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【連載 第4回】ハイジと学ぶ 脱毛業界のトリセツ

公開日:2023.10.07

最終更新日:2023.10.07

※以下はビジネスチャンス2023年8月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

第4回 脱毛業界が伸びる社会的背景

ハイジ(東京都中央区) 斎藤 一誠社長(35)

 脱毛業界の二大勢力だった、脱毛サロンと医療機関。大手脱毛サロンチェーンは、高額ローン契約やずさんな経営体制から消費者が離れ、現在は、医療機関による脱毛施術が人気を集める。そんな中、セルフ型サロンや家庭用脱毛器が登場。脱毛業界の勢力図が大きく変わろうとしている。シンプルな利用スタイルで店舗数を伸ばすセルフ脱毛サロン「ハイジ」代表の斎藤一誠氏が、脱毛業界を徹底解説する。

 

 

 ハイジ1号店を出店したのは2019年の春頃でしたが、その当時はまだセルフ脱毛を展開しているサロンは1社のみでした。しかし2020年頃からセルフ脱毛サロンが加速度的に増え始め、現在もその勢いは止まっていません。これだけセルフ脱毛が急拡大したのは、コロナ禍が追い風となったことと、それだけセルフ脱毛のメリットが大きいことが理由だと考えています。

セルフでコストが6分の1に

 まずセルフ業態のメリットは、人件費を圧倒的に削減でき提供価格に還元できることです。また、集客のために一等地の物件を借りている従来型の大手サロンやクリニックと競合せず、ネット集客がしやすいので立地もそこまでこだわる必要がありません。そのため賃料も安く済み、提供価格に還元ができます。
 たとえば従来型のサロンやクリニックで3〜5年かけ30万〜50万円かかる全身脱毛も、通い放題のハイジなら同等の回数を1年で施術可能です。月額5000円のキャンペーンを利用すれば年間6万円。つまりセルフ脱毛なら約6分の1のコストに抑えることができるのです(会社やプランにより異なります)。
 そしてセルフ業態であるがゆえ、営業時間の制限がなくなり予約枠が増えます。その結果、予約も取りやすくなり、通える頻度が増えることで通う期間を大きく短縮できます。
 またセルフ業態が根強い人気を誇る理由として、セラピストに施術されず、恥ずかしい思いをしないという点があります。脱毛業界の一番の課題は、その〝恥ずかしい〞という心理的負担にありました。しかしセルフ業態にすることで、その課題を取り払うことができ、誰もが利用しやすくなります。
 私が知る限り、業界で初めてセルフ脱毛を展開したのはキングスサロンさんでした。ただし、同社は有人サロンのため、受付にはスタッフが常駐しています。完全な無人業態でセルフ脱毛を始めたのは、把握している範囲では当社が初めてです。
 ハイジを含めてセルフ脱毛サロンが世の中に出始めたちょうどその頃、スーパーなどでセルフレジの導入が増え始めていました。またセルフ脱毛より前に、セルフエステも世の中に登場しており、時代の流れもセルフ化に進んでいたのです。
 ハイジでは出店前からSEO対策に力を入れ、2019年のオープン当初から順調に集客ができました。2020年にコロナ禍となり、4、5月はさすがに落ち込みましたが、緊急事態宣言が明けると需要が爆発したのか、7、8月は最高売上、最高集客数となりました。ハイジの出店が一気に増えたのも2020年で、それ以降も数値はずっと上向きです。
 セルフ脱毛のニーズの高まりが知られたためか、2020年から翌年にかけてセルフ脱毛サロンの数が一気に増え、未だに増え続けています。最近では、ジムだけどセルフ脱毛を扱うチョコザップさんが急拡大しており、そのお陰でセルフ脱毛の認知度がさらに上がっている状態です。これは業界にとって革命的なことで、今年、来年でセルフ脱毛にまた新たな波が来るように感じています。

Profile  斎藤 一誠
埼玉県出身。獨協大学英語学科卒業後、株式会社レバレッジ入社。2018年セルフ脱毛サロンハイジを創業し、2020年に株式会社ハイジを設立。【脱毛業界改革】を掲げ、脱毛業界の健全化に尽力している。

 

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