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【9ROUND】世界23カ国で700店舗以上を展開するキックボクササイズジム

公開日:2024.07.17

最終更新日:2024.07.17

※以下はビジネスチャンス2024年8月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

人のよさを活かした運営で体験後入会率は70%超え

9ROUND (ナインラウンド) JAPAN WELLNESS INNOVATION:神奈川県相模原市

 新感覚サーキット型30分キックボクササイズジム「9ROUND」は、2008年にアメリカ・サウスカロライナ州で、世界1号店をオープンした。格闘技やキックボクシングを誰でも楽しめるエクササイズにアレンジした同ブランドは、世界23カ国に受け入れられ700店舗以上を展開している。日本の運営会社 JAPAN WELLNESS INNOVATION は2016年に1号店をオープンし、2020年にFC募集を本格化。現在は直営1店・FC17店を展開している。

 

奥村 辰平 社長(36)
(写真右)1988年生まれ。学習院大学法学部卒業。高校はオーストラリアに留学し、フィットネスと国際的なビジネスに興味を持つ。23歳でJWIとTWIの代表取締役就任。フィットネスで人々を幸せにするという理念の元、アジアを中心にビジネスを展開する。

9ROUND事業部営業部長 松木 健太郎 氏(38)
(写真左)1986年生まれ。神奈川県相模原市出身。大学卒業後、不動産業の営業職を経て2010年にAFAA JAPAN株式会社(現JWI)に入社。各種営業と企画事業などの経験を積み、2019年に9ROUND事業部のFC加盟開発担当に着任。全国各地にFC加盟店を展開中。

フィットネスはサービス業コミュニケーションを重視

――「9ROUND」の新感覚キックボクササイズとは、どのようなものでしょうか。
奥村 当店には「ラウンド」と呼ばれる9つのエクササイズエリアがあります。ラウンド1では縄跳びを使った有酸素運動を行い、ラウンド2ではダンベルやメディシンボールなどを用いたコンディショニングを実施。ラウンド3以降からさまざまな形状のサンドバックが登場し、パンチやキックがメインのエクササイズを行います。各ラウンド3分間でインターバルが30秒、1周約30分で完結する新しいスタイルのキックボクササイズジムです。
――従来のキックボクシングのイメージとは異なりますね。
奥村 キックボクシングは戦う、強くなるというイメージが先行していますが、当店はその真逆です。とにかく簡単で、ストレス発散ができる場所になっています。回数などのノルマがないので、周りと比べることなく自分のペースで楽しく運動できます。
松木 加えて、当店は会員とトレーナーのコミュニケーションを大事にしています。近頃は24hセルフ型マシンジムが急拡大し、自分のライフスタイルに合わせて運動できるようになりました。一方で、無人運営によりコミュニケーションの機会が減少しています。しかし、フィットネスはサービス業です。レクチャーするだけでなく、会員の応援やサポートを積極的に行うなど、人のよさを活かした運営を心掛けています。

 

本国の手厚いサポート 二人三脚の運営

――御社は2015年に本国とライセンス契約を結び、2016年に9ROUNDの日本展開をスタートしました。なぜ、9ROUNDを日本に導入しようと考えたのですか。
奥村 当社は1988年に設立し、インストラクターやトレーナーの養成、資格発行といった教育分野を基本に、レッスンプログラムの開発なども手掛けてきました。あらゆるフィットネスビジネスに携わる中で、唯一タッチできていなかったのが店舗展開でした。当時は総合型フィットネスが乱立していたので、専門特化したフィットネスに挑戦しようと考えました。そのときに、9ROUNDをご紹介いただいたのです。
――フィットネス事業の多角化で店舗展開を始めたのですね。専門特化したフィットネスが数多くある中で9ROUNDにした決め手は。
奥村 フィットネスで重要なのは楽しさです。痩せる、強くなるといった効果は副産物に過ぎません。アメリカの店舗で体験したとき、自然と感情が爆発してくる楽しさがありました。AIなどを取り入れた最先端ジムがある中で、9ROUNDは会員とトレーナーが一緒に楽しく運動している。これを見て、ジムの本質が備わっていると感じました。
 エクササイズもパンチやキックなどの原始的な動きが中心で、男女や年齢関係なく楽しめるフィットネスだと確信しました。
――現在の会員層は。
奥村 女性が6〜7割で、年齢は幅広いです。4歳の女の子から80代のご夫婦まで通っています。当店のエクササイズは1ラウンド3分だけでも良いですし、1周しても30分です。気軽に通えることから、働き盛りの30〜50代がコア層となっています。
――本国のサポート内容を教えてください。
奥村 毎月オンラインミーティングが実施され、各国の状況や本部の方針について情報共有します。また、毎年開催されるワールドコンベンションではトレーナー研修や食事会が行われ、オーナー同士が切磋琢磨する場となっています。
松木 そのほか、店舗デザインは本国が無 料で行います。物件の平面図や動画を本国のプランナーに送ると、機材や照明、ポスターなどの位置まで明確にした店舗デザインが返ってきます。日々のやり取りも密で、二人三脚で歩んでいます。

各エクササイズのメニューは毎日変わる

コストを抑えた出店 居ぬき活用で1100万円台も

――開業のために必要な資金は。
奥村 30約坪のスケルトン物件で、物件取得費を除いた合計は約1650万円です。内訳は加盟金約240万円、開業サポート費50万円、研修費40万円、サンドバックなどの器材一式約560万円、施工費約700万円、そのほかシステム導入費があります。当店は高価な器材を置かないため、コストを抑えた出店が可能となっています。マシン型ジムの開業には数千万〜1億円必要となるケースもありますが、当店は1000万円台と比較的安価です。
松木 最近はSCからのお声掛けもあり、居ぬき物件で出店するケースが増えています。居ぬき物件の残置物などを活用すると、施工費が400万円ほどカットできるケースもあるため合計1100〜1200万円での出店も可能です。
――収益モデルを教えてください。
奥村 単独物件型で会員数300名の場合、収入が約190万円で支出は約120万円です。支出の内訳は人件費約42万円、水道光熱費約3万円、販促費約10万円、雑費約12万円、ロイヤリティ約18万円です。営業利益率は約39%を見込んでいます。
――会員に長く続けてもらうための取り組みは。
奥村 常に高揚感を持って通えるよう、さまざまな取り組みをしています。まず、当店は各ラウンドのメニューが365日毎日変わるので、飽きが来ません。さらに、トレーナーが積極的にコミュニケーションをとり、会員との関係性を築くことで退会抑制に繋がっています。そのため当店は継続率も高いですが、体験後の入会率も70%以上となっています。
松木 メニューは毎日、本国から届きます。そのため、オーナーはサービス内容を考案する必要がなく本業に専念できます。トレーナーは未経験でも問題ないため、人材採用と育成に時間やお金をかけずに済みます。――今後の目標を教えてください。
奥村 9ROUNDが日本上陸周年となる2026年に、100店舗展開することが目標です。1人でも多くの方に体験していただき、楽しいだけではなく、心と体の健康維持に貢献できればと思います。

高揚感を持って運動できるようトレーナーがサポート

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