【連載 第6回】コンサルとジーの両面から見るFC業界二「答」流

初期投資と回収期間・黒字化・収益性【第6回】

ディライトジャパン 川上 健一郎社長（46）

　コンサルティング事業を行いながら、FCオーナーとして加盟もする川上 健一郎氏による、フランチャイズ二「答」流の秘訣。選ばれる本部はどんな本部なのか？　本部・加盟店共に成功するための条件とは？

みなさんこんにちは！
　インバウンドも一時期から見るとかなり回復してきましたね。街を見ると海外からの旅行客もだいぶん見かけるようになってきました。飲食関係など随分戻ってきている業態もあるようですね。
　さて今回は、皆さんがFCを考える際に必ず検討するポイントである「初期投資とその回収期間」「単月黒字化までの期間」「収益性」の部分についてお話をしようと思います。これは私がFC本部にコンサルタントとして関わる場合でも、FCに加盟を検討する際にも必ずチェックするポイントです。

FCを考える前の検討3ポイント

①初期投資額と回収期間
　どの層を加盟ターゲットにするかで随分変わると思いますが、ある程度の出店スピードで展開を考えると一般的に開業資金は2500万円くらいまでと、私が対応する本部さんにはお伝えしています。
　これだけトレンドの移り変わりが激しい時代ですので、回収期間はできれば2年以内、長くても3年くらいにしたいですね。複数店舗を展開するにしても、非常に大切なポイントです。ちなみに、私は回収にそれ以上かかりそうな業態には手を出さないようにしています。　また加盟される方は、業態を比較されるよりも、初期投資額で可能な業態の中から選択される方が多いのが一般的です。同じくらいの初期投資額の業態と比較されて、自社の初期投資の回収期間は競争優位性があるかどうかはぜひチェックしていただければと思います。

②単月黒字化までの期間
　単月で黒字化できるまでの期間に関してお話しします。これが問題になりやすいのは介護系やフィットネス関係のようなストック型の会員ビジネスの場合が多いかと思います。
　会員ビジネスの場合、どうしても会員がストックされるまでは赤字が続きます。そのため最初の6か月は赤字でも大丈夫なよう資金調達を実施したりして準備するわけですが、将来的に複数展開するのはなかなか大変だと思います。フィットネスなら回数券やダイエットプログラムのような単発で売り上げが作れるサービスと掛け合わせ、できれば3か月くらいで単月黒字化が可能な業態を見つけていただければと思います。
　ただ、単発のサービスだけでのビジネスはなかなか安定的に継続するのは厳しいかと思います。その場合は、いかにして定期的な売上を上げるかがポイントになりますね。

③収益性
　続いて収益性についてです。一般的に本部が提示しているシミュレーションで一番細かく質問するのはここです。
　この売上はどうやって作ったのか？　成功要因は何か？
　人がこのレベルまで育つにはどのくらいの期間がかかるか？　それは本部だからできることなのか？
　経費はこれ以上削れるところはないのか？
など様々なことを想定して確認します。
　ただ、ここで言えることは、本部は直営で成功したビジネスモデルを展開されているというのが大前提です。法人で加盟する場合、一般的に利益率が15％以上、利益額は60万円以上/月くらいが多いかと思います。ここでは、必ず直営でその収益性が確認できるか？　また先輩加盟店の状況は？　などの確認が必要です。
　皆さんがこれからFCビジネスに加盟する際に必ず確認して欲しいポイントでもあるので、ぜひ参考にしていただければと思います。

Profile　かわかみ・けんいちろう

1976年3月生まれ、 福岡県出身。久留米大学卒業後、光通信グループ、家業の造船業をへて長谷川興産（株）入社。加盟店開発での営業経験を積んだ後、開発部門の責任者を勤め、2009年8月にFCコンサルティングを専門としてディライトジャパン創業。現在は上記のコンサルティング以外に金沢屋8エリア、家工房3エリア、芝本舗1エリア、障害者就労継続支援A型、グループホーム、EC事業など多岐にわたる事業を展開している。