【連載 第14回】知識ゼロでも今からできる! 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門

現役FCオーナーが教える　世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門【第14回】

フランチャイズ投資を成功させるルール～得意不得意と好き嫌いを考慮しよう～

ロータス・インターナショナル　　古川 暁 社長（55）

　東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は2015年に独立。選んだ起業方法はフランチャイズだった。まったく知識のない状態からスタートした古川氏だが、現在では4つのフランチャイズに加盟し、6店舗を運営している。
　同連載では、そんな古川氏が体当たりで経験してきた情報をまとめた著書「フランチャイズ投資入門」（秀和システム）から、フランチャイズ加盟に関わるイロハを伝授してもらう。
　今回は、「経験したことのない業種業態でも成功できるのか？」という疑問について解説する。

未経験でも成功できるからこそのFC

　今回は、「自分が全く経験したことのない業種業態であっても成功することができるのか」という点について解説していきたいと思います。
　結論から言うと、未経験でも成功はできます。なぜなら、本部が用意してくれているビジネスモデルに稼ぐ力があるというのがFCの大前提だからです。経験者しか成功できないようなFCはFCとして破綻しているといっても過言ではありません。

人付き合いの得意不得意は考えておくべき

　ただし、経験がなかったとしても、その人の資質によって合う業種とそうでない業種というのはあります。特に重要なのは「人づきあい」です。接客系の仕事であればもちろんですが、スタッフとのコミュニケーションなど意外とウェットな人間関係の部分が成功か失敗かを分けたりします。そういう意味で人付き合いが得意な人、リーダーシップに自信がある人は、スタッフを雇うタイプの業種を選択して、より「投資」に近づけていくのが良いと思います。
　他方、「人付き合いが苦手だ」という人はよく考えて業種を選んだ方が良いと思います。しかし、人付き合いが苦手でも、仕事のためと割り切って積極的にスタッフと食事に行ったり、地域の人と交流する中で、少しずつ得意になることもあります。

営業経験は役に立つ

　コミュニケーション力とも関連しますが、営業経験があるというのは役に立ちます。営業というのは接客と通じるところがあるので、これまで接客業をやったことがないという人でも、営業経験があれば割と対応できたりします。実際に自分が店舗に立つ起業タイプのFC経営であっても、営業マンとしてある程度力のある人であれば、接客まで上手くこなしています。

業種は得意不得意より好き嫌いで選ぶべき

　できることなら、能力云々よりも好きな仕事を選ぶべきだと思います。理由はシンプルで、好きなら頑張れるからです。頑張れるというのはリソースが割けるということで、仮に自分の労働力が増えても我慢できるし、何か問題が有っても根気強く取り組む原動力になります。例えば、筋トレが趣味だからジムをやる、パスタが好きだから洋食レストランをやる、と言った具合です。
　好きであることのメリットとして、スタッフとのコミュニケーションが取りやすいというのがあります。自分が専門家じゃなかったとしても、普段から共通の話題でコミュニケーションが取れていたら、スタッフのモチベーションが上がり、離職率が低下するなどの効果が見込めます。
　一般的に「好きなことを仕事に出来るほど甘くない」という論調はあると思います。当然、好きという気持ちだけではビジネスになりませんが、すでにビジネスモデルが用意されていて、そこにリソースを投入すればするほど利益が出るとされているのがFCという装置。であれば投入できるリソース量が増える「好きなこと」のほうが結果が出るというのは道理なのです。

古川 暁 　Profile

開成高校・東京大学を卒業後、住友信託銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバにて金融マンとしてキャリアを積む。銀行員時代の2014年に仲間達とFC業界を投資という観点から研究し、準備期間を経て独立。4つのFCに加盟、6店舗運営中。FC加盟候補者として多くのFC本部と出会い、実際にFCオーナーとして会社を運営している経験を投資家、将来の起業志望者につなげる意思を持つ。フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会主宰。