【連載 第2回】ハイジと学ぶ 脱毛業界のトリセツ

第2回　脱毛手法の種類とメリット・デメリット

ハイジ（東京都中央区） 斎藤 一誠社長（35）

　脱毛業界の二大勢力だった、脱毛サロンと医療機関。大手脱毛サロンチェーンは、高額ローン契約やずさんな経営体制から消費者が離れ、現在は、医療機関による脱毛施術が人気を集める。そんな中、セルフ型サロンや家庭用脱毛器が登場。脱毛業界の勢力図が大きく変わろうとしている。シンプルな利用スタイルで店舗数を伸ばすセルフ脱毛サロン「ハイジ」代表の斎藤一誠氏が、脱毛業界を徹底解説する。

　前回、脱毛業界は手法により①医療脱毛②美容脱毛③セルフ脱毛サロン④家庭用脱毛器の4つに大別されるとお伝えしました。今回は、それぞれの手法で使用されている機器やそのメリット・デメリットをお伝えします。

人気はレーザー、美肌なら光

　まず、①医療用レーザーは、現在、脱毛業界で人気を集めているものです。メリットはレーザーがピンポイントに毛根の深部まで届くため、早く効果が出やすい点。施術回数が少なく終わります。一方、デメリットは非常に強いパワーを持つ故に、ダメージを与えやすく、肌トラブルを起こすリスクがある点です。施術時に痛みを感じることもあります。さらに、次回予約まで2、3か月空けることや医師や看護師でないと取り扱えないといった制約があります。また、高額な費用がかかる傾向があり、気軽さに欠けます。
　②美容脱毛は、光脱毛と呼ばれる機械が使用されます。メリットはレーザーに比べて痛みを感じにくく、美肌効果のある光の波長も同時に出力できる点。一回の照射範囲も広く設定できます。赤みが出やすく、肌荒れしがちな人には、医療用脱毛よりもおすすめです。デメリットは医療脱毛よりも出力パワーが弱く、効果が出にくい点です。また、チェーン店と個人店で使っている機械やセラピストの能力に差が出やすい点が挙げられます。
　大手チェーンのメリットは、何と言っても店舗数の多さです。デメリットは店舗数が多くなるほどプロのセラピストを雇うのが難しくなることで、知識の少ないアルバイトが機械を扱うこともあります。個人店のメリットは、美容脱毛でありながら、技術と経験により医療脱毛並みの効果を出せる店舗がある点。デメリットはそういったプロがいる店を選びにくい点です。最も当たりはずれを感じやすい業態と言えます。
　③セルフ脱毛サロンは、②から派生して誕生した利用者自身が施術を行うセルフ型サロンです。受付スタッフのいる有人店と完全無人店があります。
　メリットは美容脱毛と同等スペックの業務用脱毛器を使用するので効果も同等な点。人件費など不要なものをカットしている為、安価で予約が取りやすいと言えるでしょう。また、他人に見られる恥ずかしさもありません。デメリットは、自分で施術するのに手間がかかること、背中など自分の手で届かないところがあることです。ただ、店舗によってはペア利用が可能なので、信頼のおける相手と施術をすることも出来ます。　
　④家庭用脱毛器のメリットは自宅で施術できる手軽さと安さ。デメリットは家電なのでパワーが弱く、照射面積が小さく冷却もできない点。連射も出来ないので、全身施術するとなると長時間必要になります。
　これら4つの業態の特徴を理解して、自分のライフスタイルに合った脱毛方法を選んでいただきたいと思います。一つ、注意するべき点は高額ローンを組まないということです。悪徳業者には注意してください。

Profile　 斎藤 一誠
埼玉県出身。獨協大学英語学科卒業後、株式会社レバレッジ入社。2018年セルフ脱毛サロンハイジを創業し、2020年に株式会社ハイジを設立。【脱毛業界改革】を掲げ、脱毛業界の健全化に尽力している。