【連載 第13回】知識ゼロでも今からできる! 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門

現役FCオーナーが教える　世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門【第13回】

フランチャイズ投資を成功させるルール～自責思考で行動しよう～

ロータス・インターナショナル　　古川 暁 社長（55）

　東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は2015年に独立。選んだ起業方法はフランチャイズだった。まったく知識のない状態からスタートした古川氏だが、現在では4つのフランチャイズに加盟し、6店舗を運営している。
　同連載では、そんな古川氏が体当たりで経験してきた情報をまとめた著書「フランチャイズ投資入門」（秀和システム）から、フランチャイズ加盟に関わるイロハを伝授してもらう。
　今回は、フランチャイズ投資に成功するために必要な「マインド」についてお伝えする。

頭の良さや実績よりも本気度が重要

　独立時、私が参加していたFC投資研究会のメンバーのFC投資成功率は決して高いものではありませんでした。メンバーは皆頭もよく、ビジネスでもある程度の結果を出してきた人ばかり。それでも平均以上の結果を出すことができませんでした。
　逆に、決して学歴も高くなく、他のビジネスで結果を出したことがない人でもFCで成功し、大きな利益を掴んでいる人は沢山いたのです。つまり、皆さんがこれまでの人生や今の仕事で優秀とされてきたかどうかと、FCで成功するかどうかはあまり関係がないということです。
　では、何が大事なのかと言えば、意外にもそれは「マインド」だったように思います。一言で言えば「FC投資に本気だったかどうか」ということです。こう書くと精神論のようですが、結局のところ本気で考えられる人でなければ自分で情報を集めて分析するという面倒なことはできず、本部の営業を鵜呑みにしてしまったりするのだと思います。
　もう少し具体的に言えば、「自責思考が持てるか」というのが特に大切になります。FCというのはいざ上手くいかなかった時いくらでも他責にできるのです。「本部のスタッフが無能なんじゃないか」「そもそもこのビジネスモデルがまずいんじゃないか」「スタッフがしっかり働かないから売り上げが伸びない」など。他人のビジネスモデルを借り、他人に実労働を任せることで収益を生むというのが投資としてのFCの構造です。だからこそ、そのビジネスモデルや実働スタッフのせいにできてしまいます。このマインドを早く脱出することが大切です。

勝ち組オーナーは対策を練るのが早い

　当然ながら、本部やスタッフを批判しようが売上が増えることはありません。「その本部を選んだのは自分だ」「このビジネスモデルで成功しているオーナーがいる」「スタッフのモチベーションを上げるにはどうすればいいか」。そう考えるからこそ打開策を考えたり行動に移せたりするのです。実際うまくいっている勝ち組オーナーを見ていると、人のせいにする前に体が動き、当然思考も動く、という感じでとにかく対策を練るのが早い印象です。決して「人のせいにしてはいけない」という道徳的なことを考えているのではなく、「稼ぐために目の前の問題を解決するためには、最も合理的な手段を最速で取ろうとし、自然と他人のせいにしている暇などなくなる」ということなのだと思います。

そもそも疑問点を放置しない

　また、「疑問点を放置しないで解決しよう」というマインドも勝ち組オーナーの共通点です。自責思考が必要と言っても、本部に聞くべきことを問い合わせないというのは当然ダメです。本部側からすればクレームのように聞こえる話だとしても、すぐに情報を入手して自分の中で答えを作らなければなりません。本部には過去の実例から難題であっても解決してきたというケースもあります。過去の失敗事例や成功事例の蓄積があるというのがFCの強み。利用すべきものは積極的に使っていきましょう。

古川 暁 　Profile

開成高校・東京大学を卒業後、住友信託銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバにて金融マンとしてキャリアを積む。銀行員時代の2014年に仲間達とFC業界を投資という観点から研究し、準備期間を経て独立。4つのFCに加盟、6店舗運営中。FC加盟候補者として多くのFC本部と出会い、実際にFCオーナーとして会社を運営している経験を投資家、将来の起業志望者につなげる意思を持つ。フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会主宰。