【連載 第3回】コチラ川口貴生のぶっちゃけ窓口

【連載 第2回】コールフォローでCVを最大化

シェアリングテクノロジー株式会社ソリューション事業部　事業責任者 川口 貴生（43）

　「フランチャイズの窓口」は、2017年からシェアリングテクノロジーが運営するFC情報サイトだ。専門アドバイザーとしてコールスタッフが配置されていることが特長だという。同サイトの事業責任者である川口貴生氏は、2021年に同社に入社し、この3年間で掲載件数を3倍にした実績を持つ。本連載では、数多くのFC本部と関わってきた同氏にメディア運営者ならではの視点から、FC加盟検討者に客観的かつ俯瞰的な情報を提供していただく。

飲食業は単一商材が人気傾向

　第3回となる今回は、FCビジネスのトレンドと動向についてお伝えします。
まず、目立つトレンドとして、コロナを経て店舗型・テイクアウト型の飲食業が戻りつつあることが挙げられます。コロナ禍ではキッチンカー業態が流行っていたのですが、現在は店舗型・テイクアウト型のモデルがほとんどです。キッチンカーはコロナ禍では画期的な形態でしたが、外食が戻ってきたことで、より収益率の高い店舗型にトレンドはシフトしています。
　特に注目を浴びているのが「鰻」や「おにぎり」などの単一業態です。その理由として、日本古来の商材である点と、オペレーションが簡単なことが挙げられます。
　その一方で、韓国スイーツなどの目新しい商材はトレンドから外れています。奇抜な商材への投資は賭けの要素かが大きいのです。飲食業では、日本人がイメージしやすく万人受けするビジネスが流行している印象です。
　続いて、個人的に注目している3つのサービス業の動向をお伝えします。1つ目は、塾業態です。最近では、学習塾に加盟希望している人は多くないです。その理由としては、加盟側にとって教育業はハードルの高さを感じやすいのではないかと考えています。加えて、従来の個別指導の学習形式が時代に即していないように思います。しかし塾業態の本部は増えています。中には、講師としてアルバイトをしている学生をターゲットに、低投資で開始できるような、斬新な視点から運営している本部もあります。
　2つ目は、介護・福祉業です。介護・福祉業は安定している印象で、最近では就労継続支援 B型事業所の本部数が急増しています。数年前までは圧倒的に A型事業所の方が多かったのですが、B型の参入障壁が低いこともあり、現在は逆転している状況です。また6月の報酬改定の影響で、「放課後等デイサービス」といわれる児童発達支援事業のブランドが増加しています。供給よりも需要が大きいブルーオーシャン市場ですし、報酬条件が向上したことで、加盟開発にブーストがかかっている印象です。
　3つ目が美容サロン業態です。ホワイトニングやネイル、ヘッドスパなどのサロン系は伸び悩んでいる印象です。本部数が非常に増えていて、競争率が高いです。全体的に加盟開発が難しく、トレンドに乗りづらいジャンルだと感じています。
　また、以前から一定のニーズがあるのは、リフォームや原状回復などの一人開業が可能な生業型のパッケージです。最近ではファミリーマートさんが「ひとり加盟制度」をパッケージとして打ち出しているように、ニーズのある生業型を意識している本部も多いような気がします。生業業で安定的な事業がしたい人がいる一方、一気に収益を上げたい人もおり、そのような視点でも加盟ブランドの選択方法は分かれます。一気に収益を上げたい人は、特に買取業を検討している印象があります。
　

PROFILE　かわぐち・たかお
　大阪にて求人媒体の飛び込み営業や、デジタルマーケティング会社（SEO対策・デジタル広告運用・WEB制作・分析／解析）にてシニアコンサルタントとして従事。前職では、入社3年でTOPセールスにまで駆け上がり、3年前に名古屋のシェアリングテクノロジー株式会社に転向。「フランチャイズの窓口」の事業責任者として入社し、現在4年目。

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