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【ひいらぎホールディングス】グループで232店を有する食のプラットフォーマー(前編)

公開日:2024.10.20

最終更新日:2024.10.20

※以下はビジネスチャンス2024年12月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

ポポラマーマ買収で出店加速、今期売上150億円突破を見込む

 食のプラットフォームを目指し、グループで多角経営を行うひいらぎホールディングス。主要の事業会社であるイートスタイルは、飲食と食物販事業でFCブランド・131店を運営するメガフランチャイジーでもある。設立以来、フランチャイズ事業を軸に圧倒的な出店力で存在感を示してきた同グループ。今年7月には、生パスタチェーンの「ポポラマーマ」の全株式を取得し、傘下に置いた。今後はチェーン本部として、既存店が集中する関東圏での出店も加速させていくという。人口4万人の宮崎県小林市から見据える全国展開。グループ創業者である柊崎庄二氏の話から、メガフランチャイジーとしての在り方を考える。

ひいらぎホールディングス (宮崎県小林市) 柊崎 庄二 代表取締役会長兼社長(62)

Profile ふきざき・しょうじ
1962年9月3日生まれ、宮崎県小林市出身。2002年10月に株式会社アドバンス(現:株式会社イートスタイル)を設立し、代表取締役社長に就任。2017年7月にひいらぎホールディングス株式会社を設立、代表取締役社長に就任。

 

 

 7月25日、ひいらぎホールディングスは生パスタチェーン「ポポラマーマ」の全株式を取得し、同社をグループ傘下に収めた。従来本部がフランチャイジーを吸収することはあっても、逆のケースは皆無に等しい。だがフランチャイジーとして活動する柊崎氏にとっては、自然な流れだったという。

効率性の高いオペレーションシステムが強み

高品質ブランドを継承 出店加速担い3年で100店舗体制に

--ちょうど昨日の夕方(※取材日は7月26日)、御社がポポラマーマをグループ傘下に置いたというリリースが出たので、混乱しながら今を迎えています(笑)。改めて今回の株式取得の経緯について教えてもらえますか。
柊崎 元々当社は2008年にポポラマーマに加盟し、現在は九州や山口県で8店運営しています。このブランドのすごいところは、F/L(食材原価/人件費)比率が安定しているところ。見事にぶれないです。当社の店舗でも平均で57%(※通常の飲食店における F/L コストは60%が目安)で収まっています。これは同社が創業以来、生パスタにこだわり続け、効率を重視したオペレーションシステムを継続的に構築している成果だと思います。
 また今は原価が高くなっていますが、そこもしっかり価格転嫁できている。そもそもが安く提供していたので、今でも価格的な競争力はあると思っています。
――安価でありながら、商品力が高いという点が強みだった。
柊崎 本部も生パスタ一筋で30年以上真面目に商品開発をやってこられて、ブランドの評価は高いと思うのです。ただ一方で、出店や立地開発という部分では少し弱かったのかと。
 そこで当社であれば、これまで色んな業態を手掛けてきて蓄積されたノウハウがあるので、出店のお力添えができるのではないかと思いました。もちろん、先方もしっかりとしたノウハウはありますが、そこに当社の強みである店舗開発力を掛け合わせることで、ブランドを再度成長させることができるはずだと。
 お互いに良いところを学び合う、取り込むというのは全然ある。たとえば出店以外にも、物流や商品開発など、一緒に行うことによる効率化はできる。これはポポラマーマ本部の安家美津志社長も思っていただいていたようです。
――一緒になるという話はどちらから提案したのですか。
柊崎 どちらからという訳ではなく、日常的な対話を通じて進んでいきました。安家社長との16年に及ぶ取引関係において、お互いに深い信頼関係と長年のコミュニケーションの積み重ねがありました。ポポラマーマブランドの成長戦略について意見を交換し、業界の課題や機会について率直な対話を重ねてきた中で、今年に入ってから具体的になり、さらなる成長を目指すため資本業務提携に至りました。
 話が相対で済んだという点からも、当社の事を信頼しているからこそ任せていただけたのだと思っています。
――今後はFC本部としての役割も果たしていきます。現在、ポポラマーマは関東圏を中心に80店舗を出店していますが、今後の計画は。
柊崎 ポポラマーマについては、3年で100店舗体制に持っていきたいと思っています。また並行して、当社で手掛けているブランドの関東進出にも繋げていきたい。今回、自社の直営業態である「ビビン亭」というブランドを群馬県に初めて出店したのですが、その意味でも非常にタイミングが良かった。フードコート業態であればビビン亭、レストラン業態であればポポラマーマというように、自社が一番強化したい場所に対して両面で行けるからです。
――ブランドが増えることで出店余地も増える。
柊崎 飲食のプラットフォームとして、色んなラインナップを揃えておくことはプラス効果として非常にあります。ただそれは単に数字という意味ではなく、歴史があって、そこにしっかりお客様が付いているブランドがグループに入ることで、自社の価値も上がるということです。
 でもそういう縁は数年に1回あればいいぐらいで、そうそうあるものではない。当社も過去に会社のM&Aをしたのは4回ありますが、2013年の「シャトー文雅」と2017年の「マヌカンピス」、2019年の「アートケイズ」、そして今回のポポラマーマ。案件というのはたくさん来ますけど、本当にやりたいというものにはなかなか出会いません。

ポポラマーマ買収は自社業態の関東進出の足がかりにも

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