【NAYUTAS(ナユタス)】全国50校舎展開のエンタメスクール
公開日:2024.09.02
最終更新日:2024.09.03
※以下はビジネスチャンス2024年10月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
良質なプロ講師のマンツーマンレッスンで差別化
K Villageが運営する「NAYUTAS(以下 : ナユタス)」は、ボイストレーニングやダンスなどのマンツーマンレッスンが受けられるエンタメスクールだ。レッスンは、経験豊富なプロ講師が担当する。また同校ではボイトレやダンスのほかにも、楽器や動画制作なども学べる。生徒は、複数のコースから自分の好きな組み合わせでレッスンを受けることが可能だ。
現在、全国で50校舎を開校(直営10校、FC40校)しており、開校待ちの校舎を含めると121校に上る(2024年7月時点)。同校のFC展開について、創業者である飯田裕紀氏に聞いた。
Profile いいだ・ひろき
1983年、岐阜出身。立命館大学院法務研究科を経て、広告代理店に勤務。その後(株)東進の代表に就任しナユタス創業、8年で会員数6000人、FC 校舎数110校(開校待ち含む)を突破。ナユタスを(株)K Villageに2021年にバイアウトし、同社取締役に就任。教育サービス企画開発、フランチャイズ化を得意とする。
講師の採用率は10% 採用テストで良質なプロ講師を厳選
――「ナユタス」では、ボイストレーニング(以下 : ボイトレ)やダンスレッスンを主体にさまざまなレッスンが受けられるということですが、割合で言うとメインのボイトレやダンスはどの程度の方が受講しているのでしょうか。
飯田 ボイストレーニングとダンスに加えて、楽器とYouTubeなどの動画制作のコースがあります。それぞれの生徒の割合は、ボイトレが約70%、ダンスが約28%、残りの2つで約2%と、圧倒的にボイトレが人気です。
――最も人気だというボイトレのレッスンにはどういった目的で入会する方が多いのでしょうか。
飯田 コンプレックスを直したい方が多いですね。たとえば音痴を気にされている方。新型コロナウイルス感染が落ち着き始めたことで、カラオケに行く人が増えているみたいです。コンプレックスに悩んでいる方にとっては、マンツーマンが一番向いています。約2割ほどですが、プロを目指してレッスンを受けている生徒さんもいます。生徒の層は、20代後半の女性が一番多いです。
――御社はマンツーマンレッスンで差別化をしていますが、他スクールと比較するとどのような価格設定になっているのでしょうか。
飯田 当校ではすべてのレッスンが1講座50分で6000円となります。月2回からの月額制をとっていて、月2回コースだと月額1万2000円。3回で1万6500円、4回で2万1000円、8回で4万円と回数が増えるごとに割引率も増加します。翌月にオーディションを控えているなどの理由でそれ以上の回数を受けたい場合、オプションとして1レッスン6000円で追加することが可能です。ちなみに、最も人気なのは月3回のコースです。
他社が運営するボイトレスクールは、1レッスン5000円が相場なので、比較すると当社は1000円ほど高いです。しかし、レッスンの価格が他社よりも1000円高い分、講師の委託費を高く設定できるため、良い講師が集まりやすい傾向にあります。利益率が高いので、講師の取り分を増やしても問題なく利益は出ています。
――ボイトレが生徒の大半を占めていますが、最近はK-POPアイドルの影響でダンスを始める方も増えているみたいですね。
飯田 最近はダンスの生徒もとても増えています。流行りの K-POPの歌とダンスをコピーして、アイドルのように踊りたいという方が多いですが、ボイトレとダンスの両方を、マンツーマンレッスンで受けられるのは当社しかないと思います。ほとんどのダンススクールのレッスンは集団で行っていて、マンツーマンでダンスを教えているスクールは少ないのです。
――競合と比べると高価格な分、レッスンの品質にこだわっているということですね。
飯田 ブランドや教え方に対する理解が深い方に講師をしていただきたいので、動画を見て学習し、採用テストで満点を取った方のみ講師として採用しています。このように講師の質を保っているので、実際に当社の講師採用率は10%です。採用は各加盟店に行ってもらいますが、サイト掲載用のひな形を用意していますし、面接時にはSVが同席するので、オーナーは知識や技術が無くても問題ありません。
スクール業務は講師に委託 生徒の平均継続期間は約16カ月
――初期投資と収益モデルを教えてください。
飯田 加盟金と研修費、保証金を合わせて300万円、HPの開設費が20万円です。施工費は部屋の大きさや何部屋作るかによって変動しますが、およそ700万円です。加えて物件取得費が必要になるので、総額で1000〜1300万円をイメージしています。物件の広さは18坪が平均値です。ボイトレのブースとダンスのブースが2部屋ずつのパッケージを推奨しています。
ナユタスは、平均単価が1万6000円、各校の生徒数は200人が平均値なので、平均的な月商は約320万円です。経費として、講師の業務委託費が売上の約30%の96万円、広告宣伝費が約15万円かかります。そのほか、家賃や雑費を引いた利益が110万円前後になります。ロイヤリティは、生徒数20人までは徴収していません。生徒数が21人以上になると15%かかりますが、生徒を101人まで増やすと14%に下がります。複数開校している場合は合算しているので、開校するほどロイヤリティは少なくなります。投資回収は2年半前後を想定しています。
――スクール運営のオペレーションを教えてください。
飯田 直営の校舎にはスタッフを1人置くようにはしていますが、FCの場合ですとほとんど無人の状態です。レッスンを担当する講師が鍵の開け閉めをしてくれるので、人員を置く必要が無いのです。そのほか、体験レッスン生のカウンセリングや入会契約、掃除などの業務のほぼすべてを講師に委託できるため、オーナーは業務をほとんど行わずに店舗運営が可能です。
――生徒の継続率を高めるために行っていることはありますか。
飯田 現在、1顧客あたりの平均継続期間は約16カ月です。発表会を年に2回実施しています。ステージに立った生徒には、講師がアドバイスシートというものを書きます。良かった点や次の目標などを伝えることで次回の発表会まで頑張ろうという気持ちに繋がり、退会されづらくなっています。
――ナユタスは、加盟契約ベースで100校展開を突破したと伺いました。ブランドの成長率についてはどのように分析されていますか。
飯田 まず1つ目に、他の教室と比べると集客に力を入れています。新規を獲得できないスクールが閉校してしまうパターンは少なくありません。私自らSEO対策やMEO対策を行い集客に力を入れているので、それを強く実感しています。
加えて、一般的なボイトレスクールの社長はボイストレーナーで、ダンススクールの社長はダンサーです。そのため、両方同じ教室で教えるという発想が無く、やり方も分からないので参入されることがありません。ダンスもボーカルもまったくの素人である私は、第三者目線で見ることができていると思っています。
ボイトレスクールは特別ブルーオーシャンな市場というわけでもないので、ゼロから参入してくる人も多くはありません。そのため、ほかのスクールと比べて集客に強みがある当社が選ばれやすいのではないでしょうか。
今後もFCだけでなく直営もコンスタントに増店し、最終的には300校展開を目標に考えています。
次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌
フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。
次号発売のお知らせ
2024年12月23日発売
記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌
“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。