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【連載 第8回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛 

公開日:2024.08.02

最終更新日:2024.09.25

※以下はビジネスチャンス2024年8月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

店舗経営のカギは貸主との良好な関係性 思わぬ落とし穴に注意しトラブル回避

店舗情報サービス (東京都中央区) 繁友 健志 社長(40)

 FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載だ。

 

 

 

 

契約期間中の注意点

 オープンしてからエアコンの不足により増設する場合や、個室を作るために造作工事を行う場合は、事前に貸主に許可を取りましょう。借りたからといって勝手に工事して良いものではありません。
 また、業態を変更することもあるでしょう。その際、契約上必ず貸主に書面を提出し、事前に許可を取る必要があります。覚書を締結することもあります。なぜなら、店舗物件を借りる時には、必ず「○○をする為に借りる」と業態を契約書に記載するからです。
 これらのように、工事や業態変更(用途変更)を無許可で行うとトラブルの元になり、貸主との円満な関係性は構築できません。知り合いなどに転貸などはもってのほかです。契約解除を申し立てられたら対抗できませんので、注意してください。
 ここまで大げさなことではなくても、借りている店舗物件は丁寧に使用しましょう。店舗の中だけではなく、店前のゴミの状況も貸主は見ています。上下階のテナントや貸主から指摘やクレームを受けた場合は、常識の範囲内であれば即対応するようにしましょう。もし、共有部である階段に備品を置く、騒音やゴミ、お客様の無断駐車など、問題解決が難しいことがあっても対応している姿勢を見せることが大切です。また、水漏れや定期消防点検など、現場の対応が必要な場合があるため、事前に貸主や管理会社へ店舗の誰宛に連絡するかを伝えておきましょう。店長が変わることがあれば、電話でも構わないので一言挨拶をしておくと丁寧です。

契約期間中の修繕について

 契約書の工事区分によって、テナント負担か貸主負担かが決められています。躯体に関することや残置のものは貸主負担であることが多いですが、貸主負担で修繕することが当たり前だと決めつけずに話し合いをしましょう。貸主負担の代表例としては、共有部のトイレ、雨漏り、駐車場の陥没、白線引き、浄化槽の部品交換、袖看板が落ちそう、外壁などが挙げられます。
「貸主があっての物件であり、物件があっての店舗」です。円満な関係性を維持することで、契約期間中に貸主に対する修繕依頼や賃料減額交渉がしやすくなります。また、撤退時の対応にも違いがでます。不動産に関するリスクを減らして、貴社の店舗が末永く繁盛する土台を作りましょう。

今月の一句

知らぬ間に 閉店リスクが 不動産

Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。

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