【新潟発祥なおじ】中毒性の高いラーメンでリピーター獲得

中毒性の高いラーメンでリピーター獲得
コンパクトなメニューでオペレーションを効率化

新潟発祥なおじ 和僑ホールディングス：東京都中央区 坂田 敦宏社長（55）

　高級焼き鳥や高級鮨店をはじめ、博多居酒屋や韓国料理など複数の飲食チェーンを手がける和僑ホールディングス。新潟ラーメンブランド「新潟発祥なおじ」は、2015年よりFC展開を開始し、現在は直営1店舗、FC14店舗を展開する。「チェーン店とは思えないクオリティ」を目指し、素材にこだわったラーメンを提供している。

看板メニューは背脂中華そば

　和僑ホールディングスが展開する「新潟発祥なおじ」は、新潟のご当地ラーメンとして有名な、燕三条背脂中華ラーメンを提供する。2015年当時は新潟の1号店のみだったが、FCチェーンとして全国展開を進め、現在は全15店舗を展開している。
　同店のラーメンは、高級国産小麦5種類をブレンドした太麺や、豚の骨と背脂、肉などの素材を厳選して仕上げた豚骨スープを使用しているのが特徴。中毒性が高くリピート率が高いという。
　都心の店舗は30代から40代の男性一人客がメインだが、地方では家族連れが多い。そのため、首都圏では西新宿や有楽町などの駅前に出店しているが、地方ではファミリー向けの大型店で徳之島や沖縄のような本州以外にも出店している。なお、23年10月にオープンした富山県の滑川店は、同店初となるロードサイドに出店した。
　同社は飲食店チェーンも展開することから、三菱地所やJRなどと契約をしている。地方のSCなど、集客が見込める物件の斡旋が可能なことも同社の強みだ。

オペレーションの簡素化に注力

　開業に必要な初期投資は、加盟金100万円、研修費50万円、保証金100万円。その他に物件取得費や店舗設備費、内装工事費などが必要になる。物件取得費は出店立地により異なるが、おおよそ100〜500万円だ。
　10坪15席の店舗での収益モデルは客単価1080円で6回転。日営業した場合、月商291万6000円で原価率35％、人件費率25％、店舗使用料6％、ロイヤリティ3％。その他光熱費などの諸経費約10％を差し引いた営業利益率は、約22％となる。
　同社はFC展開するにあたり、人件費を抑えるためにオペレーションの簡素化に注力する。10坪の場合、2〜3人で回す想定だ。オリジナルの麺やスープは、自社工場から冷凍で送られてくる。複雑な調理を必要としないため、アルバイトのみでも問題なく商品の提供が可能だ。
　開業前研修は新潟の直営店で行う。期間は、飲食事業未経験は2週間、飲食事業経験者は10日、ラーメン店経験者は3日。新潟ラーメンの基礎知識やラーメンの作り方など、現場で必要となる技術を習得する。加盟後のサポートは、月に一度SVが臨店し、提供商品のクオリティをチェックする。また、月に一度社長との経営会議を実施。マーケティング教育を行うなど、経営面でのサポートにも取り組む。
　同社は、24年内に新メニューとして、新潟ご当地ラーメンである生姜醤油ラーメンを取り入れる。海外進出も視野に入れながら、25年内に100店舗展開が目標だ。

西新宿店は10坪8席の営業で月400万円以上を売り上げる