【業務レンタカー】長期貸出しと中古車活用で1日千円を実現するレンタカー
公開日:2024.08.15
最終更新日:2024.09.25
※以下はビジネスチャンス2024年8月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
特許取得の管理システムで、百台を1人で対応可能に
2012年に設立したカーチョイス・レンタカーサービスは、中長期の貸出しをメインとした「業務レンタカー」のFC本部だ。同社は、車の貸出しと返却のタイミングを効率化するシステムを開発して、ワンオペレーション体制を確立。人件費の大幅削減に加え、中古車の活用で初期投資を抑え、1日当たり1000円の格安レンタカーを実現した。2021年のFC募集開始から2年で40店舗に拡大し、会員数は4万人に達した。
法人利用が4割
「業務レンタカー」は、1週間や1カ月単位の中長期貸しに特化したレンタカーサービスだ。従来のレンタカーは1〜2日の短期貸しがメインで、仮に1カ月間借りると12万円前後のレンタル料が発生する。一方、同店の1カ月間のレンタル料金は保険料込みで約3万円。車を保有するよりも安く社員の増減に合わせて必要な台数を借りられるため、社用車として人気が高く、法人利用が4割となっている。
同店が他社の4分の1の価格を実現できた理由は、ランニングコストとイニシャルコストの圧縮にある。
まず、長期貸しに特化したことで、貸出しや返却などの業務量を軽減。加えて、同社はオペレーションを効率化するためのシステムを開発し、特許を取得している。具体的には、従業員の勤務時間を考慮して貸出しや返却のタイミングを管理するシステムや、長期利用者への販売の提案をするシステムなどがある。そのほか、送迎車両で重要事項説明の動画を流したり、返却時は利用者に洗車してもらうことで、業務効率化を図っている。こうした工夫により、1人のスタッフが貸出・返却・送迎・洗車の全工程を100台まで担当できるようになった。
また、価格の安さから延長率は40〜50%に上り、平均レンタル期間は2〜3カ月、車両の稼働率は60〜70%となっている。貸出中の車両が多いため、コンパクトなスペースで運営できる。
同社はワンオペレーションの確立と省スペース運営によりランニングコストを圧縮。一方、イニシャルコストは中古車を活用することで抑えている。こうした独自のモデルでコストを削減することで格安価格を実現した。
4年で300店舗を目指す
同社は長期レンタカーの認知度を上げるため、2021年にFC募集を開始した。初期投資は加盟金200万円、システム初期設定料70万円、制服や名刺、のぼりなどの初期ツール6万円、教育研修費30万円、国土交通省許可申請費15万円、看板代や備品代約15万円、JCB端末初期導入費10万円、これらの合計が約380万円。5〜10台で開業するのが一般的で、車両代は200〜500万円が目安。
車両台からスタートし、3年で100台まで増車した場合の収益モデルは、年間売上約4662万円。支出の内訳は保険料約146万円、水道光熱費18万円、車両リース料1644万円、ストックヤード120万円、ロイヤリティ144万円、システム利用料96万円、広告費120万円、備品消耗品代・修理代・カードなどの諸経費約758万円。営業利益率は35%を見込む。
現在の店舗数は40店(うちFC34店)だが、4年後には300店舗体制を築き上場を目指している。
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