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【連載 第1回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛 

公開日:2023.09.11

最終更新日:2023.09.11

※以下はビジネスチャンス2023年6月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

店舗物件の不動産市況

店舗情報サービス (東京都中央区) 繁友 健志 社長(40)

 FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載が始まる。

 

 

 

 

賃料相場やオーナーに変化、出店は今がチャンス

 店舗情報サービスの繁友(しげとも)と申します。
 当社はこれまで大手チェーンの出店支援だけではなく、契約期間内の賃料減額交渉や修繕依頼、退店業務などを中心に事業をしてきました。新興フランチャイズの出店を支援する機会は昨年から増えています。FC本部の代表者と意見交換したり、フランチャイジーの出店へのお悩みを聞いたりする内に、情報の発信を始めました。
 この連載を通して、店舗物件の不動産契約に関する情報を提供できれば、より円滑により良い経済条件で出店できるはずです。多くのFC本部およびフランチャイジーの出店速度が上がり、双方の成長に貢献できれば幸いです。

出店中止と撤退の続いたコロナ禍

 第1回目は「店舗物件の不動産市況」についてお伝えします。
 店舗物件に関する不動産市況を話すうえで、新型コロナの影響は切っても切れない関係にあります。新型コロナは、店舗の閉店にとどまらず、近年の大手チェーンの出店戦略にも影響を及ぼしました。
 2020年の2月頃、多くの大手チェーンは新規出店の店舗開発業務を止めました。また緊急事態宣言時には、既存店舗の貸主に対して一斉に賃料減額を要望すると同時に、賃料が高くインバウンドを対象にした駅前や繁華街の物件からは撤退を進めました。これは3年が経過した現在でも、銀座や新宿、また心斎橋や京都、博多などの主要ターミナル駅の一等地の路面店でも空物件が目立つほどのインパクトを残しました。

大手のロードサイド展開と新戦略

 2019年までの店舗物件は、大手チェーンの出店ラッシュにより物件オーナーも強気一辺倒でした。コロナではこの姿勢に変化が起こり、不動産バブルが弾けた様相でした。
 駅前や繁華街から撤退し、比較的コロナの影響が少ないロードサイドに出店戦略を切り替えるチェーンもありました。
 マクドナルドは駅前店舗よりもロードサイド店舗に投資を進め、ドライブスルーに対応できるように店舗の建て替えを実施。新たに「パーク&ゴー」という、駐車場に停車して商品を購入できるサービスを展開しています。これは従来のドライブスルーのレーンに並ぶ必要がないものです。
 またドラッグストア業界では、ロードサイドに大型店を展開するコスモスが業界トップ(ホールディングス企業を除く)に躍り出たことも、コロナ渦による変化の一つでしょう。
 今後のコロナ終息化をにらみ、大手チェーンは出店を再開しています。店舗物件はコロナ前より多くの空き物件があり、賃料相場も下がり、物件オーナーも柔軟に経済条件の変更を受け入れる姿勢に変化しました。これから出店を進める企業にとってはまさしく今がチャンスなのです。
 次回は出店を行ううえでまず考えなければならない、「出店基準の設定」についてお話ししたいと思います。

今月の一句

FC で 出店ラッシュの 夜明けかな

Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。

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