【セルフ脱毛サロン ハイジ】完全無人の24時間365日営業
公開日:2024.03.06
最終更新日:2024.03.08
※以下はビジネスチャンス2024年4月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
無人業態の勝ち組に
2019年春、業界初となる受付スタッフもいない完全無人型のセルフ脱毛サロンをスタートしたハイジ(東京都新宿区)。コロナ禍でさまざまな無人業態が躍進するなか、同サロン「ハイジ」も順調に売上を伸ばし、着実に店舗数を拡大している。
コロナが追い風になりFC開始1年半で53店舗
ハイジが1号店を出店した当時、セルフ脱毛を展開しているのは1社のみ。しかし、コロナが感染拡大した2020年頃、さまざまな業種で無人販売店が登場し、美容業界でもセルフエステが広まった。
一般にセルフ業態のメリットは、人件費を削減でき提供価格に還元できること。一等地に物件を借りている従来型の大手サロンやクリニックと競合せず、ネット集客できること。立地はそれほどこだわる必要がなく、賃料も安く済むことなどにある。
また、無人店舗のため、24時間365日の営業が可能だ。その結果、セルフエステでは予約が取りやすくなり、通える頻度が増えて施術期間を大きく短縮できる。これらに加えて、脱毛業界には「セラピストに体を見られるのが恥ずかしい」という問題が長年あった。同店は完全無人のため受付にもスタッフがいない。エステティシャンだけでなく、誰にも会わないため、「恥ずかしい」という心理的負担を解決できる。これがセルフエステ、ひいては同店の躍進につながった大きな要因といえるだろう。
コロナ禍でも男性客を取り込み約5年で71店舗を出店
コロナ収束後、食品をはじめ多くの無人業態が苦戦している。その要因の1つが、コロナ後に営業を再開した大手企業が対抗策を打って出たからだ。コロナで人気となった餃子や肉は、大手スーパーやコンビニが類似商品を取り扱うようになった。こうしたことから無人餃子を販売するブランドは、ラーメンを取り扱うなど、取り扱い品目を変えてきている。
一方のセルフエステは、コロナ禍の追い風で複数ブランドが立ち上がったが、現在は淘汰されつつある。P22の矢野経済研究所が発表した「エステティックサロン市場規模推移」で示した通り、エステティックサロンはコロナ以降、市場規模は縮小傾向にある。しかし、メンズエステ市場は前年度比103.2%の96億円の見込みだ。同店は利用客の約7割が男性と、新しい需要となる男性客の取り込みで成果を上げている。
新たな動きも出ている。セルフ脱毛器やセルフエステの機器を設置するスポーツジムが急増中だ。この動向について、同社の斎藤一誠社長は「今まで知らなった潜在層に認知され、セルフ脱毛はこのまま定着し、確固たる市場になる」と確信する。
エステ業界は、以前から慢性的な人手不足に悩まされていた。一方、ユーザーはなかなか予約が取れない、人に体を見られたくないというストレスを抱えていた。完全無人型のセルフ脱毛サロンは、経営サイドとユーザーの双方の課題を解決した業態といえるかもしれない。
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