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【フランチャイズジャパン】識者に聞く アジアブランドの日本参入が活発化 海外発FCブランドの挑戦

公開日:2024.07.04

最終更新日:2024.07.04

※以下はビジネスチャンス2024年8月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

FCで重要なのは再現性を持つこと ブランド生存の鍵は加盟店の継続的な利益

 アル・コネクションプロダクツは、海外の投資家や加盟希望者、ディベロッパーやメガフランチャイジーに向けたメディア「フランチャイズジャパン」の運営を行っている。同社はメディア事業を通して国内外のFCブランド進出をサポートしてきた。海外FC事情に詳しい中西理翔社長に、日本で成功を収めている海外FCブランドの共通点を聞いた。

フランチャイズジャパン (アル・コネクションプロダクツ:大阪市中央区) 中西 理翔 社長

PROFILE なかにし・りか
大阪市生まれ。大阪樟蔭女子大学卒業。カーメイト株式会社退社後、翻訳会社を経て、船場にて割烹料理屋を開店し、第一創業。その後、株式会社アル・コネクションプロダクツを設立し、2012年、フランチャイズステーション株式会社のボードメンバーとなり、2016年に海外向けフランチャイズメディア、フランチャイズジャパンをオープン。

 

 

 

 

FC規制が緩い日本

ーー海外ブランドの日本進出は、1970年代の「ケンタッキーフライドチキン」や「ミスタードーナツ」にはじまり、約50年の歴史があります。これまで飲食やコンビニ、フィットネスなど、さまざまなブランドが日本に渡ってきましたが、コロナ期間はその動きがストップしました。
中西 コロナ期間は海外ブランドが日本に参入できる状態ではありませんでしたが、日本進出に関する弊社への問い合わせが極端に減ることはありませんでした。これは、コロナ下で海外企業に時間の余裕が生まれ、日本進出のリサーチに入ったからだと思います。コロナが落ち着いた今、「自国のブランドを日本に持っていきたい」「日本のブランドを購入したい」というように、日本進出の機運が高まっています。それと同時に、「日本のパッケージを自国に導入したい」という需要もさらに増えています。実際、弊社への問い合わせもコロナ前より増えました。
ーー日本は人口減少などの問題もあり、世界的に見ると縮小マーケットになりますが、海外企業は日本のどの部分に魅力を感じて参入するのでしょうか。
中西 確かに、日本企業が海外進出するのであれば、人口が増えているインドやインドネシア、アフリカをホットな進出先として考えるでしょう。とはいえ、日本は経済発展国で、治安の良さはトップレベルです。海外からすると、安定的な国として位置付けられているのだと思います。
 また、日本にはFC法がないため、他国より参入ハードルが低いのかもしれません。アメリカに進出する場合は州法やFC法の規制があり、FC契約の詳細を取りまとめたFDD(FC情報開示書)の作成が必要となります。

今後は韓国をはじめとするアジアブランドも日本に浸透する見込み

韓国ブランドの人気上昇

ーー日本に進出する海外ブランドの中で、メジャーとなっているのが飲食です。
中西 FCで重要なのは再現性を持つことです。飲食は他の業種に比べて再現しやすいため、FC展開もスムーズです。また、飲食にはブームがあります。これまで、タピオカやチーズハットグなどの海外グルメが世界各地で流行し、日本でもブームが興りました。ブームは時差をもちながら世界中でシンクロするので、海外で流行しているブランドを一早く日本に持ってくるのも一つの手です。
ーー日本で受け入れられやすいブランドの特徴はありますか。
中西 日本人のマインドだと思いますが、欧米のブランドは比較的受け入れられやすいです。FCが日本に到達した年前から欧米ブランドがメジャーとなっており、それが現在も続いています。
 しかし、この風潮も少しずつ変わっていくと思います。たとえば今、韓国文化が若者中心に人気を集めています。韓国スターや韓国グルメ、韓国ファッションなど、今や韓国ブランドは世界の象徴となっています。日本の女性も韓国へ行くようになり、韓国ブランドの受け入れ態勢が整いつつあります。このようにして、アジアブランドも日本に浸透していくと思いま。
 しかし、この風潮も少しずつ変わっていくと思います。たとえば今、韓国文化が若者中心に人気を集めています。韓国スターや韓国グルメ、韓国ファッションなど、今や韓国ブランドは世界の象徴となっています。日本の女性も韓国へ行くようになり、韓国ブランドの受け入れ態勢が整いつつあります。このようにして、アジアブランドも日本に浸透していくと思います。
ーー日本上陸後、撤退に追い込まれる海外ブランドも多々ありますが、生き残るブランドの特徴は。
中西 まずは、コンシューマーから愛されること。そして、FC本部がコンテンツ をバージョンアップさせていること。これにはシステムやメニュー、ブランディングなどが含まれます。「マクドナルド」を例に挙げると、定期的に新商品を出していますし、過去人気だった商品をブラッシュアップした復刻版メニューでも人気を集めています。また、ブランド存続のためには、加盟店に継続的な利益があることも重要です。
ーー日本企業が海外に進出する際は、その土地の文化に合わせてローカライズすることが多いです。海外ブランドが日本に進出する際はどうでしょう。
中西 日本は家賃が高く、物件が狭いという難点があります。そのため、本国と同じような店舗デザインにするとロスが発生し、利益圧縮に繫がる可能性があります。店舗導線を考えるなら、日本の専門家をチームに引き入れた方がよいでしょう。
ーー今後は海外ブランドの日本進出が活発化すると考えられますか。
中西 コンスタントに増えていくと思います。ただ、海外で生まれたブランドが第一ステップとして日本を選ぶとは限りません。もっと人口の多い国が選ばれる可能性もあります。ただ、日本は清潔・安全であることに加え、先進国から見れば物価も安いです。海外人気が高いことは間違いありません。

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