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【やる気スイッチグループホールディングス 】やる気スイッチグループHDがTBSグループ入り

公開日:2023.10.07

最終更新日:2023.10.07

※以下はビジネスチャンス2023年10月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

メディアと融合し、教育サービスの拡充を狙う

 やる気スイッチグループホールディングスは、個別指導塾「スクールIE」をはじめ、バイリンガル幼児園「キッズデュオインターナショナル(以下: KDI)」や「プログラミング教育 HALLO」など、8つのスク ールブランドを手掛けており、そのすべてをFC展開している。今年6月29日、同社はTBSホールディングス(以下: TBS)の連結子会社になったことを発表した。TBSグループに入ることになった経緯と狙いについて、高橋直司社長に詳しく聞いた。

やる気スイッチグループホールディングス (東京都中央区) 高橋 直司 社長(54)

Profile たかはし・なおし
1969年 静岡県生まれ、横浜国立大学経営学部卒業。 98年 株式会社拓人(現 株式会社やる気スイッチグループ)に入社。スクールIEの教室長や事業責任者、立ち上げに関わった幼児ブランドを統括する会社の代表を経て、2018年株式会社やる気スイッチグループホールディングスの代表取締役社長に就任。
ブランド:スクールIE、キッズデュオインターナショナル、プログラミング教育 HALLO他

 

 

JNNネットワークを活かしサービスやブランディングを強化

―御社の株主構成は、サンリオ(東京都品川区)、野村不動産ホールディングス(東京都新宿区)、リンクアンドモチベーション(東京都中央区)、名古屋鉄道(愛知県名古屋市)と伺っています。今回、TBS とリンクアンドモチベーションが入れ替わる形でグループ入りされるようですね。
高橋 リンクアンドモチベーションが保有する当社の株式すべてを、月日にTBS が追加取得する手筈となっています。当社のような未上場の企業に対して、大手企業社がそれぞれ株を持つ状況は珍しく、世間から注目いただいてます。
 これまで当社は、各株主と相乗効果のある事業を行ってきました。たとえば、野村不動産はフィットネス事業「メガロス」を展開されています。メガロス内で学童も手掛けていたため、当社の幼稚園や保育園を併設しました。サンリオとは、サンリオピューロランドでサマースクールを開催しています。エンターテインメントとエデュケーションを融合した〝エデュテイメント〞といった独自イベントを打ち出してきました。名古屋鉄道は、有力な土地を多数お持ちです。バイリンガル幼児園のKDIを名古屋の一等地に出店していますが、それは名古屋鉄道のおかげです。土地建物で言うと今回のTBSには、TBSをキー局とする系列28社のJNNネットワークがあります。JNNネットワークには土地建物の情報も多く、教室展開の拡大に活用したいと考えています。
―TBSは中期経営計画で知育・教育事業の成長を掲げており、昨年、「学びNEXT事業部」が新設されました。そこが御社にフィットしたのでしょうか。
高橋 そうですね。TBSは「世界の人々に愛されるコンテンツ創り」を企業理念にされていています。免許事業者として地上波を流すだけでなく、コンテンツを通して人々を豊かに、幸せにしていきたいという考えです。その中で、人を育てる教育が必要となり、協力会社を探していたようです。
―グループ入りのメリットは。
高橋 教育事業をさらに進化させるためには、映像を使った教材が重要になってきます。今後は各地域の教室にオンラインで教育コンテンツを提供していきますが、そのときに綺麗で子どもが興味を示すような映像は不可欠です。
 また、映像はプロモーションにも活かせます。これまで教室はシンプルなものでしたが、他業種のようにファサードに動画を入れたり、エレベーター内にモニターを付けるなどして、教室の内外にも映像を取り入れることも検討しています。
―JNNネットワークの活用も差別化の鍵となりそうです。
高橋 近年、学校のテストや入試で時事問題の比率が高まっています。時事に関するレポート提出も増えており、成績向上のために時事問題は無視できません。その中で、日々ニュースを製作しているJNNネットワークは強い味方となります。また、ブランディングで言うと、将来的にはTBS番組と当社ブランドの協業を考えています。TBSという大手企業のグループ入りを果たしたことにより、既存オーナーの安心感にも繫がりますし、新規オーナーもさらに入りやすくなることを期待しています。

やる気スイッチグループホールディングス高橋直司社長(左)、TBSホールディングス佐々木卓社長

アドオン型コンテンツが好調学習塾市場のシェア獲得を狙う

―「忍者ナイン」は新規オーナーも加盟しやすいと伺いました。
高橋 忍者ナインは加盟金が70万円と低く、当社のエントリーブランドと言えるでしょう。KDIやアイキッズスターと比較すると、加盟しやすいブランドです。また、コースにより異なりますが、月謝も約7000円からと手頃で、お客様にとっても利用しやすいブランドとなっています。しかし、プログラムはバイオメカニクスを応用した本格的なものです。ここで当ブランドに触れていただいたら、会員様用のプラットフォーム「やる気スイッチプレミアムクラブ」も利用できるようになります。ここでは、教育関連の情報が多く掲載されており、小学生から高校生までの全科目の動画などが視聴できます。このプレミアムクラブを機に、他の教育ブランドに興味を持っていただくこともあります。
―拠点数で言うと「プログラミング教育HALLO」の拡大が目覚ましく、2021年のFC募集開始から約年で約750拠点となっています。
高橋 HALLOは、併設出店可能なアドオン型のコンテンツです。専門教室と導入教室を合わせた拠点数が今年の5月末で約750となりました。当社は国内外で2200以上の教室を展開しており、盤石なFC網があります。そのため、当ブランドの既存オーナーが、新ブランドも加盟するケースが非常に多くみられます。また、HALLOは忍者ナインと同じく初期投資が低めなので、別ブランドで契約に至らなかった潜在的顧客が当ブランドで加盟するケースもあります。こうして順調に拠点数を拡大してきました。
―今後の成長戦略を教えてください。
高橋 学習塾市場は少子化問題が課題と思われがちですが、子ども人にかける教育費が上がっているため、塾の単価も上がっています。ただ、矢野経済研究所のレポートによると、全国に学習塾が万3000教室ある中で、法人は4000社で約2万教室を展開し、個人で約3万教室を展開しているそうです。当社のスクールIEは約1190教室、他の大手も1000単位と考えると、寡占が進んでいない業界なのです。そこで、先ほどのアドオン型のコンテンツをはじめ、当社のブランドを既存教室に導入していくことでシェアを取りたいと考えています。現在は合計で13万人の生徒が当社の教室に通っていますが、2026年2月期末までに15.7万人以上の生徒獲得を目指しています。

既存教室に導入できる「プログラミング教育 HALLO」

幼児・小学生向けスポーツ教室の「忍者ナイン」

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