• HOME
  • 連載記事
  • 【連載 第1回 エンパワー編】急成長企業の本部構築法

【連載 第1回 エンパワー編】急成長企業の本部構築法

公開日:2023.08.09

最終更新日:2023.08.14

※以下はビジネスチャンス2023年2月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

強みであった3大サポート体制を廃止 加盟オーナーとSVの意識改革で売上・店舗数が大幅増加

エンパワー (東京都新宿区) 「買取 大吉」 鈴木 修平 取締役(41)

 エンパワーの鈴木修平取締役は、「おそうじ本舗」「買取専門店おたからや」とFC本部を渡り歩いてきた人物だ。本部の構築は外部コンサルタントを入れて行うことが一般的だが、鈴木氏が同社に入社して以降、同氏が主体となって本部構築の改革を実施。その結果、同社の売上高・店舗数ともに増加し、鈴木氏が入社した2年前の65億円・302店舗(20年9月末)から、直近期(22年9月末)には263億円・550店舗となった。

 

 

 

「経営者を育てる」をテーマに掲げる加盟オーナーの成功を第一の目的に

 買取大吉の現在の売上・店舗数拡大の立役者である鈴木氏は、2020年にエンパワーに入社し、当時買取大吉の大きな強みであった「3大サポート」の廃止を行った。3大サポートとは、オープン後1年に渡り、「SV常駐」「赤字補填」「収入保証」を行い、1年間は廃業するリスクがないという、加盟オーナーに対しての手厚いサポート体制だ。この3大サポートは同業他社との大きな差別化になり、加盟開発に強い効果を発揮していたという。
 しかし鈴木氏は、この3大サポートに対して「過保護にし過ぎて、加盟オーナーの成長に繋がらなかった」と話す。現在の買取大吉は、「経営者を育てる」というテーマを掲げ、サポート体制を大きく変更している。
 まず鈴木氏は、SVの常駐期間を1週間という短期間に変更。買取大吉での査定は基本的に本部で行うため、一番重要なことは接客だと考え、1週間で接客に対しての徹底的な指導を行う方針となった。また、前職のいーふらん(おたからや本部)での経験を反面教師に、加盟店に対してチラシなどの販促物を売ることをSVのノルマにすることや、インセンティブを付けるという制度も廃止に。この改革で、加盟オーナーのマインドも変わり、さらにSVのマインドにも変化があったという。
 「加盟店のサポートに対して、どうしても直営店ほどの熱が入っていませんでしたが、1週間で加盟オーナーを鍛える必要があるとSVの責任感が強くなりました。またSVに販促物のインセンティブを設定してしまうと、販売局のようになってしまい、それは加盟オーナーにとって支援でもなんでもありません。僕は本部はロイヤリティで稼ぐものだと思っているので、チラシを何部打つかは加盟オーナー自身に判断してもらい、本当に必要だと思った分にだけお金を使ってもらうようにしました」
 この大きな方針の変化は、長谷川興産(現: HITOWA ライフパートナー/おそうじ本舗本部)、いーふらんで加盟開発を一気通貫で行った経験を生かした結果だ。「良いところは真似て、悪いところは止める」という鈴木氏の考えが、現在の大吉の成長に繋がっているという。
 本部が儲けるのではなく、加盟オーナーの成功を第一の目的におき、経営者としての成長を促す方針に変更したためSVを増員した。現在、同チェーンは580店舗を展開しているが、FC店である456店舗については、SVが20人以上在籍している。改革から1年ほどかけて、強固な組織に変化してきたことを感じているという。
 「FCは未来を提供するビジネスだと考えています。僕が加盟開発を行ってきて、大成功している店舗がいくつもあります。人の人生を動かせるビジネスはFC以外にあまりない。人生を変えるきっかけになる責任の重さがあるが、その分やりがいも大きいですよね。この楽しさを覚えてからFC業界から抜け出せずにいます(笑)」

次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌

フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。

記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌

“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。

定期購読お申し込みはこちら