【連載 第1回】コンサルとジーの両面から見るFC業界二答流

フランチャイズに加盟するメリット・デメリット【第1回】

ディライトジャパン 川上 健一郎社長（46）

　コンサルティング事業を行いながら、FCオーナーとして加盟もする川上 健一郎氏による、フランチャイズ二「答」流の秘訣。選ばれる本部はどんな本部なのか？　本部・加盟店共に成功するための条件とは？

　皆さんこんにちは。株式会社ディライトジャパンの川上と申します。今回このような連載機会を頂き、私の経験がお役に立てれば幸いです。早速ですが私の自己紹介をさせていただければと思います。私は、福岡県在住の46歳です。
　キャリアとしては大学卒業後光通信グループに新卒入社し、その後父親が経営していた造船業に転職、2001年からおそうじ本舗に入社し、加盟開発を担当していました。ここから約年弱このフランチャイズという業界に関わっています。
　今行っている事業としては、2009年にディライトジャパン設立後はフランチャイズ本部構築・加盟開発・SV教育などのサポート。また、2015年からは実業としてフランチャイズの加盟事業（金沢屋・家工房・芝本舗など）や障害者の就労支援、グループホームの事業なども行っております。
　フランチャイズに関してのコンサルティングも行っていますし、フランチャイズに加盟もしています。さらに、加盟していないオリジナルのビジネスも行っています。様々な観点からこれから本部を始めたいという会社はもちろん、加盟を検討されている方への情報を発信できればと思っております。どうぞよろしくお願いします。
　ではまず第1回目はフランチャイズに加盟するメリットとデメリットという話をしていこうと思います。加盟する際はその両方をしっかり検討して加盟しましょう。
　まずフランチャイズに加盟するメリットには、様々なものが挙げられるかとは思いますが

①直営店などで検証されたビジネスモデルである
②事業運営に必要なマニュアル、システムなどが整備されている
③商品開発などがブラッシュアップされている
④他店での成功事例の情報が共有される
⑤時代の変化に対応しやすい

　安心できる看板があるというだけでなく、このような5つが考えられるのではないかと思います。ご存知の方も多いかと思いますが、中小企業庁が公表しているデータでは、ベンチャー企業の創業から5年後の生存率は15％、10年後は6.3％、20年後はたったの0.3％と言われています。
　ではフランチャイズの場合はどうでしょうか。具体的な本部名の公表は避けさせて頂きますが、私が知っている会社などの話を伺うと、開業して5年後でも80〜90％の生存率を加盟店が保っている本部というのはあります。
　成功しているビジネスモデルを買うという意味では、上記の5点がメリットなのではないでしょうか。加盟店側の立場からいうと、④の他店の成功事例の情報が共有されるというメリットは大きいですね。
　逆にデメリットは

❶加盟金、ロイヤリティなどの費用が発生する
❷本部が設定したルールに従う必要がある
❸他店がトラブルを起こしたときに影響が出る可能性がある

　のようなことが挙げられるかと思います。
　❶は「時間をお金で買う」的なイメージなのでご理解頂けると思いますが、ここで気をつけたいのは本部の見極めだと思います。成功に必要な成功事例を持っているのか？検証されているか？再現性はあるか？本部のルールは理不尽ではないか？などしっかり確認して参入して頂いた方が良いでしょう。

Profile　かわかみ・けんいちろう
1976年3月生まれ、 福岡県出身。久留米大学卒業後、光通信グループ、家業の造船業をへて長谷川興産（株）入社。加盟店開発での営業経験を積んだ後、開発部門の責任者を勤め、2009年8月にFCコンサルティングを専門としてディライトジャパン創業。現在は上記のコンサルティング以外に金沢屋8エリア、家工房3エリア、芝本舗1エリア、障害者就労継続支援A型、グループホーム、EC事業など多岐にわたる事業を展開している。