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【鳥周】創業19年、最高月商400万円超のローストチキン専門店

公開日:2025.02.04

最終更新日:2025.02.04

※以下はビジネスチャンス2025年2月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

こだわり塩味商品と独自ドミナント戦略で全国展開を狙う

鳥周 おかやまバレスモ:岡山市北区 小谷貴紀社長(49)

 おかやまバレスモがFC展開する「鳥周」は、テイクアウトのローストチキン専門店だ。2006年にオープンしてから長期的に売上を伸ばし続け、2021年から本格的にFC展開を開始。独自のドミナント戦略で出店し、現在直営4拠点、FC9拠点を展開している。飽きがこず、万人に受け入れられる独自の塩味商品を武器に、今後全国展開を狙っていく。

Profile
1975年生まれ、岡山県岡山市出身。98年にフランチャイズのカレー屋に加盟し起業。その3年後に同店を漫画喫茶に業態転換。2006年に鳥周を創業し、現在に至る。

冷めても美味しい飽きのこない塩味

--ローストチキン専門店は珍しい業態ですが、どのような経緯で鳥周を始められたのですか。
小谷 私の経営者としてのスタートは、FCオーナーからでした。父親が岡山でテナントオーナーをしており、そのテナントが空き、そこにFCでカレー店を出店。しかし2年目に、加盟していた本部の社長が亡くなり、商品の味が変わってしまったため脱退しました。その後は漫画喫茶のFCに加盟しました。漫画喫茶は出店当初から軌道に乗り、順調に売り上げを伸ばしていたのですが、近くに大手の漫画喫茶ができたことで尻すぼみに。
 こうした経験から、自分ではコントロールできない外部環境に左右されることが嫌になり、安定した収入を得られる業態を自分自身で開発したいと考えるようになりました。そんな時に、父から小屋を建てて新たな商売をしようと提案をされました。そこで誕生したのがローストチキン専門店の「鳥周」です。
--なぜローストチキンに目を付けたのですか。
小谷 どんな業態が良いか模索していた時に、知り合いのお肉屋さんから、ローストチキンだったらロースターに入れるだけで作ることができると聞きました。ローストチキンはよく知られている料理ではありますが、色々調べてみると作り方を知らない人が多く、作ったことがある人はほとんどいませんでした。
 ただロースターが高額で、商売としてまでやろうと思いつく人がいなかった。そこで当社は参入を決意したのですが、競合がほぼいない中で出店できたこともあり、創業から19年、当社の売上は毎年伸び続けています。
--商品にはどのような特徴があるのでしょうか。
小谷 一番にこだわったことは、飽きのこない味にすることです。そのため塩味の商品をベースにしています。塩や調味料を色々とブレンドした、独自の塩味で調理をしています。メ ニューもローストチキンならではの丸焼きや骨付きモモ焼きだけでなく、串焼きや手羽先焼き、骨なしモモ焼きなどのメニューがあります。
 ローストチキンの良いところは、冷めても美味しいことです。出来立てを提供する必要がないため、提供までの時間を気にせず調理できるのが大きな利点だと思います。

 

他業種とのシナジー効果大 婚活事業で優良顧客を獲得

--独自のドミナント戦略で出店数を増やしていると聞いています。
小谷 より多くの消費者の方々に提供できるよう、店舗別に対応する機能を分け、これらをドミナント形式で出店しています。1店舗目を旗艦店の「ベース店」とし、ここではロースターを置き、仕込みや調理、販売まで完結できるものとします。そして2店舗目以降は、「サテライト店」か「リテール店」での出店を基本としています。サテライト店ではロースターを置き、仕込んだものを焼いて販売する店舗で、仕込みはしません。リテール店は、ロースターも置かず販売のみを行う店舗です。
 直営店は、ベース店から車で30分ほどの距離のところにサテライト店、リテール店を出店しています。
--加盟検討者にはどのような出店形式を推奨しているのですか。
小谷 現在は、多店舗展開を前提としている方に加盟していただくようにしています。まず1店舗目のベース店に加盟をしていただいた時点で、その後増店可能な2エリアの権利を付与。権利は2年間に設定しています。
 本部としては、ベース店とサテライト店をまず出店することを推奨してします。なぜなら、ローストチキンはクリスマスが一番の売れ時で、既存店は月に400万円以上を売り上げます。その時にベース店とリテール店だけでは追加の注文を取りこぼしてしまうため、ロースターがあるベース店とサテライト店という組み合わせをお勧めしています。
--開業の初期費用は。
小谷 初期費用の合計は、税込みで1400〜1700万円となります。内訳は加盟金が165万円、保証金50万円、テナント契約初期費用120万円、内装工事費300〜600万円、厨房機器700万円、備品・その他50万円、広告宣伝費(初月分)5万円、ロイヤリティ(初月分)11万円、運転資金40万円となっています。
--収益モデルも教えてください。
小谷 ベース店の売上が250万円と想定し、原価82万5000円、人件費70万円、諸経費38万円、ロイヤリティ11万円の計201万5000円。営業利益48万5000円の計算です。生業型でオーナー自身が体を入れて働くのであれば、利益はもっと増えます。
 2店舗目にサテライト店を出した場合は、2店舗の合計売上が500万円と想定。原価165万円、人件費130万円、諸経費59万円、ロイヤリティ18万7000円の計372万7000円。営業利益は127万3000円の計算です。
 ロイヤリティは税込みでベース店11万5000円、サテライト店7万7000円、リテール店5万5000円に設定しています。サテライト店やリテール店をドミナント出店することで認知が広がっていくため、広告を打つよりも増店する方が効果的だと考えています。
--今後の展望を教えてください。
小谷 東京や大阪、名古屋や福岡など、まずは大都市の県庁所在地に出店していきたいと考えています。鳥周のローストチキンは塩味で、どこの地域でも受け入れられやすいため、地域を選ばず出店できると思います。3年以内に全都道府県に出店し、100店舗を達成したいですね。

 

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