【連載 第9回】知識ゼロでも今からできる! 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門
公開日:2023.10.29
最終更新日:2023.10.29
※以下はビジネスチャンス2023年10月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
現役FCオーナーが教える 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門【第9回】
フランチャイズ投資の実践編~フランチャイズ加盟前に必ず確認すべき5点~
東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は2015年に独立。選んだ起業方法はフランチャイズだった。まったく知識のない状態からスタートした古川氏だが、現在では4つのフランチャイズに加盟し、6店舗を運営している。
同連載では、そんな古川氏が体当たりで経験してきた情報をまとめた著書「フランチャイズ投資入門」(秀和システム)から、フランチャイズ加盟に関わるイロハを伝授してもらう。
今回は、加盟するフランチャイズを検討する際に「確認すべき5点」について説明する。
加盟先検討の際に確認すべき5点
フランチャイズまとめサイトやフランチャイズフェアはあくまでも、「こんなフランチャイズがあるんだ」と知るためのきっかけです。実際に加盟するフランチャイズを決めるためには自分自身で様々な情報をチェックし、分析しなければなりません。最低限フランチャイズ開始前に考えるべき項目を列挙しますので、参考にしてみてください。
①店舗数
基本的に店舗数が多いほど、フランチャイズ組織としてしっかりしているところであると言えます。一方、店舗数が少ないうちに加盟し、頑張って利益を出していると本部からより強く応援してもらえるというメリットも享受できます。具体的には「こんな良い立地で物件を見つけたけど2号店としてどうですか?」というような話です。ここら辺はベンチャー企業と大企業のどちらに就職するか、といった話に近いですね。大企業の方が倒産リスクが低く安定はしますが、ベンチャーの方が組織の中枢に入って役員を目指し大きなリターンを狙える可能性が高くなるというものです。
②出店数と閉店数
全体の店舗数だけでなく、直近の数年間で新しく出店した数と閉店した数を知ることは大切です。特に閉店数というのは純粋に生存率を表しますから、これが多いところに加盟するのはハイリスクということになります。また、出店数も閉店数も多いフランチャイズというのは前回お伝えした「加盟金型」に近いビジネスモデルになっている可能性があるため注意しましょう。
③黒字比率
全店舗のうちのどれくらいの店舗が黒字になっているのか、という数字です。本部の説明では「初期投資いくらで月の売上がいくらくらいです」などと説明されますが、それはうまくいっている一部の店舗の事例だったりします。逆にうまくいっていない店舗も、ビジネスモデルが悪いのではなく、単にそのオーナーやそこの店のスタッフの能力が低いだけという可能性もあります。したがって、そのフランチャイズそのものの力を測るには、平均値や比率を見ていく必要があるのです。
④業歴
そのフランチャイズ事業をどれくらいやっているか、というのも重要です。これも店舗数と同じで一概に長ければ良いということではありませんが、長いほど安定しているとは言えます。業歴が短い場合は、さらにその業態と合わせて「タピオカのように一過性のものではないのか?」と考える必要があります。
⑤法定開示書面
小売業と飲食業を対象に、チェーン本部の事業概要及び契約の主な内容などについての情報を書面開示することが定められています。サービス業の場合は義務付けられてはいませんが、自発的に書面開示しているところもあります。こちらは開示を要求して、しっかりと検討することが必要です。
古川 暁 Profile
開成高校・東京大学を卒業後、住友信託銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバにて金融マンとしてキャリアを積む。銀行員時代の2014年に仲間達とFC業界を投資という観点から研究し、準備期間を経て独立。4つのFCに加盟、6店舗運営中。FC加盟候補者として多くのFC本部と出会い、実際にFCオーナーとして会社を運営している経験を投資家、将来の起業志望者につなげる意思を持つ。フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会主宰。
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