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【連載 第11回】~市場を押さえたパッケージづくり~南部の兵法

公開日:2024.08.15

最終更新日:2024.08.15

※以下はビジネスチャンス2024年8月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

チェーンが広がる仕組みづくり 研修編【第11回】

ディーセント・スタイル 南部 晃舗 社長(47)

 フランチャイズ業界で本部構築・開発のコンサルティング事業を展開するディーセント・スタイルの南部晃舗社長。手掛けた企業は飲食、リサイクル、フィットネス、小売、福祉、教育など70社を超える。「売れる」業態とは何か、強い本部作りについて解説する。

 今回からチェーンを広げるための仕組みについて、数回に分けてお伝えしていきます。より早く、継続的に加盟開発を行うには営業力だけでなく、運営本部の中に広げるための仕組みを持つ必要があります。
 ポイントは①商品②研修体制③目的意識・コミュニケーション④オファーの4つです。①商品は、第8回でも解説をした商品開発のことです。商品力=業態力の強い商品を開発することは、チェーン拡大の重要なポイントですのでおさらいしていただければと思います。

研修の質が初動を左右する

 ②研修体制には、研修終了時の品質担保と、研修受講のための環境整備が必要です。
 開業前研修の質はチェーンうん円に大きな影響を与えます。「決められたカリキュラムを一通り受けると開業できてしまう」「オーナーの要請により本来の期間を短縮して終わらせてしまう」といったことは研修の質が低いといえます。実際に必要となる知識や技術経験を全て得ることができないと、開業後にサービスの質を担保できません。
 実際の流れに沿って考えてみましょう。まず、開業直後から分からないことや対応できないことが頻発します。そこで、担当SVによるフォローや再研修が実施されることでしょう。開業直後のオペレーションが回らないことにより、初動売上は低迷し、顧客満足度も低下します。その結果、投資回収期間は長期化し、キャッシュフローが悪化。オーナーのモチベーションは下がり、本部へのロイヤリティも低下していきます。
 本部運営では、開業直後から SV担当者がオペレーションフォローや再教育を実施することで、本部に無駄な人件費コストが発生します。初動売上が低いことで、ロイヤリティ収入も下がります。また、フォロー業務が増えることにより他の加盟店へのフォロー品質が低下するため、他の加盟店オーナーからの満足度も下がっていきます。
 このようなことが発生しないためにも、研修終了時の品質を担保する仕組みをしっかり入れるようにしましょう。
 例えば、必要な知識技術経験を網羅する試験の導入、研修受講および卒業に関する条項を加盟契約書に明記するといったことが考えられます。

環境整備は積極的に

 研修期間についてお考慮も必要です。一般に短期が好かれますが、そのせいで、本部の SVサポートが重くなるケースを挙げました。一方で、長期の研修で終了時のレベルを高くしようとすると、加盟開発のハードルになり得ます。いつでも・どこでも・何度でも研修を受講できる環境整備が重要です。Eラーニングシステムなどを活用し、動画研修コンテンツ、動画マニュアル、最新ノウハウの共有などを行いましょう。加盟店と本部双方の負担を増やさないためにも、これらシステムを積極的に導入していただきたいと思います。

 

Profile なんぶ・あきお
愛知県名古屋市出身。1977年生まれ。明治大学商学部卒業後、日系コンサルティングファームにて、飲食・サービス・小売など様々な業界の診断・改善コンサルティングに従事した後、2004年独立。2社設立・売却を行った後、2008年に株式会社ディーセント・スタイルを設立し、家系ラーメン「町田商店」や800拠点を超えるデイサービス業態などの本部構築をはじめ、飲食・サービス・小売・福祉など上場企業を含めた様々な業界・業態に対するチェーン本部支援を行なっている。

 

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