【プラザクリエイト】写真関連サービス「PALETTE PLAZA」197店舗展開(前編)

公開日:2024.02.22

最終更新日:2024.02.22

※以下はビジネスチャンス2024年4月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

「DIYキット」「思い出コンサル」等新事業でFCモデル再構築へ

 プラザクリエイト(東京都中央区)は、写真関連サービスを提供する「パレットプラザ(PALETTE PLAZA)」 を全国に197店舗展開する。2023年3月期のグループ売上高は191億2700万円。元々は写真プリント業が中心だったが、現在はソフトバンクなどの携帯キャリアショップを運営するモバイル事業が売上の80%以上を占める。イメージング事業の柱である「パレットプラザ」は、既存の写真店のイメージを再構築するため新商品・サービスの開発を進めている。

プラザクリエイト (東京都中央区) 新谷 隼人 代表取締役社長(37)

Profile しんたに・はやと
1986年6月大阪生まれ。広告代理店、リクルートを経て、2019年プラザクリエイト入社。プラザクリエイトの次世代を担う新規事業創出をリードする。取締役を経て2022年に2代目社長に就任(現任)。

 

 

 

 

 プラザクリエイトは1988年創立。写真DPEショップ「パレットプラザ」のフランチャイズ展開を中心に成長してきた。同業の「55ステーション」を子会社化するなどして事業を拡大し、1996年7月に上場を果たした。2017年に持株会社体制へ移行。現在は創業者の大島康広氏が、持ち株会社のプラザホールディングス社長を務め、基盤強化・M&Aを推進している。一方、事業会社のプラザクリエイトは二代目社長の新谷隼人氏が舵取りをする。同社では「みんなの広場をつくる」をミッションに掲げ、「イメージング事業」「モバイル事業」「ソウゾウ事業」の3事業を展開している。

「イメージング事業」セグメント スマホ修理サービスが好調

ーー直近で「パレットプラザ」が197店舗ですが、直営とFCの内訳は。
新谷 直営が16店舗、FCが181店舗です。
――FCオーナーの中には30年以上やっている人もいると思います。加盟店は個人が多い。
新谷 元社員の方で店長をやっていた店舗で独立したり、譲渡したのれん店舗が多い。かつほとんどのオーナーさんが2店舗以下です。
――コロナ禍では売上が大幅にダウンしましたが、その時のFCに対してのフォローは。
新谷 コロナになった頃は店舗の売上が月次で6割7割減が3ヶ月ぐらい続きました。その間は運転資金の金融支援を行うなど、様々なフォローを行ってきました。
――現在は、携帯ショップを展開する「モバイル事業」がグループ売上高の80%以上を占めます。「イメージング事業」は約17%でセグメントとしてグループでの貢献度は決して高くない。今後「パレットプラザ」が売り上げに貢献するための戦略は。
新谷 どうしたら次の「パレットプラザ」を作れるかを今試行錯誤している最中です。写真のプリントショップとしての存在価値は残ってはいますが、時代に合わせて確実に見直さなくてはいけない。もう1回再定義して次の「パレットプラザ」を作ることが、今のイメージング領域での自分の一番の仕事だと思います。
――具体的な取り組みは。
新谷 新しいチャレンジをしていて色々テストをしています。1つ目が「アイサポ」というスマホ修理サービスを「パレットプラザ」店舗で始めました。アナログカメラの市場は比較的まだ強いですが、写真をデジカメや一眼レフで持ってくるお客さんは今ほとんどいません。スマホに入っている写真をプリントするという方が90%を占めます。スマホが壊れて使えないと写真が残せない状況になるので、修理を当社が行ってお客さんのカメラが常に稼働できる状態を作ることは、パレットプラザにとってプラスになります。
――2022年に「アイサポ」を展開するギアと業務提携をしています。
新谷 修理サービスを始めたのがこの1年ぐらいで、今70店舗程あります。iPhoneの液晶や電池の交換は誰でもできるものではないので、我々が研修チームの本部として、サードパーティと一緒に研修プログラムを作ってオーナーさんにやり方をお伝えさせてもらっています。
――「パレットプラザ」の看板を変えるわけではなく、新たなサービスを追加している。
新谷 あとはDIYキットの「つくるんです」が順調に伸びています。コロナ禍の巣ごもり需要によって認知が伸びて、今も順調に推移しています。これらは私が入社した頃に立ち上げたサービスです。

水色の看板が目印の店舗

 2018年9月より取り扱いを開始した「つくるんです」は、「作るコトも趣味にして楽しむ」ことをコンセプトとしたDIYクラフトキット。現在までにシリーズ累計出荷数200万個を突破した。「ミニチュアハウス・ドールハウス」や、「3Dウッドパネル」など、子供から大人まで幅広い層に人気があるという。「パレットプラザ」はもちろんECでも販売している。

写真をプリントしたグッズも

DIYクラフトキット「つくるんです」 SNS投稿促しクロスセルを狙う

――「つくるんです」は、写真とあまり共通性がないのでは。
新谷 もちろんどういう商品が写真と関連性を持って売れるか考えました。写真は記録して保存する目的ではなく、自分の作品を誰かにシェアするとか残していくという価値の方が今は増している。写真が一番多く見られているのはインスタグラムやツイッターなどのSNSです。そのためプリントはされていないけど、写真の枚数は以前より100倍ぐらい増えている。今は写真が自分の考えの分身や作品だと考えた時に、「パレットプラザ」で何かしら作品にできる雑貨みたいなものができないかと始めました。
――商品を店頭で販売してクロスセルを狙う。
新谷 「つくるんです」は実は完成するのに短くても数時間はかかるのです。1日で出来るものではないため、購入者は作った達成感を味わうことができ、それを写真に撮って友達と共有ができる。実際、作品を写真でシェアしてもらえるケースが多いので親和性がありました。マーケットは10倍以上伸びています。ファミリー層も多いので子供と一緒に家で楽しめるグッズとしてクロスセルも狙える商品です。
――事業領域を広げやすいツールになるか、期待は大きいわけですが、実際売上にも貢献していますか。
新谷 もちろん貢献はしていてまだ伸ばせると思います。今後は例えばカメラと「つくるんです」を一緒にプロダクトとして提供したり、プログラミングと結びつけた商品を開発して教育領域への展開も検討しています。子供関連では教育やもの作りの領域に広げるチャンスはある。商品を拡大することで様々なお客様が来てくれたらデータが蓄積できます。データ活用をした商品開発はイメージング事業でも大きなチャンスがあるでしょう。

【プラザクリエイト】写真関連サービス「PALETTE PLAZA」197店舗展開(後編)

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