【ファクトリージャパングループ】おもてなしの心を武器に整体を世界に広げる
公開日:2024.01.10
最終更新日:2024.01.10
※以下はビジネスチャンス2024年2月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
2010年に海外進出しアジア圏で42店舗を展開
ファクトリージャパングループは、整体サロン「カ・ラ・ダファクトリー」などを国内外に370店舗以上(2023年2月末)展開している。2010年の台湾出店を皮切りに、アジアへの展開をスタート。現在、中国大陸3店舗(直営)、タイ4店舗(直営)、台湾12店舗(FC)、フィリピン17店舗(FC)、インドネシア6店舗(FC)、海外店舗が計42店舗(2023年月末)まで増加している。出店後順調に店舗数が推移していたが、国によってはコロナ禍でまったく営業ができない時期があり、何店舗か臨時休業から閉店を余儀なくされた。しかし、フィリピンとインドネシアは昨年対比でV字回復をしている。
1964年北海道生まれ。1983年株式会社ソシエ・ワールドに新卒入社。技術職を経て、取締役営業本部長を務め、2015年6月に株式会社ソシエ・ワールド代表取締役社長、 2019年10月株式会社ソシエ・ワールド取締役会長就任。2020年3月31日退任。2020年株式会社ファクトリージャパングループ代表取締役会長(CEO)就任。2021年、同 代表取締役会長兼社長(CEO)就任(現任)。
技術の受け入れやすさを重視 親日である台湾から出店
―御社は台湾への出店で海外進出を果たし、その後アジア圏内に多数の店舗を出店されています。最初に台湾を選ばれた理由を教えてください。
村田 そもそも当社には、長年の運営で培ってきたこの素晴らしい整体の技術を国内に留めず、世界に発信して貢献していきたいという考えがありました。リラクゼーションという観点でみると、世界各国にそれぞれの文化が根付いています。その中でも、鍼灸やタイ古式マッサージと整体は似通っている部分があり、アジア圏に受け入れられやすい技術だと考えました。そのため、海外に出店するなら最初はアジアが良いと考え、その中でも親日で、日本の企業やビジネスが高く評価されていた台湾を選んだのです。
2012年にフィリピンへ進出しましたが、こちらは1店舗目からFCで出店しています。当社の施術を体験した方から加盟希望を受け、FCで進出することになりました。また同様に要望を受け、2014年にインドネシアにも進出しています。現在の現地パートナーは、日本に来た際にたまたまカ・ラ・ダファクトリーに出会い、見て体験して感動をして、自国で展開したいと考え加盟してくれたのです。海外のFC契約に関しては、原則1か国1オーナー制にしています。
―海外進出する際にハードルになったことはありましたか。
村田 アジアでは、雑居ビルで運営されるなど怪しさのあるマッサージ店が多く、職業イメージが良くないため求人に苦労します。整体はマッサージとは違いますが、そもそも整体が何かを伝えることが難しい。通訳を介して説明するのですが、専門用語も多いため正しく伝わっているのかわからず、言葉の壁は大きいと感じました。
また雇用できても我々のサービスの価値観や、おもてなしの心を理解してもらうにはとても時間が掛かります。当社が伸びてきたのは技術だけじゃなく、お客様に寄り添った心のこもった対応があったからこそ。しかし、どの国も日本に比べ時間にルーズな人が多く、仕事への優先順位が日本ほど高くありません。そもそもの常識が違うため、私たち日本人のおもてなし精神は理解されないのです。
そのため当社では、お客様との実話をドラマ仕立ての動画にして見せています。感受性豊かな方はその動画を見て涙を流してくれることもあります。お客様を自分の家族、一番大切な人だと思い、体だけではなく心も含めてトータルケアをする大切さを伝えているのです。
人の入れ替わりも激しく教育が本当に大変ですが、教育担当者が常に教育を繰り返して、クオリティのコントロールに努めてくれています。
集客力のあるモールに出店 アッパーミドル層を狙う
―初めて海外に出店された時、現地の方の反応はいかがでしたか。
村田 直営店を出した台湾とタイの話になりますが、ターゲットをアッパーミドル層に定め、出店場所に少し高級なモールを選びました。屋形として集客力があり、先ほども言ったように日本の企業やサービスは信用力があったため、立ち上がりとしては悪くないスタートでした。
私たちのビジネスは基本的に継続して来ていただくリピータービジネスです。初来店時に体の状態をしっかりと説明し、今後の施術計画を立てるため、来られたお客様は一度でファンになってくれます。大きな変化や感動を与えられるからこそ、リピーターに繋がっているのです。
メニューに関しては、日本の技術とホスピタリティをほぼそのままで提供しています。体格の大小は違っても、A・P・バランスⓇ技術は通じています。アッパーミドル層をターゲットとする海外では、料金の割引などは一切行っていません。客単価は現地の一般価格より高めで提供していますが、価値あるものとして評価いただいています。
コスト構造的に日本より若干ですが有利ですし、日本の技術、おもてなしの心というものが海外で大きな武器になっていると感じています。
―今後の海外展開の展望は。
村田 2022年に中国の深センに会社を立ち上げたため、これから中国でFC店舗数を伸ばしていきたいと考えています。中国に関しては国土が広いため、1都市1オーナー制とする方向です。
今後の中期経営計画は策定中の段階ですが、戦略的には海外では中国大陸、東南アジア、中東を中心にFCを含めて展開していく予定です。めぐり合う現地パートナーによって、出店のスピードはまったく変わります。我々のビジネスは、人が財産になるビジネスだと心底理解して、大切にしてくれるパートナーと組んでいきたいと考えています。
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