【連載 第2回】健全で強い本部の作り方
公開日:2023.05.09
最終更新日:2023.05.25
※以下はビジネスチャンス2022 年8月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
フランチャイズオーガナイザー佐々木翔が直々レクチャー!【第2回】
「フランチャイズオーガナイザー」としてFC本部構築のトータルサポートを行うフリグマの佐々木翔社長は、前職のFC本部で「3年間・100店舗」の出店を牽引した実践型コンサルタントだ。同氏が目指すのは優秀なFC本部の育成だが、その先には業界の健全化も見据えている。本連載では佐々木氏がこれまで培ってきたFC本部としての在り方、また急成長のために必要なポイントについて、大いに語っていただく。
直営店の繁盛がFC化の前提
伝えしていきたいと思います。
まず初めに、FC本部を立ち上げ、拡大するには何から着手すべきでしょうか。それは、「FC展開のスタートラインに立っているか」を見極めることです。
大前提として、直営店(店舗型で無ければ直営事業)が存在し、繁盛しているという要素が必須です。昨今はFCという言葉が一人歩きし、FC化を前提としたビジネススキームを構築するケースも少なくありません。
それ自体は決して悪いことではないものの、本来は店舗を開業して「地域で一番のお店にする!」と情熱を注いで創意工夫をし、結果として繁盛店になった時に初めてFC展開を思案するのが基本です。
理想的なのは、そのお店のお客様や知人から、「このお店を私にも運営させて貰えないか」と声が掛かることです。運営しているお店や事業が魅力的であれば、必然的にこのオファーは生まれるものです。いずれにせよ、直営店が繁盛していることがFC展開のスタートラインとなります。
社長の適性が良質か否かを左右
そしてもう1つ、FC展開のスタートラインに立っているかを見極める判断軸があります。それは、「社長がFC本部の社長に向いているか」というポイントです。
FC本部の社長は、「自社の売上のためにチェーン展開したい」「自社の社員のことだけを大事にする」という思考の方では務まらないでしょう。
FC本部の社長に向いていると言えるのは、自社の利益は二の次で、「加盟店オーナーを成功させたい」「多数の加盟店オーナーに売上をもたらしたい」ということを打算ではなく、素で掲げられる方です。
なぜなら、FC本部の社長としての適性がある方であれば、真剣に加盟店のことを考えて、コミュニケーションを深めるため、自然と加盟店オーナーとの輪ができます。本部と加盟店の垣根を越え、一緒に目の前のブランドの発展やお客様を1人でも多く増やすための仕掛けを思案します。そのプロセスで自然と絆が生まれ、本部社長の情熱が加盟店オーナーに伝染し、大多数の加盟店が及第点以上の数字を作ることができるという、良質なFCチェーンへと昇華することができるからです。
では直営店が繁盛していて、FC本部の社長としての適性があればFC展開を開始してよいのかと問われれば、答えはまだ「ノー」です。なぜなら、拡大を見越せない事業であればそこに加盟するオーナーの数年後の状況を想像した時に、FC展開をするべきではないと考えられるからです。
FC展開を開始するには、「FCの力を正しく駆使すれば、拡大を見越せる要件が揃っているか」という観点で必ず考査する必要があるのです。
Profile ささき・しょう
某FC本部に在籍し、SVやオーナーコンサルチーム責任者として加盟店継続率96%を実現。その後、コンサルティングファームを経て、2017年にリユースショップWAKABAのFC本部を立ち上げた。加盟開発/店舗開発/SV/融資/法務など、全てのFC本部機能をオーガナイズし、加盟募集開始から3年で100店舗、4年で150店舗展開を達成。2021年に株式会社フリグマを設立し、3年で100店舗達成をコミットするFCオーガナイズサービスを世の中に提供するべく活動している。
加盟募集開始から3年で100店舗を実現した確かな実績とノウハウでFC本部をサポート。
株式会社フリグマ
https://flegma.jp/
FCオーガナイザーのブログ
https://www.shosasakifranchisor.com/
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