【OnePark】病院や商業施設などさまざまな立地ニーズに対応
公開日:2024.01.30
最終更新日:2024.01.30
※以下はビジネスチャンス2024年2月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
シェアサイクルの拠点設けデッドスペースも解消
イチネンパーキングは、2002年にグループ会社イチネンの新規事業として設立。現在、コインパーキング・コイン駐輪場事業、病院・商業施設の来客用駐車場の管理受託事業を運営している。同社が運営する「OnePark」は関東、中部、関西をメインに、全国約1900か所展開。定期的な周辺調査で稼働後の収益改善や近隣店舗との提携を積極的に行うことで他社と差別化し、地域に根付いたコインパーキングとして売り上げを伸ばしている。
駐車場の稼働率を高める工夫
同社は設立当初、駐車場運営に関する知識がなかった。自動車のメンテナンスリースを法人向けに提案していた社員達が、手探りの中で駐車場の運営ノウハウを作り上げたのだ。営業活動の中でスーパーや病院の経営者に話を聞くと、自社駐車場での無断駐車が多かった。この課題を解決するため、駐車場を機械化、有料化をして管理受託事業として病院や商業施設へ提案をし、1件1件増やしていった。
創業当初からの地道な営業活動は今でも文化として残っており、他社との差別化ポイントは「近隣の店舗との提携駐車場」が挙げられる。新しく駐車場がオープンする時には、営業担当が駐車場周辺の飲食店や美容院などへ駐車サービス券提携店の開拓を行う。周辺店舗と提携することで、利用者が駐車場の固定客となり稼働率が安定。また、駐車場内に提携店の広告看板を貼り、店舗にポスターを提供するなど、認知度を高める活動をしている。さらに、物件の情報収集、稼働調査や売り上げ予測、オープン後の運営管理まで一貫体制で専任の営業担当者が担当する。これが土地オーナーにとって大きな安心感となる。
土地オーナーの負担がないストックビジネス
OneParkのコンセプトは「安心・安全・清潔で利用しやすい駐車場をお客様に提供する」ことだ。最近の取り組みとしてはストレスフリーを意識して、フラップ板をなくし、入出庫しやすく安全性を高くした。また、キャッシュレス決済にも対応するなど、支払い方法を多様化して利用者の利便性を高めている。さらに駐車場のデッドスペースの活用として、シェアサイクルの拠点やバイクのコインパーキング、月極を併設するなど常に有効な活用法を検討している。
同社の運営方法は、土地オーナーから土地を貸りて運営をする借り上げ制度を取っている。現状は個人の土地オーナーとの契約が圧倒的に多いという。契約期間は3年から。コインパーキングに必要な設備・照明・看板などのイニシャルコストは同社負担のため不要である。フォロー体制として、清掃は週に1回以上専門スタッフが行うほか、集金や事故、トラブル対応なども同社で行うため、手離れが良い。土地の広さは、自動車1台分を停めることが可能な18〜20平米以上からを推奨。着工から約1週間でコインパーキングとして利用ができる。
今後の目標としては、全駐車場をキャッシュレス化すること、そして長年掲げてきた売上100億円、営業利益10億円、2000か所の早期達成を目指す。
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