【連載 第12回】知識ゼロでも今からできる! 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門

現役FCオーナーが教える　世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門【第12回】

フランチャイズ投資の実践編
～オーナーから有益情報を取得する「4つの質問項目」その2～

ロータス・インターナショナル　　古川 暁 社長（55）

　東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は　東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は2015年に独立。選んだ起業方法はフランチャイズだった。まったく知識のない状態からスタートした古川氏だが、現在では4つのフランチャイズに加盟し、6店舗を運営している。
　同連載では、そんな古川氏が体当たりで経験してきた情報をまとめた著書「フランチャイズ投資入門」（秀和システム）から、フランチャイズ加盟に関わるイロハを伝授してもらう。
　前回に引き続き、オーナーから有益情報を取得するために押さえておきたい「4つの質問項目～その2～」をお伝えする。

オーナーのことはオーナーが一番知っている

　前回に引き続き、オーナーから有益情報を取得するための質問項目をお伝えします。本部から聞ける情報や、自分で調べられる情報だけでFC投資をするのはリスクが大きいです。オーナーという同じ立場の相手であれば、そこに利害関係はありませんから、フラットな意見を聞くことができます。
　もし現役オーナーに会うことができたら、前回お伝えした①「儲かっているか？（収益率）」②「増店する気持ちはあるか？」に加えて、次のようなことを質問してみましょう。

③黒字オーナーは何割くらいか？
　FC本部によって異なりますが、⑴店舗毎の売上や客数が本部から各オーナーに共有されているケース⑵同じFCに加盟しているオーナー同士である程度コミュニティができていて、店舗毎の売上や販管費が共有されているケース
⑶本部としっかりした関係を構築できているオーナーの場合であれば、ある程度の内部情報が共有されているケース
の3パターンがあるでしょう。
　⑴と⑶に該当する現役オーナーと知り合うことが出来たら、そのFCグループの中で黒字オーナーが全体の何割程いるか聞いてみましょう。
　仮に正確なデータがわからなかったとしても「自分の知り合いはみんなうまくいってるよ」とか「結構苦戦してるところも多いみたいだね」といった話を聞くことができたり、もしかしたら「FC店の〇割は黒字、黒字オーナーの共通項は〇〇で、赤字オーナーの傾向は〇〇だよ」といった本当に意味のある情報が得られるかもしれません。
　この情報があったらしめたもの。自分が黒字オーナーと共通項が多いのか少ないのか、また立地要素が大きいFCであれば自分が検討している商圏物件が黒字オーナーのものと比較してどうかなど、投資決定の前に知ることができるのです。

④本部の対応は適切か？
　これもとても大切なことです。例えば、加盟前と加盟後で本部への印象が変わったかどうか、加盟前に本部の営業マンが言っていたことで加盟後に「これはおかしいな」と思ったところはなかったか。そういう部分を聞いてクリアにすれば、営業マンから聞いた情報をより分析に活かしやすくなります。よくある加盟後の本部とのトラブル事例の多くは事前に現役オーナーにこの質問をすることで回避することができます。
　また、店舗運営で起こる様々なトラブル（人材や売上不振など）に対して、本部からのサポート体制やサポート力について現役オーナーから意見をもらうことは有用です。「加盟したらあとはオーナーの自己責任と言われてます」だったり、「SVはいるけど経験値が低くあまり役に立たない」といった答えをもらうこともあるでしょう。
そしてもちろん、「本部のサポート体制やサポート力は文句なしです」という答えもあるでしょう。
　前号と合わせて現役オーナーからこれらの質問項目に回答を得られたら勝率アップまちがいなしです。

古川 暁 　Profile

開成高校・東京大学を卒業後、住友信託銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバにて金融マンとしてキャリアを積む。銀行員時代の2014年に仲間達とFC業界を投資という観点から研究し、準備期間を経て独立。4つのFCに加盟、6店舗運営中。FC加盟候補者として多くのFC本部と出会い、実際にFCオーナーとして会社を運営している経験を投資家、将来の起業志望者につなげる意思を持つ。フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会主宰。