【アークウェイ】高齢者を詐欺から守るため生活支援サービスに加盟

公開日:2023.12.17

最終更新日:2023.12.17

※以下はビジネスチャンス2023年12月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

加盟から13年、顧客数8800名以上で月商1500万円超

アークウェイ[さいたま市緑区] 生活支援サービス Benry(ベンリー) 笠井健太社長

 アークウェイは2010年に生活支援サービス「Benry(ベンリー)」に加盟、同年5月にベンリーさいたま原山店をオープンした。この13年間で9000名ほどの顧客を積み上げ、現在の月商は約1500万円。チェーン約200社の加盟店の中でもトップの売上を誇っている。同社の笠井健太社長に、加盟の経緯から事業成長の秘訣を聞いた。

 

 

 

コンビニ8店運営から新規事業 毎月50〜60件の新規顧客を開拓

-御社は1993年に創業されています。もともとはどのような事業を展開されていたのですか。
笠井 当社はもともと構内請負業で開業をしました。しかし、バブルが崩壊したタイミングでもあり、一気に需要が下がってしまい、創業から2、3年後に事業転換しコンビニに加盟しました。その後は順調に店舗を増やして最大8店舗の運営をしていました。
 しかし、15年ほど前からコンビニの陣取り合戦になり、競合の出店で1日の客数が200、300人も減るような状態に。本部から紹介される新店も良い物件がなく、コンビニは頭打ちになると察して、新規事業を探し始めたのです。
-なぜそこでベンリーを選ばれたのでしょうか。
笠井 新規事業を探し始めたころ、ちょうど子どもの小学校のPTA会長に着任しており、自治会や行政とのお付き合いが増え、世の中のことが見えてきました。当時、高齢者を狙った詐欺が増えており、連日そんなニュースを見て危機感を覚えました。20、30年後の我々の未来の姿のわけですから、これはまずいなと。
 さらに、商店街のお店がどんどん廃業しており、単身の高齢者が困った時に頼れるところが身近になくなっていました。そういう社会背景があり、社会問題を解決できるビジネスはないのか、そういう視点が芽生えたのです。
 すると、今まで素通りしていたベンリーが目に入ってきました。生活支援サービスなら私が思い描いていたことを実現できるのではないかと。一人でも多くの高齢者と繋がり、詐欺事件などを未然に防ぐことを裏ミッションに掲げ、加盟に至りました。実際開業し、「心配なことがあったら電話くれればいいからね」と声掛けをして、未然に防げた事件がいっぱいあります。
-御社が運営するベンリーさいたま原山店では、約9000件の顧客がいるそうですね。これは加盟店の中でもトップクラスに多い顧客数だと伺っています。
笠井 オープン当時、同じお宅に月に2回チラシを配布することを決め、毎月5〜6万枚のポスティングをして、毎月50〜60件の新規顧客を獲得していました。そして、リピーターを積み上げながら2年で顧客数が1500人に到達しました。顧客が1500人を超え、月商350万円を超えた時が一つの分岐点だったように思います。
 このビジネスは何でも仕事に繋げることができます。例えば飲食店にご飯を食べに行って厨房が汚れていると思えば掃除できますよと、どこでも営業ができるわけです。築年超えの住宅が並ぶ通りを歩けば、歩いただけで500万円ほどの仕事を見つけられますから。その500万円の仕事をうちに発注してくれるように、販促活動を行っていくのです。そういう視点を社員みんなが持てるかどうかで売上は大きく変わります。
 うちには、草むしりに行って80万円のリフォームを受注してきたスタッフもいます。炎天下の中、黙々と草むしりをしていると、それを見たお客さんがこんなスタッフがいる会社は良い会社だと思い、色々相談をしてくれるのです。そのスタッフはリフォームのことは分からないため店長に繋ぎ、店長がお客さんとお話して受注に繋がりました。草むしりから80万円の受注に繋がる業態なんてそうそうないですよ(笑)。

事業拡大のため新社屋への移転も検討中(写真左はベンリー本部の上井博史取締役)

本部が人材育成と営業開拓も顧客づくりのノウハウが強み

-2年で月商が350万円を超えたとのことですが、現在の売上は。
笠井 現在は9000件の顧客があり、そこから毎月大体350〜400件くらいの依頼が来ます。それで現在は月商が1500万円ほどになっています。うちがグッと売上を増やしたきっかけは建築系の職人を採用してからなんです。
 もともとリフォームの依頼が多く、仕事が回らないこともあって、職人の採用に踏み切りました。でも、大工や塗装の人間はそれしかできず、他のことをやってもクレームになってしまう。しかし、逆にそれが売上を伸ばすきっかけになったのです。
 職人系のスタッフの仕事を確保しないと彼らへの給料が払えない。だから彼らが仕事にあぶれないように、店長が仕事を取ってくるのです。例えクリーニングで仕事に行っても、家の中を見て、「うちで修繕できますよ。見積もりだけでもしましょうか?」と。だから、お客さんの需要があっての売上だけじゃなくて、採用した以上彼らの給料を払わないといけないという内部事情もあって、売上が伸びたのです。
-改めてベンリーの強みとは。
笠井 契約更新や研修でたまに本部に行かせてもらうのですが、本部の雰囲気が 非常に好きなんですよね。FC本部との関係でストレスがない(笑)。ベンリーでは加盟店同士の繋がりもあり、店舗間の連携ができるのがありがたいと思います。うちはリフォームが得意なので、近隣店舗が苦手だったら共同作業で受注することもあります。逆にこちらで溢れた仕事を近隣店舗に回すこともあり、競争関係ではなく協力関係になっているのです。
 うちはもう10年くらい加盟店の中で業績がトップですから、正直本部から学ぶものはもうないと思っていました(笑)。でもつい最近研修に参加したら、うちの店長や社員も連れて勉強させなければと思うくらい、非常に充実した内容でした。研修の内容もどんどん変わって本部も進化していることを感じましたね。
 顧客が2000人になるまでは運転資金を相当使いましたが、2000人を超えた辺りから、こんな面白いビジネスはないと感じるようになりました。2000人超えると違う景色が広がってくると、他の加盟店さんにもよく伝えています。
 こんなにもありとあらゆるものを提供できる業態はそうそうありません。常に目の前のお客さんのために、何ができるか、どう貢献できるのかという視点を持っていれば何でも仕事に繋げていくことができるのです。

次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌

フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。

記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌

“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。

定期購読お申し込みはこちら