【KUDOCHI】リフォーム会社がサウナ事業に参入

公開日:2023.07.03

最終更新日:2023.07.04

※以下はビジネスチャンス2023年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

高級空間と低料金の両立で若者の支持を獲得

KUDOCHI エイケー:東京都中央区 久土地 智志社長(41)

 店舗内装や住宅リフォームなどを手掛けるエイケーはサウナ事業に参入し、昨年8月に完全個室のラグジュアリーサウナ「KUDOCHI」をオープンした。内装デザインに強く、設計から施工までを一貫して行う同社は、一室ごとに異なるコンセプトでサウナ室を造り上げた。日本で古くから親しまれてきたサウナに洗練された空間を組み入れることにより、サウナ界に新風を吹き込む。

 

 

 

 

SNS映えする個室サウナ

 

 KUDOCHI は、オシャレでSNS映えする空間が特徴の個室サウナだ。直営の銀座店は、夜の竹林をイメージした和モダンなスタンダードルームや、星空を散りばめたような非日常的なVIPルームなど、それぞれ異なるテーマの全6室で営業している。サウナ室には、サウナ用ストーブや水風呂、シャワーや洗面台、リラックスチェアやアメニティーを完備。今流行りの熱気浴・冷水浴・外気浴による温冷交代浴が、個室内でできるようになっている。利用料金は部屋で異なり、スタンダードルーム90分は6000円、120分は8000円(定員2名)。プレミアムVIPルーム120分は1万5000円(定員3名)、プラチナVIPルーム120分は2万6000円(定員6名)。そのほか、割安のナイト5時間パックもある。個室サウナの相場は1人4000円からとなっているが、同店はスタンダードルームだと1人3000円から利用できる。
 同店は24時間営業で完全予約制だ。予約サイトより会員登録し、予約申し込みと事前決済を行う。利用当日は専用QRコードで解錠できるため、無人受付となっている。店舗オペレーションを削減しコストカットした分は、利用料金に還元する。オシャレで贅沢な空間でありながらコストパフォーマンスも高い同店は、日常使いも多い。SNSでの拡散により20〜30代の若年層から人気を集め、オープンから半年で会員登録者数は1万2000人に到達した。

物件探しは本部がサポート

 SNSの人気上昇とコロナによる個室サウナ需要の高まりを受け、同社は今年1月にFC募集を開始した。店舗はオーナーの希望をもとに、物件状態や既存ビジネスに合ったデザインを提案。設計や施工まで同社がワンストップで行う。加盟金は1000万円で、初期投資額は物件やデザインにより大幅に異なる。50坪・6部屋の銀座店は、総額で11億2000万円だった。開業するには、室外機や濾過機の設置要件や耐荷重などテナント条件は難しいが、物件探しは本部がサポートする。
 直営の収益は24時間営業で各部屋7回転した場合、月商は1400万円。清掃や監視のため、最低1人のスタッフ常駐が必要で、人件費率は約20%。このほか、光熱費は約10%でロイヤリティは5%、営業利益率は40%を見込んでいる。
 集客はSNS広告や既存会員への販促がメインだ。オシャレなサウナ室はSNSに投稿されやすく、話題になりやすい。また、1室ごとにコンセプトが異なるため、顧客を飽きさせることなくリピートも期待できる。同社は内装会社である強みを生かして、今後も様々な発想を形にしたサウナを創り上げるという。

プレミアムVIPルームの「星空SORA」

 

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