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【連載 第12回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛 

公開日:2025.03.26

最終更新日:2025.03.31

※以下はビジネスチャンス2025年4月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

自社の魅力や地域への貢献性のアピールが肝 貸主審査をクリアする要点

店舗情報サービス (東京都中央区) 繁友 健志 社長(41)

 FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載だ。

 

 

 

 

難関は「貸主審査」

 店舗物件における審査には、「保証会社の審査」と「貸主審査」があります。今回は、これら2つの審査と審査に通るためのポイントについてお伝えします。
 保証会社は、家賃滞納があった際、貸主に対する保証を行います。保証会社の審査は各企業の基準で実施されており、通常、信用情報に問題が無ければ審査に通ることがほとんどです。保証会社には、審査の厳しい会社から緩い会社まで数多くあるので、もし審査に落ちてしまった場合は、比較的審査が緩い別の保証会社に再度審査を依頼しましょう。
 しかし、保証会社の審査よりも難しいのが、「貸主審査」です。貸主審査は保証会社のような明確な基準がなく、貸主の好みや主観で決まることが多いと言われており、貸主が少しでも貸すことに不安を感じると借りれないことがあります。自社に合う良い物件にめぐり逢えたら、申込みを断られないよう事前に準備しておくことが重要です。

事前準備のポイント

 貸主に自社の魅力や信用力をプレゼンテーションをするイメージで準備を行うと良いでしょう。貸主への申し込みの際には、不動産会社から指定された申込用紙と会社謄本、代表者の身分証明書を提出しますが、それだけでは必要最低限の情報しか貸主に提供していません。最低でも次の項目を記載した事業紹介資料を準備して、貸主に「大事な物件を貸したい!」と思わせましょう。

1.会社概要
2.代表者の紹介
3.ブランド(業態)概要
4.商品(サービス)紹介
5.既存店の売り上げ実績
6.3年分の収支計画書
7.既存店の写真やイメージ画像
8.SNSアカウントやメディアに取り上げられた実績
9.貸主の懸念点(クレームになりうること)の対応策
10.その土地や地域住民へ自社サービスを届けたいという想い
11.末永く貸主と共存共栄を目指す意思

 1と2は借主名義の法人情報を記載してください。フランチャイジーであれば、3~8はFC本部からの加盟説明資料の写しで問題ないことがほとんどです。9は騒音や匂い、駐車問題など貸主や近隣からクレームが来そうなことを記載し、対策を講じている旨を記載してください。10と11は、店舗を通じて地域に貢献し、末永く地域に愛されるために、一生懸命店舗運営をすることが表現できていれば問題ないでしょう。
 このような資料を申込書と別紙で提出することで、貸主審査に落ちる可能性を下げることができます。大手チェーンの店舗開発部は当たり前にこのような資料を貸主に提出しています。マネをすれば貸主審査に通りやすく、条件交渉もスムーズになるでしょう。

今月の一句

審査落ち 物件良しでも 与信悪し

Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。

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