【連載 第8回】健全で強い本部の作り方

公開日:2023.10.25

最終更新日:2023.11.04

※以下はビジネスチャンス2023年8月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

フランチャイズオーガナイザー佐々木翔が直々レクチャー!【第8回】

株式会社フリグマ 代表取締役社長 フランチャイズオーガナイザー 佐々木 翔 社長(41)

 「フランチャイズオーガナイザー」としてFC本部構築のトータルサポートを行うフリグマの佐々木翔社長は、前職のFC本部で「3年間・100店舗」の出店を牽引した実践型コンサルタントだ。同氏が目指すのは優秀なFC本部の育成だが、その先には業界の健全化も見据えている。本連載では佐々木氏がこれまで培ってきた「時流に沿った本部構築方法や運営の在り方」を、実際の手順を踏みながら語っていただく。

 

 

 

 

加盟金の設定方法と意義

 前回は「本部メンバーに対して理念に基づいた行動指針」を定める必要性を説きました。行動指針を定め、本部カルチャーの基盤が構築できたら、次に本部として加盟者に提示する「各種プライシング」に着手していきます。今回は加盟金について触れていきます。
 まず、私が本部として加盟者へのプライシングを実施する際の価値観は、本部メンバーが社外との相対時、「一点の曇りもなくプライシングの根拠を示す事が出来るようにしたい」というものです。例えば、本部メンバーが目の前の加盟金に対して「ちょっと割高だ」と感じてしまうようでは、当然の如く加盟検討者もそう捉えるでしょうし、加盟を躊躇してしまうのは想像に容易いですよね。しかし、実際は殆どの本部が先述のような状況で、「本部メンバーが加盟金の根拠や内訳を発信できているほうがマイノリティ」というのが実態です。
 加盟検討者は、個人であれば時に人生を懸けて加盟先を選定したり、法人であれば社運を懸けて加盟先を選定するという︑緊迫したシチュエーションも頻繁です。加盟金プライシングの理由を尋ねられて曖昧な回答では、真剣に本部を運営する事を放棄しているように捉えられても仕方ありません。他にも要素が幾つかありますが、いずれにせよ、加盟募集開始前に加盟金の設定について項目をピックアップし、その項目ごとで根拠と共に金額を定め、その合計額として加盟金を設定する事を推奨します。
 これらを踏まえて、今回は私の方法論における加盟金設定手順の一部を紹介します。まず、加盟金の内訳として対価項目の大分類を挙げます。
・屋号名称使用権
・商標使用権
・フランチャイズ加盟権
・テリトリー権
・事業開発/フランチャイズモデル開発の対価
・マニュアル利用の対価
・開店に伴う宣伝の企画及び手配の対価
・研修の対価
このあたりが主な性質でしょう。
 プライシングについては、比較的容易に判断が付きやすい「研修の対価」から定める事を推奨します。「研修を担う人員の1日あたりの人件費+諸経費×研修日数」で研修対価を定めます。続いて順々に記していきたいところですが、ここでは割愛とさせていただきます。興味津々だという本部関係者の皆様は、ぜひ弊社までオーガナイズのオファーをお待ちしております(笑)。
 少しだけ要素に触れておきますと、日本のフランチャイズには約年の歴史があり、大概どの業種業態でも既存や類似のフランチャイズチェーンは存在しますので、相場を度外視するわけにはいかないという事です。
 当連載では本部構築の流れを順々に書いているため、これから本部を立ち上げるシーンを想定して記しています。一方で、既に多数の加盟店を抱えている本部企業におかれましても、これをキッカケに内訳と根拠をもとに加盟金の設定を再考いただけたら、フランチャイズ業界健全化を願う者として望外の喜びです。
 次回はロイヤリティについて触れたいと思います。

Profile ささき・しょう
 某FC本部に在籍し、SVやオーナーコンサルチーム責任者として加盟店継続率96%を実現。その後、コンサルティングファームを経て、2017年にリユースショップWAKABAのFC本部を立ち上げた。加盟開発/店舗開発/SV/融資/法務など、全てのFC本部機能をオーガナイズし、加盟募集開始から3年で100店舗、4年で150店舗展開を達成。2021年に株式会社フリグマを設立し、3年で100店舗達成をコミットするFCオーガナイズサービスを世の中に提供するべく活動している。

加盟募集開始から3年で100店舗を実現した確かな実績とノウハウでFC本部をサポート。

株式会社フリグマ
https://flegma.jp/

FCオーガナイザーのブログ
https://www.shosasakifranchisor.com/

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