【連載 第15回】知識ゼロでも今からできる! 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門

現役FCオーナーが教える　世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門【第15回】

フランチャイズ投資を成功させるルール～「失敗原因」を排除しよう～

ロータス・インターナショナル　　古川 暁 社長（55）

　東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は2015年に独立。選んだ起業方法はフランチャイズだった。まったく知識のない状態からスタートした古川氏だが、現在では4つのフランチャイズに加盟し、6店舗を運営している。
　同連載では、そんな古川氏が体当たりで経験してきた情報をまとめた著書「フランチャイズ投資入門」（秀和システム）から、フランチャイズ加盟に関わるイロハを伝授してもらう。
　今回は、FC運営において陥りやすい「失敗要因」について解説する。

健康問題には気をつけろ

　FCの失敗原因としてよくあるものをいくつか挙げていきます。まずは単純なリサーチ不足で、本部に営業されるがままに何の勝算もなく契約してしまうというもの。次に、オーナー側の問題としてよくあるのが「健康問題」です。事業に本気であればあるほど、無茶をして健康を害してしまいやすくなるもの。特に1店舗目の経営はどうしても自分自身の労働量が多くなりがちです。本来、入院が必要な体調だったとしても、「自分が入院してしまったら店が回らなくなってしまう」と考え、無理に働くことで、さらに病状を悪化させてしまうこともあります。

早い段階で右腕を作るのが理想

　オーナーがお金だけ出して「あとはやっておけ」というスタンスではスタッフはついてきませんが、逆に自分の負担が大きすぎると身体を壊してしまう原因になりますし、投資をして多店舗展開していくのが難しくなります。そこで理想なのが、自分の考えを理解してスタッフをコントロールしてくれる「右腕」を早い段階で育成することです。それが出来れば、自分が店に顔を出さなくても円滑に経営を進めることができますし、多店舗展開した際の経営も楽になります。私の経験上、5店舗以上を経営する場合はこの右腕がなければ難しくなってきます。自分の時間には限りがあり、すべてのお店のスタッフとコミュニケーションをとって完璧に管理することはできないからです。

今の時代は炎上も怖い

　その他の失敗要因としてあり得るのが、ネット上の炎上です。コンビニや飲食系FCのアルバイトスタッフが、店内で全裸になるなどの不適切な行為を写真や映像に残してSNSに投稿し、炎上するケースなどです。まさに愚かとしか言いようのない行動ですが、このように炎上してしまうと当然客足は遠ざかり、売り上げは激減します。自店舗については、信用できるスタッフを採用する、こまめにコミュニケーションをとって規律を整える、といった形で対応できますが、FCの場合は他オーナーの店舗が炎上してしまえば、同じ看板を下げている自分の店まで風評被害を食らってしまうことになります。せめて自分の店舗だけでも対策をしておきましょう。

レジ金の横領にも要注意

　同じようなスタッフの民度によって起こる問題が「レジ金の横領」です。アルバイトのワンオペ（スタッフ一人での営業）で回している店でよくありますが、スタッフが売上をごまかし、レジのお金を盗んでしまうのです。店舗に監視カメラがついていたとしても常に監視するわけにはいかないので、発覚まで時間がかかることが多く、その間にかなりの金額を抜かれてしまうケースも少なくありません。発覚してそのスタッフをクビにしたとしても、新しいスタッフの育成に追加でコストがかかってしまいます。ワンオペの多いビジネスモデルを採用している本部であればマニュアルがあることも多いので、必ず確認するようにしましょう。

古川 暁 　Profile

開成高校・東京大学を卒業後、住友信託銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバにて金融マンとしてキャリアを積む。銀行員時代の2014年に仲間達とFC業界を投資という観点から研究し、準備期間を経て独立。4つのFCに加盟、6店舗運営中。FC加盟候補者として多くのFC本部と出会い、実際にFCオーナーとして会社を運営している経験を投資家、将来の起業志望者につなげる意思を持つ。フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会主宰。