
【識者に聞く】人気上昇の理由は市場環境とニーズの変化
公開日:2025.02.19
最終更新日:2025.02.19
※以下はビジネスチャンス2025年2月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
インバウンド効果大きく2025年も需要は継続
おにぎりを通じて和食文化を国内外に広めるため、2013年に結成されたおにぎり協会。これまで、おにぎりに関する文化の研究やイベントの開催など、おにぎりに関連した事業を多数行ってきた。おにぎりコンテンツを活用した自治体や団体、企業のコンサルティングも手掛ける同協会代表理事の中村祐介氏に今後のおにぎりビジネスの動向について聞いた。

一般社団法人おにぎり協会(神奈川県鎌倉市) 中村 祐介代表理事(49)
Profile なかむら・ゆうすけ
1975年8月生まれ。神奈川県出身。2014年に一般社団法人おにぎり協会を設立し、代表理事に就任し現在に至る。TBSテレビ「マツコの知らない世界」をはじめメディア出演多数。2024年2月に新潟県南魚沼市など7自治体の首長ら、企業などと共に「おにぎりサミットⓇ」を初めて開催した。
日本人にとって馴染み深い商材 成功の鍵は美味しさと独自性
--近年、おにぎりの需要が増えたポイントとしてどのようなことが考えられますか。
中村 おにぎりの人気が上がった要因は、主に市場環境とニーズの変化にあります。おにぎりは、スーパーやコンビニで定番商品として扱われており、コロナ以前は100円台の比較的低価格の商品が多かったです。しかし、コロナで消費者が外食を控えるようになり、代わりに昼食にお金をかけるようになりました。それに伴い、コンビニなどの小売店も消費者ニーズに合わせて、豪華なおにぎりを販売するようになりました。200円超えの豪華なおにぎりを手に取る人も増え、それまで高価格だと思われていた専門店のおにぎりにも目を向ける人が増えました。
--現在国内に、おにぎり店のブランド数や店舗数はどのくらいあるのでしょうか。
中村 全国展開ブランドのほか、各地方で展開し地域で根付いているブランドも多数あるため、非常に多い印象です。当協会への問い合わせも、コロナ前と比べると10倍以上に増えています。それだけ、おにぎりは注目されている商材なのです。
--ならば、今後はさらにおにぎり店が増えていきそうです。
中村 おにぎりはコンビニやスーパー、専門店だけではなく、米屋や和菓子屋、道の駅など至る所で販売されている日本人にとってなじみ深い食べ物です。また、おにぎりは汎用性が高く、どのような業態でもプラス要素を作りやすいという特徴があります。そのため、おにぎりの提供はおにぎり専門店に限らず、さまざまな業態で行われています。
たとえば、ラーメン店でもおにぎりに力を入れている店舗があります。以前はサイドメニューとして普通の白おにぎりや塩むすびを提供していたところを︑今ではチャーシューを使用した凝ったメニューを提供するなど、フードロスを防ぐ目的としておにぎりを活用している例もあります。また、ラーメンとおにぎりをセットにすることで、単価アップを狙うことも可能です。
--おにぎり需要の増加は今後も続いていくと思われますか。
中村 おにぎりを買う人の属性として多いのは、家で食事を作る時間のない共働き家庭です。そのような層がベースなので、おにぎりはブームというよりは一定のニーズが常にあると感じます。インバウンドも考慮すると大きな需要があると考えられるので、2025年も現在の熱量は維持されていくと考えられます。ただし、シンプルな料理だけに安易に開業した場合は苦労するでしょう。おにぎりビジネスには先行者利益のようなものがありません。消費者にとって評価ポイントになる部分を抑えることで、後発のブランドでも十分成功することが可能であるため、競争は激しくなるでしょう。
--消費者にとっての評価ポイントとは。
中村 最低限のポイントとして、まずは美味しいことです。単純そうに思えますが、それが非常に難しいのです。日本人は子どもの頃からおにぎりを食べているので、おにぎりへの評価が非常に厳しいです。そのため、米を含めた素材の調達力、目利き力、そして炊飯の技術と料理としての仕上げ力が絶対条件です。もう一つ重要なことは差別化です。たとえば、食べ応えたっぷりの大きなごちそう系おにぎりを出しているブランドや、具材と具材のマリアージュを想定した新しい組み合わせを押し出しているブランドがあります。ここでしか食べられないといった体験価値も求められるでしょう。ある程度の独自性を持つと、消費者にとって選ぶ理由になるため、一定の需要を取れると思います。
また、おにぎりは日常食のため、ある程度良い立地を選定すれば一定の売上を作ることができます。そのため、出店立地の選定は当然ながら重要なポイントになります。その上で、美味しさや独自性を追求することで、より人気のあるブランドにすることができると思います。
――おにぎり店にはどのような立地が適しているのでしょうか。
中村 人が多い場所です。コンビニも同じですが、朝食や昼食として食べるために朝の通勤途中におにぎりを買う人がいます。そのような層を獲得するために、通勤途中で購入できる駅チカや駅の構内などが最高の立地になります。

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