【メガボックス】職人が手づくりする高耐久のユニットハウス

店舗・ホテル・グランピングなど用途拡大

メガボックス （メガステップ：東京都品川区）本井武取締役

　メガステップが展開しているユニット建造物「メガボックス」の用途が拡大している。2021年のリリース以来、別荘・戸建てはもちろん、店舗・ホテル・グランピングなどさまざまな用途での実績が積み上がっているという。

自社工場製造で低コスト・短工期

　同製品は、JIS鋼材を使用した建築確認申請が可能なユニットハウス。「ラーメン構造のため、地震による揺れに強く、耐久性が高いのが特徴です。内装の自由度も高いため施主の好みの空間を提供することができます」（本井武取締役）。一般の戸建てと同様に断熱工事も行う。「職人の手づくりのため雨漏りの心配もなく、快適に過ごすことができます」（本井氏）。
　同社は2023年9月にフランス・パリで開催された大規模展示会に「ジャパニーズ・スタイル」ブランドで出展。大きな反響を得たという。
　「那須にある自社工場で総勢20名を超える自社大工の手によって製造します。また基本的な材料をパッケージ化し、大量に仕入れをすることで原価率を低減しています」（本井氏）。このため低コストで提供できるほか、現地に輸送し、組み立てるだけのため、短工期で完成する。製品は鉄骨と木造を用意。鉄骨の場合は、同社が買取保証する。価格が落ちにくく、中古市場でも安定的な需要があるという。
　1ユニットは、長さ6058×幅2330×高さ2591㎜のフィートサイズ。1ベッド・トイレ・洗面・キッチン付きで、250万〜300万円。土地所有者は、その土地と用途に合わせて作ることが可能だ。宿泊施設だけでなく、飲食店舗や、コインランドリー、サウナでの導入実績も増えている。
　ユニットを組み合わせることでさまざまな活用法を提案する。例えば、3連結によるキャビンタイプでは、総面積は42㎡となり、ベッドルームのほか、キッチン、バス・トイレを設置し、2〜3名での宿泊が可能になる。同社によれば納期は1〜3か月。価格の目安は、鉄骨が845万円、木造が750万円。5連結では、1250万〜1350万円が目安。トレーラーホテルの場合は、1ユニット480万円。
　間取りは全てカスタマイズ仕様で、「寝室を増やしたい」「トイレ・風呂を設置したい」「リビングを広くしたい」など施主の構想に合ったキャビンを提供していく。

グランピングでの利用も

建築職人700名以上の育成実績

　同社は建築職人の育成事業で実績を持つ。同社が運営する施設「職人道場」は、2018年のオープン以来、これまで700人の卒業生を輩出している。同施設によって電気・設備・内装・外装・建築と幅広い領域の経験を備える人材を揃えていることで「メガボックス」事業を可能にした。
「当社では、新築価格が高騰する現在、建物の新しい選択肢を提示したいと考え、この事業を本格化しました。現在人気のあるグランピングはもちろん、店舗などさまざまな土地活用法を提案していきたいと考えています」（本井氏）。

サウナ付きの施設も可能