加盟店には採用のサポートも提供するという。
　3wの店舗面積は30〜40坪で、席数10席を想定。初期費用は、加盟金200万円、保証金400万円、家賃40万円、内装費2000万円、備品300万円、材料費100万円で、計約3000万円。もし、居抜き物件があれば、初期費用を900〜1700万円に抑えることもできる。
　収益モデルは売上600万円を想定。経費が、家賃44万円、広告費55万円、光熱費10万円、業務委託費300万円、材料費60万円、雑費10万円、ロイヤリティ（売上の7％）42万円で合計521万円。利益が79万円になる計算だ。
　細矢氏は、まず都内へのFC展開を広げ、その後名古屋、大阪、福岡などの都市にも拡大し、全国展開を狙う方針だという。

以前より直営で手がけるサロン「Noon」