【連載 第3回】健全で強い本部の作り方

フランチャイズオーガナイザー佐々木翔が直々レクチャー！【第3回】

株式会社フリグマ 代表取締役社長 フランチャイズオーガナイザー 佐々木 翔 社長（40）

　「フランチャイズオーガナイザー」としてFC本部構築のトータルサポートを行うフリグマの佐々木翔社長は、前職のFC本部で「3年間・100店舗」の出店を牽引した実践型コンサルタントだ。同氏が目指すのは優秀なFC本部の育成だが、その先には業界の健全化も見据えている。本連載では佐々木氏がこれまで培ってきたFC本部としての在り方、また急成長のために必要なポイントについて、大いに語っていただく。

本部構築におけるFCの基本要件

FC展開の基本要件」についてお話ししたいと思います。その基本要件とは、「収益性・再現性・理念」の3つです。
　「収益性」については皆さんイメージがしやすいと思います。加盟店オーナーは本部にロイヤリティを支払いながら運営をしていくわけですから、そのロイヤリティを差し引いても一定以上の営業利益が残る事業でなければ、FC展開をするべきではありません。
　私の基準では（業種にもよりますが）、直営店の営業利益で最低万円以上出ていないと、そこに加盟するオーナーの長期的な運営は維持できないと考えます。
　続いて「再現性」です。属人性が高く、簡単には真似できないようなヒューマンスキルやテクニカルスキルを要する事業は、運営のハードルも上がります。つまり、拡大が難しいと予想できますね。
　しかし一方で、たとえ高い技術力を要する事業でも、研修体制やマニュアルの充実により、再現性を担保できるケースも多々あります。こういった場合は、自社のリソースで研修体制を整備したり、FC展開をして拡大に成功した経験を持つ専門家に相談するなどし、加盟店オーナーが確実に再現できる方法を確立する必要があります。
　最後に「理念」です。ここが新時代の本部構築のキーとなる要素かもしれません。
　「なぜこの事業を開始したのか？」「なぜこの事業をFC展開したいのか？」「この事業を全国に広めた先で実現したいのはどんな社会貢献性なのか？」といった問いに対する本部社長としての回答が、どのセグメントに対しても共感性が低いものであったり、響くもので無い場合は、今後FC展開を行っても短命で終わる可能性が高いです。
　なぜなら、「貧困問題」「少子高齢化」「人材不足」「後継者不足」「長時間労働」「待機児童」「介護問題」など、今後の日本を取り巻く環境は課題だらけだからです。理念なき事業は人々からの共感を得ることができず、淘汰されていくでしょう。
　これまで多数の企業や個人からFC展開の相談を受けてきましたが、「収益性」と「再現性」は伴っているけれど、「理念」が存在しないケースが非常に多かったです。
　本部の社長が「理念」を持つことの価値は、ビジネス的側面で捉えてもメリットが大きいと言えます。その理由は、本部の社長の理念に共感し加盟したオーナーというのは、少々収益性が落ちたり、軌道に乗るまでに時間がかかるという程度では、簡単に加盟契約を解除しません。しかし本部社長に理念が無く、収益性だけで加盟を判断したオーナーは、当然ながら収益性に陰りが見えたら契約解除の判断も早いからです。
　つまり、理念が確かな本部社長が率いるFCというのは、それだけでチェーンとしての基盤が構築しやすいということなのです。
　では、基本要件3つをご理解頂いたところで、次回は「FC展開を決断した後に着手すべきこと」について触れていきます。

Profile　ささき・しょう
　某FC本部に在籍し、SVやオーナーコンサルチーム責任者として加盟店継続率96％を実現。その後、コンサルティングファームを経て、2017年にリユースショップWAKABAのFC本部を立ち上げた。加盟開発/店舗開発/SV/融資/法務など、全てのFC本部機能をオーガナイズし、加盟募集開始から3年で100店舗、4年で150店舗展開を達成。2021年に株式会社フリグマを設立し、3年で100店舗達成をコミットするFCオーガナイズサービスを世の中に提供するべく活動している。

加盟募集開始から3年で100店舗を実現した確かな実績とノウハウでFC本部をサポート。

株式会社フリグマ
https://flegma.jp/

FCオーガナイザーのブログ
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