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フィットネス業界の動向は?まだまだ伸びる市場を徹底解剖

公開日:2024.06.12

最終更新日:2024.06.12

※以下はビジネスチャンス2022年12月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

コロナによる落ち込みから回復へ。フィットネス業界の現状と今後の可能性

【フィットネス業界の今】
・コロナで売上高と会員が激減後、新たな健康ニーズが誕生し回復
・価格重視と成果重視、市場は二極化傾向に
・専門性高まるフィットネスブランド

 
 2023年のフィットネスクラブの売上高は2784億円、会員数は279万人となっている。市場ピークは2018年で、売上高3372億円、会員数は336万人だった。
 2018年まで市場は緩やかな成長を続けていたが、コロナが流行した2020年は売上高が2235億円と規模が縮小した。「三密回避」が叫ばれる中、新規会員の獲得は難しく、通常のサービスが提供できない状況で退会者が続出。
 2021年以降は売上高が回復したものの、会員数が伸び悩む。しかし、テレワークの定着や在宅時間の増加による運動不足や体重増加などから、新たな健康ニーズも生まれている。自宅近くで手軽に通えるフィットネスに注目が集まり、24時間営業で利便性の高い「コンビニ型」や、低料金の「パジェット型」フィットネスを展開するFC本部が続々と登場している。

 現在、利用者はフィットネスクラブに料金・立地・清潔さを求めている。施設の規模やマシンの数を揃えるよりも、マストアイテムが1つあって低料金が好まれる傾向にあるそうだ。特に女性は同質の人がいると安心し、激しい運動よりもコミュニティを求めて通う人も一定数いる。
 また、目的が異なる専門業態のフィットネスクラブが多数出てきているが、運動強度別と身体的価値と情緒的価値でカテゴリー分けをすることが出来る。

 フィットネスの未顧客やライトユーザーの大半は、激しい運動よりも、調整系の軽運動やコミュニティ要素を備えた環境などを求める傾向がある。フィットネスFC本部は、入会してもらうためには、入会しやすさとブランドの想起されやすさを高め、ブランディングを強化することが重要だ。店舗を増やし、顧客の利便性を高めると同時にブランドの認知度自体を向上する必要がある。これらは、FC本部が取り組まないと、加盟店が運営に迷うため、本部はサポートすることが重要だ。

フィットネス市場の有力プレイヤーを徹底解剖

※ビジネスチャンス2023年2月号より抜粋

 フィットネス業界の現状を知るため、新興FCも含めた13ブランドの基本情報をまとめた。「カーブス」「エニタイムフィットネス」が会員数・店舗数ともに他を圧倒していることが分かる。
 高齢女性をメインターゲットとするカーブスは、コロナにより会員数が一時期30万人ほど減少したが、22年は77万人まで回復した。店舗数は2020年の2020店舗をピークに減少しているが、依然として業界トップをキープしている。(2022年情報)
 マシンによるセルフトレーニングを提供しているエニタイムフィットネスは、20~40代の利用者が9割を占める。独自開発のシステムで非接触運営を実現し、若年層が多いこともあってコロナからの立ち直りも早かった。2020年以降の3年間で226店の増店を遂げ、昨年1000店舗超えを達成した。
 近年、30~40坪の小型モデルに対応するブランドが増えており、初期投資額の低価格化が進んでいる。小型店舗は初期投資やランニングコストを抑えられるメリットがあるが、マシンの台数が限定されるため、他店にスイッチされる可能性も考えられる。今後は、パーソナルトレーニングや美容マシン、運動データの提供といった、付加価値の有無が重要になってくるだろう。

価格重視と成果重視で市場は二極化傾向に

 近年、店舗数の拡大が目覚ましい24時間型ジムは利便性軸に該当する。セルフトレーニングであるため、パーソナルトレーニングジムより運動強度は弱いが、ダイエットや筋力アップが期待でき、身体的価値は高いと言える。CX軸や調整軸は、ジムメンバーやインストラクターとのコミュニティ形成が期待できる。この業態は、スタッフや運動プログラムなどが不可欠なことから、参入障壁が高い。しかし、高齢者を含めた生活者の多くに対応する業態だと言える。

 利用料金とサービス形態を見ると、フィットネスFCが「完全セルフ・低価格」と「成果重視・高価格」で二極化していることが分かる。前者はマシンに特化し、運営システムによる無人化で運営コストを徹底的に削減することにより会費を安く抑えている。後者は効率的なトレーニングや食事指導などによって、利用者の目標達成をサポート。客単価は高いが、顧客満足度も高い業態だ。

フィットネスFCは集客力より、継続率

 現在、フィットネスクラブの料金体系はサブスクリプションが主流だ。そのため、各クラブは利用者の継続率を高めて、目的の達成をサポートすることが重要となる。継続にはトレーナーやメンバー同士の繋がりが大きな役割を果たす。現に、グループレッスンを中心とする「カーブス」の退会率は2.2%、「FURDI」は3%、パーソナルトレーニングを提供する「Amazones」は5%以下に留まっている。いずれも女性専用であり、メンバー同士で意気投合することも多々あるという。

▲「カーブス」の複数人で行うサーキットトレーニング

 フィットネスFCの現状は、マシンに特化したセルフトレーニング業態と、インストラクターによるレッスン業態で二極化している。セルフトレーニング業態は、手間とコストが大幅にカットされており、目を引くビジネスモデルとなっている。しかし、参入障壁が低いことから、今後の激戦は避けられそうにない。フィットネスFCで重要なのは、継続する仕組みの有無だ。その点、コミュニティ要素をもつレッスン業態の期待値が上がる。収益性や将来性など、様々な要素を考慮したうえで、加盟ブランドを選んでほしい。

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