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【京都北白川 ラーメン魁力屋】豊富な商品と多様な店舗タイプを持つ万能型ラーメン店(後編)

公開日:2024.08.29

最終更新日:2024.08.30

※以下はビジネスチャンス2024年10月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

 同社は今後、直営店・独立店・FC店の3つの運営形態で出店拡大を進めていく。すでに全国142店舗を展開しているが、出店可能店舗数は730店舗を見込んでいる。店舗タイプ別の内訳は、ロードサイドで約410店舗、商業施設で約220店舗、ビルイン他で約100店舗としている。

ロードサイドは43席が基本 最近はコンビニ居抜きも活用

--建物面積や客席数などの店舗設計は、物件スペックによって変更しているのでしょうか。
藤田 いいえ、基本決まっています。ロードサイドの場合、10台以上の駐車スペースを確保するため土地面積は約200坪必要です。店舗はカウンター13席とテーブル5卓・30席の合計43席を基本としており、建物面積は約30坪となります。ただ、43席のパッケージではピークタイムの取りこぼしがあるので、最近はコンビニの居抜きやラーメン屋の撤退物件を使った60席のパッケージも作っています。
--初期投資の目安はどれくらいですか。
藤田 物件により変動しますがロードサイド(居抜き)の場合は、内外装工事費が約4200万円、その他備品と開業費等で約1000万円、合計で約5200万円です。フードコートの場合は、内外装工事費が約2700万円、その他備品と開業費等が約1000万円、合計で約3700万円となっています。ビルイン他は現時点で8店舗と例が少ないため、現状モデルはありません。
--収益モデルを教えてください。
藤田 ロードサイドは月商800万円、フードコートは月商900万で、どちらも営業利益率は約12%を見込んでおります。

 魁力屋はラーメンに加え、定食や一品メニューも充実させることで、さまざまな客のニーズに対応してきた。バラエティ豊かな商品展開で幅広い客層を獲得するとともに、数々のリピート施策も実施。期間限定商品や割引券の配布で、来店動機を作っている。

来店客の半数が定食を注文する

1.5カ月毎に新商品を投下 多様なリピート施策

--ラーメン店にもかかわらず、メニュー数は約60品目と豊富なラインナップを揃えています。
藤田 商品カテゴリーはラーメン・定食・一品・ドリンクで、一部デザートも用意しています。地域により販売価格は異なりますが、看板商品の特製醤油ラーメンは並で720円、全部のせにすると980円です。そして、ラーメンを注文されたお客さんのうち半数の方が定食も頼まれます。そのほとんどが焼きめし定食で、お好きなラーメンにプラス260円で付けることができます。そのため、客単価は1000円くらいになります。
--メニューの幅広さが客層の広さに繫がるのですね。
藤田 その通りです。たくさんの方に来ていただけるようにラーメンは特製醤油のほか、漆黒醤油やコク旨、みそや辛みそと味のバリエーションを増やしています。また、ボリュームのある定食ラインナップにより、男性の方にもご満足いただいています。
 当店のお客さんは7割強が男性となっていますが、土日になるとファミリーが来られるため女性比率もアップします。並んでいるお客さんを見ると、さまざまな属性の方にご利用いただいているのが分かります。若者カップルの後ろにファミリーがいて、その後ろには作業服を着た現場の方、そして学生や営業マンと続いています。
--お客さんは魁力屋のどこに魅力を感じて来店されていると思いますか。
藤田 1つは、1.5カ月サイクルで期間限定ラーメンが出ることだと思います。今夏は、冷やし醤油らーめんや背脂スタミナらぁめんを販売しました。新商品が出たらプレスリリースに掲載するのですが、そこから転載されてバズることも結構あります。定期的に新商品を出すことは、お客さんの来店動機にもなりますし、リピーターさんも飽きさせないことにも繫がります。
 あとは、ご来店いただいたお客さんに100円の割引券を配布したり、LINEクーポンを付与するなどのリピート施策を実施しています。

 関西を中心に展開してきた魁力屋は、ロードサイド立地が多いこともあり、全国的な知名度はまだ低い。その課題に対し、同社は商品卸を強化することで認知度向上を図っている。また客層の広さと多様な店舗タイプ、京都ブランドといった強みを活かして、今後は海外展開にも挑戦する。

未開拓エリアでFC出店 直営・FCは同比率を維持

--今後の出店計画についてですが、直営とFCの割合はどのように考えていますか。
藤田 1対1の割合で増やしていきたいです。基本は直営でやりたいんですよ。ただし、出店数を増やすという意味ではFCの力が不可欠です。なので、直営とFCは同じくらいの割合でいこうと考えています。既存エリアである関東・関西・東海の3大都市圏は直営を中心にドミナント化していきます。一方、地方はその地域に強い企業さんと組んでFC出店を進める考えです。地場企業は物件獲得力もありますからね。
--出店可能店舗数は730とありましたが、実現すると結構な規模になりますね。
藤田 730店舗は決して大きすぎる数字ではないと考えています。たとえば、幸楽苑さんはピーク時に東北と関東、関西の3つのエリアだけで550店舗を展開していました。また、当店と業態が少し異なりますが、リンガーハットさんは約550店舗あります。そう考えると、全国で730店舗は実現できる数値だと思います。

1.5か月毎に期間限定ラーメンが登場

世界に通用する京都ブランド SCの経験を海外に活かす

--御社は店舗展開以外に、スーパーやコンビニに向けた卸売も行っています。今後は卸にも注力されるのですか。
藤田 卸を含めた物販売上も広げていきたいと考えています。これまで、冷凍と冷蔵、常温のラーメンに加え、焼きめしおにぎりなども販売してきました。来年は未定ですが、一昨年前から年1回ペースで、日清食品さんとコラボしたカップラーメンをローソンさん限定で販売させてもらっています。まだ売上にはさほど繋がっていませんが、知名度を上げる意味で物販は効果的です。
--今後、新たにされる取り組みはありますか。
藤田 海外展開に挑戦します。まずは、アジア展開の拠点として台湾に海外1号店を出店する予定です。そのため、新たに海外事業部を設置し、出店準備を進めています。当店は京都ラーメンを提供していますが、京都というブランドは日本だけでなく、世界にも通用すると思います。
 加えて、海外でラーメンチェーンを展開するにあたりメインの出店場所となるのはフードコートです。その点、当店は国内でフードコートの基盤ができていますので、有利に海外展開を進められると思います。

日清食品とのコラボ商品「魁力屋京都背脂醤油ラーメン」

【京都北白川 ラーメン魁力屋】豊富な商品と多様な店舗タイプを持つ万能型ラーメン店(前編)

【京都北白川 ラーメン魁力屋】豊富な商品と多様な店舗タイプを持つ万能型ラーメン店(中編)

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