【連載 最終回】飲食未経験の僕が3等立地で鰻屋をはじめて20カ月で150店舗・月商4.6億円のチェーンをつくるまで

最終回　ついに100店舗達成へ！

　わずか1年8カ月前、横浜の郊外三等立地に出店した「鰻の成瀬」。一介の鰻店はFC展開すると瞬く間に店舗数を伸ばし、直近では150店舗を突破した。この店舗を作ったのは、著名な外食経営者でもなければ、有力FC本部経営者でもない。本稿では、フランチャイズビジネスインキュベーションの山本昌弘社長が手探りで始めたFC本部経営の道のりを辿り、フランチャイズドリーム実現までの軌跡を追った。

閑散期を迎え撃ち、100店舗に到達

　前号では、初めての繁忙期についてお話ししました。最終回となる今回は、100店舗を達成するまでの道のりと、この先の展望についてお伝えしたいと思います。
　初めての繁忙期は大盛況のまま幕を閉じ、良い疲労感で創業1年目の夏を終えました。この経験を通して『チーム成瀬』はより一層強くなり、一体感が増したように感じます。昨年9月に実施した「鰻の成瀬生誕祭」や、10月に打った「秋の土用の丑の日キャンペーン」も盛況で、新たなお客様にもご来店いただけるようになりました。
　そして遂に、11月に50店舗を達成し、ファーストステップと捉えていた100店舗までの道筋が見えるようになりました。しかし、出店を希望するオーナーは増える一方で、予想していた閑散期が訪れました。春から夏にかけてオープンしてきたオーナーたちは、「夏と同じようにやっているのに、売り上げが上がらない」「このまま売り上げが上がらなかったらどうしよう」と不安の色を見せ始めていました。
　そこで本部として、新たなキャンペーンに加え、同時期に全国でテレビＣＭのプロモーションを仕掛けました。この戦略は成功し、狙いどおり年末から年明けにかけて全店で売り上げを伸ばすことができました。
　その後、今年1月末には80店舗に到達し、100店舗が射程圏内に。オーナー達へ「もうすぐ春がやってくるよ！みんなで耐えよう！」と声をかけ、売り上げが増加する春に備えました。

決意を新たに次なる目標は300店舗

　そしてついに、3月頭に100店舗を達成。それを記念して、東京の八芳園にて「100店舗達成記念パーティー」を行いました。全国のオーナーやこれから出店する予定のオーナー、関係業者の方々から本部スタッフまで、初めて全員が一堂に集まりました。これまでずっと支えてくれていたオーナーやスタッフ、関係企業の方々およそ130名を前にすると、熱いものが込み上げてきました。「もっとみんなで幸せになりたい。みんなと一緒に喜びたい。それがお客様にも伝わるんじゃないか。もっと頑張ろう」と決意を新たにしました。
　記念パーティーでは、ベテランオーナーや若手オーナーによる座談会や、これまでの運営裏話を話す時間を設けました。同じ地域で頑張っているオーナー同士が初めて顔を合わせ、「一緒に地域を盛り上げていこう！」と楽しそうに交流している姿を見て、また胸が熱くなりました。
　さて、目標にしていた100店舗を超え、次に掲げた目標は300店舗。当初、100店舗達成は数年かかると思っていました。しかし、300店舗も想定より早く達成できそうです。
　300店舗に到達した後は、新規オーナーの募集は予定していません。それは、もっと大きなブランドになるための準備をするため、立ち止まるつもりはありません。鰻の成瀬はこれから第二章がスタートします。ぜひ引き続きご注目いただけますと幸いです。

フランチャイズビジネス インキュベーション株式会社 代表取締役社長 山本昌弘

Profile　山本昌弘
滋賀県生まれ。高校卒業後、イタリアに留学。帰国後、大手英会話スクールを経て、大手フランチャイズ本部に勤務。常に上位の営業成績を残す。解約率を約1割に抑える。前職での実績を糧に2020年に独立し、現在に至る。