• HOME
  • 連載記事
  • 【連載 第4回】飲食未経験の僕が3等立地で鰻屋をはじめて20カ月で150店舗・月商4.6億円のチェーンをつくるまで

【連載 第4回】飲食未経験の僕が3等立地で鰻屋をはじめて20カ月で150店舗・月商4.6億円のチェーンをつくるまで

公開日:2024.07.17

最終更新日:2024.07.17

※以下はビジネスチャンス2024年8月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

第4回 初めての繁忙期到来

 わずか1年8カ月前、横浜の郊外三等立地に出店した「鰻の成瀬」。一介の鰻店はFC展開すると瞬く間に店舗数を伸ばし、直近では150店舗を突破した。この店舗を作ったのは、著名な外食経営者でもなければ、有力FC本部経営者でもない。本稿では、フランチャイズビジネスインキュベーションの山本昌弘社長が手探りで始めたFC本部経営の道のりを辿り、フランチャイズドリーム実現までの軌跡を追った。

リスクを最小限に抑えた運営が功を奏する

 FC展開開始から3カ月経った2023年5月末時点で、FC店は6店舗になり、グループ月商は2000万円ほどでした。本部としてなんとしても成功させたいのは、7月に迎える初めての土用の丑の日。どれほど需要があるのか全く想像もつか状況でしたが、広報チームと連携してコツコツとSNS等で情報発信を重ねました。その結果、2023年5月に日本経済新聞地域版で取材を受けたことがきっかけとなり、4つのテレビ番組で「鰻の成瀬」を取り上げていただきました。メディアの効果もあり、新規にオープンした店舗の売上も上々で、6月中にさらに2店舗、7月15日までにもう3店舗オープンしました。
 初めての繁忙期に向けて広報活動は順調でしたが、店舗のオペレーション対策は急務でした。長時間お待たせしたらお客様の満足度を下げてしまうかもしれない。年に1度しか鰻を食べない方にとっては、一つの小さなミスが大きなトラブルになるかもしれない。とにかくリスクを最小限に抑えるため、「事前申し込み制」「テイクアウトのみ」で運営することに決定しました。
 丑の日の前日は、全店で営業後から夜中まで仕込み作業を行い、翌朝当日も注文時間に遅れないようスタッフはフル稼働でうな重を作り続けました。最後のお客様へ提供するまで、スタッフ全員楽しんで営業することを心がけました。おかげさまで7月は12店舗でグループ月商1億円を達成。さらに、丑の日が終わっても継続的にメディアに取り上げていただき、売上は文字通り「うなぎのぼり」でした。鰻店の売上は気温の上昇に比例すると言われており、暑さが続いた月も多くのお客様にご来店いただきました。その勢いのまま、月の周年祭、月の秋の土用まで駆け抜けました。

次の課題は閑散期の底上げ

 こうして無事に初めての繁忙期を乗り切りましたが、次の課題はこの後やってくる冬の閑散期です。ようやくFC展開から1年を経験し、売上予測を立てられるようになりました。しかしここからは、低迷する時期の売上をいかに底上げするかが重点課題でした。
 そこで、全店舗で「ワンランクアップキャンペーン」を実施しました。12月の特定期間に来店された方へ、1月以降来店時に前回来店時にオーダーしたメニューと同金額で、ワンランクアップのうな重を食べることができるというお得なチケットを配布しました。夏のような売上推移とはいきませんでしたが、横浜本店で経験した閑散期よりも売上は改善しました。さらに、テレビCM やつり革広告などの販促活動も積極的に行いました。全国に店舗が拡大したことで各地のメディアでも取り上げていただけるようになり、確実に認知度が向上していることを実感しました。
 そして、2024年3月についに100店舗を達成し、業会No.1(自社調べ)の店舗数となりました。日本一店舗数の多い鰻専門店になったからといって、出店ペースを緩めるつもりはありません。次回は、これからのことについてお話ししたいと思います。

 

フランチャイズビジネス インキュベーション株式会社 代表取締役社長 山本昌弘

Profile 山本昌弘
滋賀県生まれ。高校卒業後、イタリアに留学。帰国後、大手英会話スクールを経て、大手フランチャイズ本部に勤務。常に上位の営業成績を残す。解約率を約1割に抑える。前職での実績を糧に2020年に独立し、現在に至る。

次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌

フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。

記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌

“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。

定期購読お申し込みはこちら