【連載 第33回】アメリカに学ぶフランチャイズ事情

米国最大のフランチャイズショーに日本のFCブランドが出展

　私が日米のFC業界に携わり今年で36年目になりますが、International Franchise Expo（IFE）には毎年、欠かさず参加しています。IFEは米国最大のFC展示会として知られ、300以上のFCブランドが出展します。さらに、経験豊富なFC業界の財務アドバイザーやビジネスメンターが、種類以上の教育セミナーやワークショップを主催します。
　30周年目となる今年は、6月1日から3日までニューヨークのジャビッツセンターで開催されました。近年は、展示者と入場者ともにグローバル化しており、世界30か国から来場者が確認されています。IFEは、各国の一流ブランドに出会える唯一のステージです。25年間、IFEに通い続けた私は、米国最大となるFCのステージに日本のブランドを紹介したいと考えるようになりました。そして今回、当社の提携先であるエイチアイエスと共同企画でジャパンパビリオンを出展することになりました。初出展となる今回は、以下の7ブランドが参加しました。

獅子楼（イチバノチカラ）
　日本と韓国の文化を取り入れた焼肉店。オリジナルテイストと最高級のおもてなしを提供している。

TechMagic（TechMagic）
　飲食業界の課題である人手不足を解消するための調理ロボットを提供。オペレーションの効率化や食材ロスの低減に貢献している。

MAJI CURRY（サンパーク）
　神田カレーグランプリで2018年、2011年に優勝を勝ち取ったカレー店。現在、日本やシンガポール、タイやアメリカで展開している。アメリカではカリフォルニア州に出店しており、近日中にテキサス州、カナダのトロント市にも出店予定。

豚骨火山ラーメン（サンパーク）
　日本発のラーメンブランドだが、出店の中心はシンガポールとタイ。近日中にカンボジアやマニラ、アメリカで一号店の出店が予定されている。

高木珈琲（サンパーク）
　1958年に創業したカフェで、店内で焙煎したフレッシュコーヒーと、通常のカフェでは味わえない充実した軽食・スイーツメニューを提供する。運営会社はびっくりドンキーや丸源ラーメンに加盟するメガフランチャイジー: サンパーク。高木珈琲は、同社が買収し、新規FC事業として立ち上げたブランドだ。近日中に一号店がテキサス州に開業予定。

和牛ストリート（Gyushige U.S.A.）
　アメリカで焼肉レストランをFC展開している「牛繁USA」の新ブランド。アメリカで非常に注目されている和牛を活かしたファストカジュアルな業態である。今年の秋に、カリフォルニア州で一号店が開業予定。

Nikkei / I.Fujita International
　日経が来年開催する日経ジャパン・フランチャイズ・ショーを、米国FC本部に対してプロモート。
　また、IFEに参加する企業の募集や展示会主催者とブース設営に関するコーディネーション、渡航やサンプリングの手配、輸出等の申請登録、営業資料作成。当日のアテンドや通訳、契約交渉などのサービスを提供した。

まとめ
　今回、IFEで日本のFCブランドを紹介したところ、期待以上にフィードバックがありました。来年は10ブースを目標とし、より魅力的な企画で、北米における日本のFC発展に貢献できればと願っています。

Profile藤田一郎
　上智大学国際学部および南カリフォルニア大学国際学部出身。1980年にI. Fujita International, Inc.を設立。1986年から米国フランチャイズ案件の日本導入事業に着手。2000年以降から日本フランチャイズ案件の米国導入事業及び加盟店開発を行う。米国のアントプレナー誌からExcellent Entrepreneur Awardも受賞。最も米国フランチャイズ事情に精通している人物として認められ、近年は、フランチャイズのグローバル化に貢献し、多方面で講演を実施。日本フランチャイズ及び小売企業の北米進出サポートやコンサルテイングを行っている。