• HOME
  • 記事
  • 【壱角家、山下本気うどん 他】外食11ブランドを展開、昨年末に東証スタンダードへ上場

【壱角家、山下本気うどん 他】外食11ブランドを展開、昨年末に東証スタンダードへ上場

公開日:2025.03.07

最終更新日:2025.03.07

※以下はビジネスチャンス2025年4月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

営業利益率は外食チェーントップクラスの10%を記録

 外食11ブランドで全国191店舗を展開するガーデンが、2024年11月22日に東証スタンダード市場へ新規上場を果たした。企業再生型M&Aを得意とする同社はこれまで12社の株式を取得し、被買収企業のアセットを活用した業態転換と新ブランドの取得によって、加速度的に成長し続けてきた。2024年2月期の売上高は、コロナ下の2022年2月期の約2倍となる153億円を達成。営業利益は15億1600万円(10%)と外食チェーン企業でトップクラスの水準を誇っている。同社の川島賢社長に、高利益率を出す仕組みや今後の成長戦略について聞いた。

壱角家、山下本気うどん 他 (ガーデン:東京都新宿区) 川島 賢 社長(54)

1971年2月5日生まれ。25歳のときにカラオケ事業で起業。カラオケ事業の再生を皮切りに、次々と不採算事業を再生し、12社以上のM&Aを実現。その後、カラオケ事業を売却し、飲食事業に舵を切る。現在は「壱角家」や「山下本気うどん」など11ブランドで、約200店舗を展開している。

 

 

 

KPIは営業利益率 今後は麺業態に注力

--昨年は東証スタンダード市場へ新規上場を果たされましたが、上場前と上場後で変化したことはありますか。
川島 当社は外食チェーン企業の中でトップクラスの営業利益を出しているのですが、上場前は営業利益率が高いという話をしても信用してもらえませんでした。しかし、上場してからは話がすっと入っていく印象です。会社として10%の利益率を出しているのであれば、ブランドごとの利益率も相当だということを理解されるのだと思います。これまではガーデンという名前すら知られておらず説明しても入っていかない。また、一部店舗では月に1000万円の営業利益を出していますが、その数値がピンと来ないという状況が続いていたので、上場は一つの区切りになると見ています。
--売上という観点では、直営で出した方が儲かると思うのですが。
川島 IPO記者会見でも「FCはどうするのか?」と聞かれ、そのときは「直営で儲かっており、お金があるのでFCにはあまり力を入れない」と答えました。しかし、申込みがあれば一都三県でも相談に応じています。また、当社は営業利益率をKPIとしており、それを上げるには直営よりもFCの方が適しています。そこの指標を維持するためにもFCは出していきたいです。
--現在は外食11ブランドを展開されていますが、そのうちFC展開されているブランドと店舗数を教えてください。
川島 FC展開しているのは4ブランドです。それぞれの店舗数は、横浜家系ラーメンの「壱角家」が、直営101店舗でFC23店舗、讃岐うどんの「山下本気うどん」が直営18店舗で昨年よりFC募集をスタート、「肉寿司」が直営1店舗でFC6店舗、博多中州屋台ラーメンの「一竜」が直営4店舗でFC4店舗となっています。
--中でも、今後注力されていくブランドはどれですか。
川島 壱角家と山下本気うどんの2ブランドです。壱角家は2014年に創業し、2018年にFC展開を開始しました。創業1年後には50店舗に拡大しており、短期間で横浜家系ラーメンのトップチェーンに成長したブランドです。麺、スープ、チャーシューすべてにこだわっており、麺は特注の中太麺を使用。スープは15時間炊きこんでクリーミーで芳醇な風味と旨味を演出しています。
 一方、山下本気うどんは2017年に創業し、2024年にFC募集を開始しました。かけや釜揚げ、ざるなどの定番商品に加え、クリームといった創作商品を提供しており、女性人気が高いブランドとなっています。
--FC加盟するにはどちらのブランドがよいでしょうか。
川島 圧倒的に壱角家です。リスクが少なく、実績があります。ロードサイドやSC、競合のいる立地を含めてさまざまな実績ができているため、物件で外すことはまずありません。さらに、ラーメン屋の居抜き物件を使えば、初期投資は1000万円ほどで済みます。
 たとえば、ロードサイドで出した青森店はオープン初月に1000万円近くを叩き出し、3カ月で投資回収しています。今は月商600万円に落ち着きましたが、それでも150万円以上の手残りがあります。
 一方、山下本気うどんは平均月商1440万円で、特に売上の高い渋谷の店舗は月商2000万円超えと、高い利益率を叩き出しています。しかし、まだ18店舗でケースが少ないため、強くおすすめできない状況です。
--壱角家の平均月商はどのくらいでしょうか。
川島 直営は900万円、FCは550~600万円となっています。
--壱角家が売れる理由は。
川島 まず、立地が強いことです。直営で撥ねてFCで出店した下北沢と学芸大学の店舗は月商700~800万円、営業利益200万円弱を出すほど非常に儲かっているお店です。味もよいですし、直営で弾いてもそれだけのポテンシャルのある物件を提供できていることが強みです。
 また、他社との最大の違いは、屋号が使えることです。家系FCはフリーネームが大半ですが、壱角家の場合はブランド力のある屋号が使えるので、安心感や安定感があります。壱角家を出すだけで一定の顧客が獲得できるため、立ち上がりも早いです。
--壱角家は一都三県のドミナントで出店されています。
川島 赤くて大きい視認性の高い看板を一等地に掲げているため、それ自体が宣伝となり、広告宣伝費がかかりません。取材も結構入ります。頻繁に壱角家の屋号が出るので、FCも恩恵を受けていると思います。

