【連載 第12回】~市場を押さえたパッケージづくり~南部の兵法
公開日:2024.10.07
最終更新日:2024.10.16
※以下はビジネスチャンス2024年10月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
チェーンが広がる仕組みづくりスーパーバイザー編【第12回】
フランチャイズ業界で本部構築・開発のコンサルティング事業を展開するディーセント・スタイルの南部晃舗社長。手掛けた企業は飲食、リサイクル、フィットネス、小売、福祉、教育など70社を超える。「売れる」業態とは何か、強い本部作りについて解説する。
前回からチェーンを広げるための仕組みについて、数回に分けてお伝えしています。より早く継続的に加盟開発を行うには、営業力だけでなく運営本部の中に広げるための仕組みを持つ必要があります。今回は本部サポートのうち「スーパーバイザー」における③目的意識・コミュニケーションについて解説します。
加盟店の増店を目指す
スーパーバイザーの活動の目的をどこに置くかによって、スーパーバイザーの意識と行動が変わり、結果として増店に繋がっていくようになります。スーパーバイザーの業務内容は、期待される役割だけでも多岐にわたります。一般的に経営指導、マネジメント指導、オペレーションチェック、品質チェック、ノウハウの落とし込み、課題抽出、施策立案、進捗管理、相談対応などが挙げられます。これらの活動の目的は、加盟店の収益改善と利益の最大化、事業モデルの再現です。そして、「増店へ結びつける」という意識を持つことが重要です。
加盟店の収益最大化を実現するために、スーパーバイザーはサポートを徹底します。その対応により、加盟店からの本部や業態に対するロイヤリティが向上します。そうなると、自然と加盟店側から増店に向けた意識が醸成されていきます。
増店を左右するのはコミュニケーション
増店のメリットは当然、加盟金やロイヤリティ収入による本部売上がアップすることです。また、スーパーバイザー1人あたりの担当店舗が増えれば、本部のコスト負担も軽減します。ノウハウを持つ既存加盟店が増店するほど、新店舗運営支援の負担を回避することにもつながります。加盟店1店舗の収益最大化で得られるロイヤリティ収入の増加分よりも、享受できるメリットが多いですね。
スーパーバイザーの加盟店オーナーへの対応は、増店への動きとスピードに影響を与えます。では、スーパーバイザーは日々どのようなことを意識してオーナーとコミュニケーションをとる必要があるのでしょうか?まず、加盟企業の組織や資金状況、事業計画など経営環境を把握します。加盟店オーナーが増店のハードルだと感じている内容を確認し、取り除くことが重要です。加盟店の増店事例を共有して、イメージを膨らませましょう。増店時に必要な物件情報や、増店した場合の事業計画の提示など、具体的なアクションにつながる提案も大切です。
スーパーバイザーを筆頭に本部スタッフが増店のきっかけを作り続けることで、加盟店舗数が増えていくようになります。上記のように加盟店への適切なサポートとコミュニケーションで、オーナーのビジネス拡大に対する意欲と本部への信頼を高めることに繋がります。
次回は、拡がる仕組み④オファーについてです。増店に向けた条件提示の仕方などを詳しくお伝えしていきます。
Profile なんぶ・あきお
愛知県名古屋市出身。1977年生まれ。明治大学商学部卒業後、日系コンサルティングファームにて、飲食・サービス・小売など様々な業界の診断・改善コンサルティングに従事した後、2004年独立。2社設立・売却を行った後、2008年に株式会社ディーセント・スタイルを設立し、家系ラーメン「町田商店」や800拠点を超えるデイサービス業態などの本部構築をはじめ、飲食・サービス・小売・福祉など上場企業を含めた様々な業界・業態に対するチェーン本部支援を行なっている。
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