新宿歌舞伎町一番街に「壱角家」と「山下本気うどん」をW出店

MAで約20ブランドを取得 祖業を売却し外食企業に

--御社は2017年に祖業であるカラオケ事業を売却し、ほぼ同時期に山下本気うどんのライセンス契約を締結、肉寿司を完全子会社化されました。このタイミングで外食に特化することを決めたのでしょうか。
川島 中核事業を売却し利益がごっそりなくなったため、それを埋めるために山下本気うどんと肉寿司を買いました。カラオケを売却したのは、寡占化が進み過ぎたためです。大手が資本力をもって投資回収期間10年を超えるような出店をしてきたので、これは危ないと思い、すぐ売ることにしました。約50億円で売却できましたが、1~2年判断が遅かったら20億円でも売れなかったと思います。もしコロナまで待っていたら貰ってくれるところもないような大変な業種だったので、タイミングはよかったと思います。
--御社の強みの一つに、M&Aによるブランド調達力があります。良いブランドなのに業績不振となっている企業をグループインすることで、ブランド取得と出店拡大を図っています。
川島 当社はこれまで、寿司やステーキ、ハンバーグや丼など約20ブランドを取得してきました。その中で、ブランド力があり、利益が出て、オペレーションが軽い、この3つを兼ね揃えているのが壱角家と山下本気うどんです。
 たとえば、利益は出ているけれどもオペレーションが重すぎるブランドを展開したら味が落ちます。利益が出て展開もできるから、FCがハマるのです。
 ラーメンとうどんの共通点は収益性の高さですが、一方で共通していないのは初期投資の重さです。壱角家は投資が低く、うどんは高い。しかし、利益が大きいため投資回収期間はほぼ同じです。
--それぞれの初期投資と収益モデルを教えてください。
川島 壱角家は基本的に居抜きを活用するため、物件取得費を除く初期投資の目安は1815万円です。内訳は開業手数料200万円、保証金100万円、研修費15万円、内外装設計1500万円となっています。投資回収目安は16カ月です。
 収益モデルは月商650万円に対して、償却前利益が約122万円(18.8%)。経費の内訳は原価率29%、人件費率27%、家賃9.2%、その他経費16%です。ロイヤリティは発生しません。
--山下本気うどんはいかがでしょうか。
川島 山下本気うどんはスケルトンからの工事を前提に試算しており、初期投資の目安は5500万円となっています。内訳は開業手数料500万円、保証金150万円、研修費2000万円、内外装設計4880万円です。投資回収目安は19カ月となっています。
 収益モデルは月商1200万円に対して、償却前利益が270万円(22.5%)。費用の内訳は原価率25.5%、人件費率25.5%、家賃7.5%、ロイヤリティ5%、その他経費14%です。

利益向上の鍵は仕組み化 競合不在の状況を作り上げる

--先ほど、御社のKPIは利益率というお話がありました。実際、壱角家は18.8%、山下本気うどんは22.5%と、外食の中では非常に高い水準です。なぜ、実現できるのでしょうか。
川島 一言で言うと、仕組みを作っているからです。約20のブランドをM&Aしてきた中で、色々なケースのダメなところ、活かせるところを見てきました。そして、活かせるところを伸ばして再生してきました。そのノウハウと実績は他社にはない当社の強みです。
 まず多くのブランドを見てきた中で、収益が取れて仕組み化できるブランドを選び取ります。さらに、当社は物件取得ノウハウを持った不動産会社を買収しており、現在そこの店舗開発事業部が良い物件を抑えています。物件を抑えてしまうだけで、ある意味外食は勝ちです。あとは、流行のブランドを作ることですね。流行に乗るのは大事です。
--確かに、家系ラーメンは地方を中心にブームとなっており、「ラーメン山岡家」の来店客数も前年比130%以上を叩き出すなど好調です。一方で、山下本気うどんはいかがでしょう。
川島 山下本気うどんは今までにない空白地帯に飛び込んだブランドです。客単価1250円という中価格帯で駅前に出しているうどんチェーンはありそうでない。競合がいないのです。これに関しては、壱角家も同じです。
--なぜ、競合不在なのでしょうか。
川島 それは、「チカラめし」を買って一気に駅前60店舗を抑え、その後もずっと東京の繁華街を中心に駅前出店をしてきたからです。そうすると、7~8年前の家系ラーメンブームが来たときに、大手が入ろうとしても入り込めない状況となっていました。当社が一都三県をほとんど抑えてしまっているので、大手が無理して家系に乗り込む意味合いが薄れたのだと思います。そうなると、価格も多少上げられます。
--駅前で利便性の良い場所を抑え、競合が生まれない状況を作り上げることで、価格コントロールができるようになり、利益率も上がる。
川島 それが仕組み化です。20ブランドを経験してきて、本当に強い2ブランドを選んだと思います。利益が出るベースが整っています。そこに、QSCや従業員のセールスが良くなると、さらに利益が上がります。
--中長期的な出店計画を教えてください。
川島 直営は年間で壱角家8店舗、山下本気うどん5店舗の合計13店舗を出店する計画です。
 当社は店舗数と売上をリンクさせていないため、来々期においても店舗出店を変えるつもりはありません。FCは申込み次第ですが、年間5店舗くらいを見据えています。

「山下本気うどん」のキラーコンテンツであるクリーム系うどん

次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌

フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。

ビジネスチャンス
最新号
2025年4月号
2月21日発売

成長し続ける企業に聞く外食業界で勝つ秘訣

詳細はこちら

定期購読お申込み

記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌

“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。

定期購読お申し込みはこちら